中山真之介

奈良出身京都在住。元バーテンダー。中年バスケチーム所属。笛ヌンチャク奏者。

中山真之介

奈良出身京都在住。元バーテンダー。中年バスケチーム所属。笛ヌンチャク奏者。

マガジン

  • エッセイと短編

    次の日には忘れてるけど、酒のアテになるような文章を集めたマガジンです。

  • しりとりショートショート

    バーを舞台にした超短編小説『ショートショート』の『お題』で、しりとりを続けております。

最近の記事

短編 『金木犀』

書斎で囲碁の定石本を眺めていると、窓から芳しい風が入ってきた。 金木犀の香りである。 書斎を出て、縁側に向かった。 庭を見ると、オレンジ色の花が咲いている。 「おいお前、ちょっとこっちへ来たまへ」 台所にいる妻に呼びかけた。 「お茶ですか」という返事が聞こえる。 「いいから来たまへ」 足音が近づいて来た。 妻はいつもより濃い目の化粧をしている。 「どうなさったんですか」 「あれを見たまへ」 「金木犀がどうかなさったんですの」 「どうかしたのかって君、

    • 敗北宣言

      皆さんコンニチハ。 ムーディ勝山さんと同い年の41歳で、無職、貯金ゼロ、「いつになったら仕事探すん?」という周囲の声を、受け流せなくなって来た秋山真之介です。 これまでの記事に『スキ』や『コメント』や『オススメ』をして下さった皆様、本当にありがとうございます。 本日は『敗北宣言』を発表させていただきます。 私はこれまでの人生で、負け続けて参りました。 その事実に気付いたのは、つい最近の事です。 「昨日、酷かったで」 これは自宅にバーテンダー時代の上司と、彼の彼女

      • 短編 『焼き芋』

        残暑の厳しさも収まり、金木犀が香りだした初秋の週末。 夏の間中ほったらかしにしていた庭の掃除を終えた私は、枯れ木や落ち葉を集めて焚き火をした。 焚き火をしていると、色々な事を思い出す。 火が踊る様をじっと見つめていると、心が落ち着く。 そして、無性に焼き芋が食べたくなる。 「おい、お前、芋は有るかい?」 私は庭先から、リビングの妻に声を掛けた。 「ございますわよ」 直ぐに妻の声が返ってきた。 「それは良い。アルミホイールと一緒に、こっちに持

        • 人と会う時の準備とは?

          皆さんコンニチハ。 元横綱白鵬さんの5つ歳上の41歳で、無職、貯金ゼロ、好きな相撲の決まり手は『しゃぶり出し』の秋山真之介です。 これまでの記事に『スキ』や『コメント』を下さった皆様、本当にありがとうございます。 本日は『人と会う時の準備とは?』を発表させていただきます。 先日、バーテンダー時代にお世話になったお客様にご招待いただき、その方が近々オープンされるワインバーに行って参りました。 前日から何を着て行くかで悩み、少しだけ酒を控えて早めに就寝しました。(午前4

        短編 『金木犀』

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        記事

          『守破離』の『破』には、まだ早い

          皆さんコンニチハ。 祖父が落語家だったので、ちょっと創作落語でも創ってみようかなと思ったのですが、 「お前のオトンって、仕事なにしてるん?」 「工場でパン作ってるわ」 「えっ、お前のオトン、工場でパンツ食ってんの?」 という所まで書いて、筆を置いた秋山真之介です。 これまでの記事に『スキ』や『コメント』を下さった皆様、本当にありがとうございます。 ここ数日、そろそろ何かnoteに記事を投稿しないといけないなぁ、という強迫観念に苛まれながら、何も書く事が思いつかな

          『守破離』の『破』には、まだ早い

          決断力の無いアナタへ

          皆さんコンニチハ。 元阪神タイガースの藤川球児さんと同い年の41歳で、無職、貯金ゼロ、関西圏でTV中継されている阪神戦では、ファンからの応援tweetが流れますが「佐藤!琵琶湖まで飛ばしたれ!」の後に「琵琶湖は角度的にファールやで!」という定番のやり取りが大好きな秋山真之介です。 これまでの記事に『スキ』や『コメント』をくださった皆様、本当にありがとうございます。 本日は『決断力の無いアナタへ』というお話をさせていただきます。 高校球児が選手宣誓をしている雰囲気でお読

          決断力の無いアナタへ

          超短編 『ミルクレープ』

          フライパンに油をひき、薄いクレープを焼いて皿の上に載せる。 その上に生クリームを塗り、焼いたクレープを重ねていく。 この作業を繰り返すと、ミルクレープが完成する。 クレープと生クリームの層が厚みを増すにつれて、だんだんミルクレープっぽくなっていく。 そろそろ完成かな?という頃合いで、野心が芽生えてきた。 一番上に、最高の焼き色が付いたクレープを載せたい。 これが思った以上に難しい。 「悪くは無いが、3枚前の方が綺麗だった」 「物凄く綺麗に焼けたけど、次は

          超短編 『ミルクレープ』

          超短編 『十五夜』

          今日は、中秋の名月ですね。 天気も良いし、外の月は綺麗だろうな。 満月を見ていると、色々な事を思い出します。 昔家族で行った月見の事。 沖縄の夜の海。 そして、あの子の事。 夜空にポッカリと浮かぶ、まあるい月。 手を伸ばせば届きそうだけど、手を伸ばすの、躊躇うよね。 だって、絶対に届かないのを、知っているから。 そんな人を想って、作りました。 聴いて下さい。 「こおろぎ」 そう言って、セミロン毛のダサい男がダサいイントロを弾き始めたの

          超短編 『十五夜』

          超短編 『手品師の息子』

          トイレからリビングに戻ると、息子が私の財布から千円札を2枚抜き取ろうとしていた。 「おいおいマリク、一体何をしているんだ。その千円札で手品でも見せてくれるのかい」 息子はビクっとしてから、バツの悪そうな顔で振り向いた。 「か、買いたい雑誌が有るんだ・・・」 私は顔をしかめた。 息子の言葉が信じられなかったのだ。 「雑誌?馬鹿になりたいのか」 台所の妻を呼んだ。 息子はうなだれている。 「母さん、マリクが私の財布から千円札を2枚抜き取ろうとしていたんだ」

          超短編 『手品師の息子』

          「出家して30年!未だに煩悩めっちゃ有りま〜す笑」というタイトルで書いた暴露記事に、108つのスキがついた。

          「出家して30年!未だに煩悩めっちゃ有りま〜す笑」というタイトルで書いた暴露記事に、108つのスキがついた。

          『心のカサブタ』を、掻きむしってしまうアナタへ。

          皆さんコンニチハ。 大西ライオンさんと同い年の41歳で、無職、貯金ゼロ、日焼け対策を全くせずに釣りや海水浴に興じていたところ、お肌がボロボロになってしまったので「当分仕事の面接には行けないよ」と妻に告げた秋山真之介です。 これまでの記事に『スキ』や『コメント』をくださった皆様、本当にありがとうございます。 本日は『心のカサブタ』を、掻きむしってしまうアナタへというお話をさせていただきます。 過去の恥ずかしい思い出や、悔しい記憶を急に思い出して「ウーーっ!」と声にならな

          『心のカサブタ』を、掻きむしってしまうアナタへ。

          弱肉亭無職の名言集①

          皆さん、お疲れ様です。 又吉直樹先生と同い年の41歳で、無職、貯金ゼロ、映画『アニー』を観て以来、『トゥモロー』を原曲キーで歌う練習をしている秋山真之介です。 これまでの記事に『スキ』や『コメント』を下さった皆様、本当にありがとうございます。 本日は『弱肉亭無職の名言集』を発表させていただきます。 『弱肉亭無職』というのは、以前友人に戴いた私の高座名で、『名言集』というのは、名言を集(シュウ)したモノです。 以前記事にも書きましたが、私は日頃から気に入った言葉をメモ

          弱肉亭無職の名言集①

          何かを得る為には、何かを犠牲にしなければならないのか?

          皆さん、お疲れ様です。 あばれる君の6つ歳上の41歳で、無職、貯金ゼロ、先日太刀魚を釣りに行ったはずなのに、サバを大量に釣って帰って来た秋山真之介です。(働け!) これまでの記事に『スキ』や『コメント』を下さった皆様、本当にありがとうございます。 本日は『何かを得る為には、何かを犠牲にしなければならないのか?』というテーマでお話させていただきます。 ①決意私はこの3ヶ月間、長編小説を書いておりました。 8月末が締め切りの文学賞に向けて、100万円の賞金と栄光に向かっ

          何かを得る為には、何かを犠牲にしなければならないのか?

          才能ウンヌンの前に環境を整える

          どうも皆さんコンニチハ。 元阪神タイガースの藤川球児さんと同い年の41歳で、無職、貯金ゼロ、妻が入院しているので着替えや飲み物を病院に持って行くのですが、看護師さんに「何か伝えとくこと有りますか?」と聞かれ「アイシテルと伝えてください」と真顔で言って、大スベリした秋山真之介です。 これまでの記事に『スキ』や『コメント』を下さった皆様、本当にありがとうございます。 本日は『才能を云々言う前に、環境を整えよう』というお話をさせていただきます。 私は今、小説を書いています(

          才能ウンヌンの前に環境を整える

          怪奇短編 『耳鳴り』

          シャワーを浴びていると、電話の電子音が聞こえた。 僕の部屋に、固定電話は無い。 スマホは常時マナーモードに設定されているし、偶然解除されていたとしても、こんな着信音では無かった筈だ。 疲れているのだろう。 コールセンターで、週6日、10時間近く働いているのだ。 耳鳴り、いわゆる脳の誤作動が起きたとしても不思議では無い。 そのうち鳴り止むだろう。 ※ シャワーを浴び終わっても、電子音は鳴り止まなかった。 それどころか、少しづつ音量が上がっているよ

          怪奇短編 『耳鳴り』

          コロナワクチンを摂取しました

          皆さんコンニチハ。 41歳無職、貯金ゼロ、家に有るワンピースを読破したので、noteに記事を書く時間が出来た秋山真之介です。(働け!) これまでの記事に『スキ』や『コメント』を下さった皆様、本当にありがとうございます。 一昨日の昼に、1回目のコロナワクチンを摂取しました。 働かれている方を差し置いて、無職の貴様がナゼ?? という、お怒りはごもっともでございます。 私自身は近所を散歩するのと、月に2〜3回バスケをする以外は、外出もしないし、人にも会わないのですが、問

          コロナワクチンを摂取しました