金融・資本・給与に対する考えのまとめ書き Part2

追記 2024-02-05
「追記:自分の恐れ②――ディストピア、あるいは…――」の章を追加。

バブルに対する自分のイメージ

こういうポストをしました。
バブル経済の時に対するイメージとして、土地というのが経済の原動力になっていたというふうに残しました。経済成長によって土地の値段が上がっていく、土地の値段が上がっていくことが予測できる内はその土地を担保にしてその将来の増分を当てにお金を貸してしまう。そして、その土地の値段が上がるという見通しが立っているのは、都市開発によってであったのではないか。そんなふうにその時代のことをまとめました。
この好景気を支える仕組みのようなものを現代において描写するならば、どういう内容になるでしょうか。
現在、株価が30年以上ぶりに高値をつけています。そういう意味では株においてのバブルが小さからずとも発生していると言えるでしょう。そして、企業の成長・安定の原動力となっているのは、資本という存在です。
自身の活動の展開において、自らの持ち分でもってどれくらい事業を展開できるのか。その量や質が企業の質を決めるのかもしれません。企業の内部留保が最大というニュースを目にしたことがありますが、これを見る限り企業が生み出した利益というものはその企業の活動内において決済されている。
企業が大きい資本を持てば持つほど、企業の活動は安定します。企業が安定すること・企業が先の見通しに対して楽観的なイメージを持たれていることは、その企業の株価の上昇に対しても寄与するでしょう。現在の状態は、企業・商業体の安定のために、それぞれの人は購買・消費活動を通してお金を企業や商業体に預けているとまで言えるかもしれません。
企業の利益を直接従業員に還元するのではなくて、株主に株主配当として給付することをしています。これを見る限り、どうもこの経済システムというものは資本のさらなる安定化・資本の増加の計画された見通しを持ちたいということらしいのです。
また、株価が・企業資本が現在の経済のシステムの有り様に大きく関わっているとするならば、とうぜんモノがどのように・どれくらい消費されているかというのは大きな問題になってきます。人がモノを買ってくれるから企業は大きな業績を残すことができて、企業が大きな業績が残すことが出来るということはその分だけ株主にその利益を還元することができます。その利益の還元は予定に沿って定められていて、その増分だけ、その企業の株式という形で預けられた資本は増加が計算できます。また、そうした企業の好業績は株価の上昇・下落を扱っている金融商品にも、その影響は波及し、ある意味では企業の業績が・モノの売上が金融商品の質の良し悪しを決めているといっても良いかもしれません。
人々の消費活動→企業資本の状態改善化→株価や金融商品への好影響→計算できる・約束できる経済成長→人々のさらなる消費活動……という流れを持っているわけです。
こうして現代社会を見たときに、この今が1980年代のバブルの時と同じような構造を持っているのではないかと見ることができます。

消費習慣について

前回のテキストはれいわ新選組が公約にしているような「毎月現金給付10万円」という内容や「政府の赤字はみんなの黒字」といった積極財政・給付論に対する疑問から生まれたテキストでありました。

つまりは、ただ10万円が毎月給付されたとしても、最終的には現金をどう使うかが問題になるのであって、構造的な決済の構造・資金の流れの構造に飲み込まれてしまう。しかも、その10万円のほとんどが貯金に回ってしまったとしたら、消費が滞ってしまう。消費が滞ってしまうと、先ほどの
人々の消費活動→企業資本の状態改善化→株価や金融商品への好影響→計算できる・約束できる経済成長→人々のさらなる消費活動……
という流れを止めるものになってしまい、将来において続けて成長を計算できること、約束できる経済成長が止まり、状況としては詰むのではないかと思われます。だから、ある意味では10万円給付したとしても、それを消費において最大化するような使い方をしてくれないと、もう先におけるこの循環の停止は目に見えています。
そういう意味では、「10万円もらったとしてどう使うか・どう活用するか」。現金を使ってしまうだけでなく、10万円を生かしたまま10万円相当分の買い物をすることだって可能なのです。こうした態度の違いによって、その給付をどう生かせるかという結果も変わってくるわけです。
そういう意味で、現在においては「投資の知識の普及」や「株式会社の活動の個人活動化」といったことが試みられていると思われます。
おそらく給付がありえるとするならば、この普及の後とも思われるのです。

Amazonの方法

自分がAmazonで買い物をするときには、よくAmazon MasterCardを用います。このカードのおもしろいところは、分割払いの利率が他のカードよりも低い点です。手数料の利率は、楽天カードでは12.25~15.00%・他の三井住友カードでは12.00%~14.75%になっています。
しかし、このAmazon Mastercardは10.00%~12.25%になっています。
どうやってこの利率の違いが出せるでしょうか。
Amazonはつまりこういうことをやっているのではないかと思われます。
みんながここでお買い物をしてくれたら、当然その売上はAmazonにも行くわけです。そして、その売上が膨れ上がったときには、この場所で買い物をしてもらうことを通してそれを還元しよう。AmazonをAmazonカードで利用してもらう場合に限り、Amazonの手元の売上を手数料分還元できるようにしてしまおう、という考えがある。
以前のAmazonカードの手数料の利率は12.00%~14.75%になっていました。
以下の記事は2020年に更新されたものです。

これらのことを簡単に書くと、みんながAmazonを使ってくれるからAmazonの利益でもってさらにAmazonの買い物を利用しやすくしてあげよう、ということになるでしょうか。こういうことが出来るのは、おそらくAmazonの強大な売上あってこそであると思われますし、その売上を可能にしているのはこうした手数料を通した還元の仕組みかもしれません。
アップルが金融分野に参入したというニュースが以前ありまして、もしかしたら米国の企業は自ら得た売上を用いた消費の囲い込みの手段としての金融に乗り出しているという動きがあるのかもしれません。

それぞれのソリューション

キャッシングでもショッピング枠でもいいのですが、余所からお金を借りるという方法をとるときには、収入という制限があります。
クレジットカードのショッピング枠には割賦販売法という法律が関わっていて、計算式を元に利用できる最大数値が決まっています。キャッシングについても貸金業法という法律で決まっていて同じである様子です。
それぞれの人がそれぞれのやり方で、収入を上げていかないと貯金どころかお金を扱う活動自体を大きくすることができません。
そこで、自分の決断や選択という方法でもって、収入を増加させるという方策がとられてきたのが昨今の風潮ではないかと思われます。
そのために、
パートタイムの人はフルタイムへ・時間増へというソリューションが待っていて、
フルタイムでこれ以上給与の伸びが望めないと感じている人は、転職というソリューションが待っていて、
さらなる経済活動をしたいという意欲がある人は、起業(ベンチャー)というソリューションがあるのでしょう。
それぞれはニュースになっていますね。1つめは○○○万円の壁であるとか、2つ目は転職を推進する動きであるとか、3つ目は起業を推進する動きであるとか、それぞれはそれらのニュース・動向に対応しています。
何らかの形で扱える現金量が増えないことには、それに対応する負債の活動も望めないことになります。
先に書いたような、給与として直接従業員に還元するという方法をとりにくい、しかし、それぞれの働く人には何らかの活動をもって給与を増やしてほしい。そうした事情を考えると、どうしてもその解決策は個人の意欲的活動によってそれを解決していく、というモデルにならざるを得ないのではと思います。自分は短時間労働で働くケースでしたが、自分の収入を増やしたいのであるならば、自分が条件を変えることで、自分がやれば良い。ある意味ではこうした内容で、収入増は済んでしまうわけです。
自分の意欲的活動を持って、自らの扱えるお金の量を増やしていく。そうした個人的ソリューションがあらゆる経済的な階層に対してあるというのが現代の姿なのかもしれません。

経済のキーは

しかし、たった少数が起業して成り上がったところで、影響は少ないでしょう。転職をしたからといっても、給与はいくら上がるでしょうか?
それだったら6時間労働の人が1時間働く時間を延ばしたとするならば、単純計算で16.6%給与が上がることになります。
このパーセントの上がり幅の増分を例えば年収500万円の人が実現しようとするならば、年収を83万円増加させることになり、年収1000万円の人がそれを実現するとするならば、166万円増加させることが出来なくてはなりません。効率も労働時間も天井につかえているのに、このようなジャンプアップが果たせる人は果たしてどれくらいいるでしょうか?
実際にこのレベルの賃上げはありうる話なのでしょうか?
僕は想像が付きません。
そうすると、そうしたお金の利用に対するキーパーソンはそうした収入増のポテンシャルがあるパートタイムの人なのではないだろうか?
そんなふうに自分は見ているわけです。
しかし、この人達のお金を使い方は現金重視であり、借金をして資産を残すという方法論を採ることはあまりありません。
それだからこそ、「手元にお金が無いから我々は投資ができない」という意見が多く出てくるのでしょう。
もしも、この人達がなにか変えることができるとするならば、そのお金を使い道についてでしょう。
そういう意味で、この資本主義の時代の最先端の経済体である株式会社の活動の個人化・個人活動へのコピーが望まれるのではないかと思われます。
資本主義があるから株式会社が猛威を振るっているのではなくて、株式会社がこの状況・場・フィールドにおいて有効な手を振るってきたからこそそれぞれ状態があるのであって、そこに「資本主義」というラベルが貼られただけなのではないでしょうか。

自分の恐れ①

「人々の消費活動→企業資本の状態改善化→株価や金融商品への好影響→計算できる・約束できる経済成長→人々のさらなる消費活動……という流れを持っているわけです。」

という内容を最初に残しました。
つまりは、みんなが買ってくれて、好業績で株価が上がって、指標として景気が良いとされ、その好業績でもってあらかじめ預けておいた資本の増分が確定してその分だけ計算できる。
まとめるとこんな内容になりましょうか。

この「計算できる」というのがある意味では自分の恐れる部分でもあります。つまりはもうこの分を予定してしまっていると、もうノルマが決まっている、と。株式の形で預けられた資産量も決まっています。動かせる額はないです、と。しかし、成長量というのはもう予定されたものですから、それは出さなければいけません、と。

そういうような固定された状況になってくると、おそらく全員がその成長のための予定されたノルマに動員されるような状況になって、
第1次産業から第3次産業まで、全員が総労働者化してしまうのではないか、おそらく農業やモノ作りに波及している問題が、芸術やエンターテインメントといった領域にまで進出してきて動員されて、いわゆる資本に自らの労働価値を預けながらも働いている、しかし収入の伸びは乏しいみたいな状況が起こるのではないだろうか?なんていう考えを持っています。

自分としてはもっと事態が流動的であれば良いと考えています。
自ら流動的にお金を使うことによってもそれは変化するでしょう。
そうしたことは前回の「金融・資本・給与に対する考えのまとめ書き」にも書いてきました。
そのための考えとして「資産に対する借金」・「株式会社の活動の個人活動化」という資産購買活動の考えが必要になってくるのではないかと思われるのです。

追記:自分の恐れ②――ディストピア、あるいは…――

決済の金融構造――例えば、クレジットカードの1決済後ごとには手数料がお店の側に課されていて、売り上げの1~5%ほど存在するようですが――というものがあって、【構造的な決済の構造・資金の流れの構造】というものを考えると、クレジットカードの利用があるごとに金融機関にそれだけのお金がお店の売り上げから吸い上げられていくという流れがある訳です。

そうやって考えると、そのうち人々は直接はお金を手に入れられないものの、世の中のどこかの機関に資金の塊があって、その資金のクラウドみたいなものに対してクレジットカードなりの方法でもって間接的にアクセスすることが出来る。しかし、資金・お金には直接アクセスすることは出来ない。
【自分の恐れ①】で書いてきた内容を含めて考察すると、そうした状況を思い浮かべることも不可能ではありません。
そして、自分が現在書いているような、【資産に対して借金を用いてお金を使っていくこの方法】が果たしてこの状況を促進するものなのか、それともこうした状況に対するメスとなるような方法になるのかという判断は未だについていません。
しかし、手順の逆転・リバーサルは可能になる。
手順の逆転・リバーサルというのは何かを書くとこういう内容です。
モノを買う→企業収益が上がって→賃金が上がるという流れがあるとするならば、これに対して「現在我々がお金がないじゃないか!」ということでこの手順は停止させられてきたわけです。
しかし、資産に対して借金でもってモノの購入を先行させられることが出来るとなると、【お金が無い】/→/【モノを買う→企業収益が上がる→賃金が上がる】という流れに対してモノを買うという流れの起点に対して、モノが買われたという実績が結果として残り、少なくともモノを買うという点から流れが展開できるというリバーサルが起こる。

モノを買うという起点が出来ることでお金に対する需要増やお金そのものの使用量の増加が見込める。手元のお金を使うだけではなくて、金融機関にストックされたお金が使われることで、資金の移動が発生する。そして、予測が出来るのが金利の上昇で、その金利の上昇でもっていかに状況が変わっていくか。
そうしたところまではイメージが出来ます。
それぞれの人々が「資産に対する借金」・「株式会社の活動の個人活動化」という消費活動においての態度を身につけることによって、果たしてどういう状況の展開が起こるのか。それはこれから見ていくつもりですし、その展開によってこのテーマについての記事――Part3――も出来上がってくることでしょうと思われます。

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