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心理学ナウ~スキーマ療法とマインドフルネス~

ヴィパッサナー瞑想を学び、Upekkha(ウペカ―)を知ることで私の体験した「明るくも暗くもない、温かくも寒くもない処」を理解することが出来ましたが、それが何の役に立つのかわからずに33年もの月日が経ちました。しかし、ようやく、自分自身の心の傷と向き合うことが出来るようになり、Upekkhaをどのように活用すればよいのか、薄っすらと分かり始めてきました。

足掛け3年、心理カウンセリングを受けていて、初めて先生から「人生のスキーマ」という言葉を聞きました。子どもの頃の認知によって思考回路が定着してしまうある一定の思考癖のようなものだともいえると思います。

フラッシュバックがその一つとも言えますが、ある条件下(風のにおいやある思い出の音楽)によって良い思い出もあるかもしれませんが、傷ついた思い出が、そのまま呼び起こされてしまうことも有ります。

無意識に刻み込まれた記憶のパターンと言ってもよいかもしれません。

自分が傷つくだろう行動を、無意識な選択によって繰り返してしまったり、偶然の出来事の反射として、毎回間違えて反応してしまう選択。
癖そのものかもしれません。

または、大丈夫、乗り越えたと思っているのに、やっぱり駄目だったという失敗の繰り返しだったり、どうしても怖くて一歩が踏み出せないことや、
言わなきゃいいのに、ということを口にだして、他人を怒らせてしまう等、人間は無意識の癖によって、自分自身を苦しめていることがあります。

何故、苦しむのか?

本当は、周囲の人もそんなに気にしていないことなのに、本人ばかりが緊張していたり、「嫌われたくない」という想いが強すぎて言動がおかしくなってしまったり、突然人間関係も「回避行動」になってしまうこともあります。

自分自身の行動を見つめることが「マインドフルネス」の瞑想法でも可能です。ただ、マインドフルネスの「ありのままを受け入れる」だけでは、自己中心的な思考になってしまったり、心の根本の傷はいえないので繰り返し自尊心が傷つくことも起こります。

私自身、Upekkhaの場所を知っていたとしても、それでは解決しないと理解していたのは、そのスキーマ(インナーチャイルドとも意訳できます)の存在でした。

現在スキーマ療法として自分でも出来るワークブックも発売されているようですが、その人の傷の深さによっては、グルグルとメリーゴーランドから抜けきれないか、さらに奈落の底へ落ちてしまう可能性があるのではないかと心配しています。

スキーマ療法の中で、治療者がクライアントと向き合うのは、相当な労力だと感じられます。相性が合わない相手だからと、その治療ができないでは困るわけで、博愛主義者だからと言ったとしても高度な域でのラポールを作ることが出来るのかは腕の見せ所なのでしょうか?

実は、私の知人に、私生活の中でスキーマ療法と同じ効果を得た方がいます。

それは、20代の「大恋愛」

恋愛には良い面と悪い面があり、良い面はスキーマ治療と同じ効果があり、悪い面では、トラウマを産むというどちら二面性があります。

愛着障害の人に恋愛依存症の人がいるのも本能的にその治療的効果を期待しているのかもしれません。

ある特定の人の大恋愛によって、幼少期のトラウマやトラウマまでいかなくても、抑制された欲求などが解放されることは幸福だと思います。

運も実力のうちと言いますから、やはり、そのような大恋愛に出会えるのもその人の運の強さなのでしょう。

運の強さからなのか、彼女はとてもストイックな頑張り屋さんでした。
自分に厳しい人で、ストイックな生き方に魅力を感じた男性が現れたのです。そして、彼女はそれまで、自信のなかった生き方が、彼の愛に包まれ、自分が自分であることが許せるようになり、彼すら必要ではなくなったと言っていました。

人間、躁期にモテる理由は解ります。
だって、なにか夢中で目標に向かって行動してる人ってキラキラに観えますよね。

何もしなくても愛されるのは、赤ん坊、病人や重度の障がい者、動きがゆっくりになったお年寄り。

それ以外は「動けるのに動かないのは怠け者」と見なされ、
選ばれる優先順位が下がっていきます。

人間承認欲求が強ければ強いほど、自分が選ばれるために優先順位を上げようと努力をします。

自己肯定感の高い人は、頑張って努力しなくても、好きなことをやるだけなので、キラキラ度が純粋なのでより引き寄せの法則が働きます。

さて、ではそのキラキラが出せない自己肯定感の低い人、または鬱期の私はどうするのでしょうか。。

無理して動くのも一つの解決策です。

「歩く」だけでも人生が好転していくので不思議です。
でも今の私は「歩く」のは用事があるときだけになっているのでこれでは引き寄せ力は低下したままになります。

ただ、今そんなに引き寄せたいか?と問われたら、そうでもないです。
自分のキャパ以上の出会いがあったら、また頭がパンクします。

そこで、大切なのは適度な元気であれば、愛する気持ちを持て余すこともなく、愛の押し売りもしなくなるのです。愛されていないという恐怖故に起きる奇妙な言動もなく、愛されていることを実感することができるようになるでしょう。

その適度を練習するために、必要なのが今回のスキーマ療法だと腑に落ちました。

どんなに承認欲求が強くても、自分のキャパ以上のことはできない。

自分がどんな人間なのか、そしてどんな人間になりたいのか、社会との兼ね合いもありますが、まずは我が身と相談しながらやっていかなければなりません。少しずつ自分の殻の大きさを知り、脱皮が出来るようになれば、心の自由を謳歌できるようになるのです。

今まで成長しなかったインナーチャイルドとどのように対話できるかわかりませんが、もう一度、やり直ししたいと思います。

そして、33年前の超越体験で行きそびれてしまったあの先へ進んでいきたいと思います。

百尺竿頭須レ進レ歩、十方世界是全身

景徳伝燈録‐一〇
十方世界現全身 - 茶席の禅語選 (sk46.com)


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