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近くて遠く、遠くて近い、下北沢。

2024.2.4

わたしのシモキタ歴は結構長くて…(通っていた学校が渋谷近辺だったこともあって)90年代末から。渋谷、吉祥寺の間にある第3のレコ屋街として度々訪れていた。なんと言ってもディスクユニオンとJETSET の存在が大きく、(一部規模縮小はあれど)その2店は今でも健在なのが嬉しい。他にも、レコファンやイエローポップ、カセットテープを扱っていたハイラインレコーズも印象的。

あと、最古の記憶では、日本のドラムンベースシーン初期を牽引したDJ FORCE氏がオーナーのレコード屋さんがあって数枚12インチを購入した覚えがあるんだけど…。それはもう手元に無いし、お店についてはネット検索をしてもカケラも見つからないので、夢か幻か?という彼方の記憶。でも、こうしてずっと印象には残っている不思議。

そんな、レコ屋で親しんだ下北沢を、古本屋さん巡り視点でお散歩。

▼ユニオンのほぼお隣にあるのが、本日1軒目「古書ビビビ」
まずは店頭に並ぶアンティークの洋戸棚に本がぎっしり。この展開はこれまでも見ていたのに、そのまま通り過ぎるばかりで入店は今回が初めて。嗜好が変わると行動も変化するもんなんですね。路面に面し、入口が常に開放されているので、有名店なのにとても入り易い。吸い込まれるようにIN.

すぐの平台からもう楽しい。夏葉社の本がずらり揃っていて狂喜乱舞!去年読んだ島田さんの自伝に出てくるあの本、この本、がある。それが知れただけでもう収穫アリ。今度、同社の作品を買うならここにしよう。

ZINEも色々ある。写真や短かいテキスト。余白の多さが印象的。こんなニッチなテーマでも成立するのか。と、その自由な魅力に感心。わたしの読書趣味がもう少し上級になってきたら、こちらのセカイにも手を出してみよう。

いちばんグッときたのは、保育社カラーブックが並ぶ小さなコーナー。1冊1冊のテーマがどれも昭和モダンで。パラパラめくっていると、いいなぁと声が漏れる。泣きそう。プレミアが付けど最高でも800円くらいだ。サイズ感も良いし、ちょっと集めたいかも。

店内をゆっくりと1周して、少し前から興味のあるゲームクリエーター小島秀夫さんの自伝的著作(文庫本)を1冊購入。とても優しい店主さんの対応にも感激。

21時まで営業しているので、季節が進んだら夜散歩に寄ってみよう。

▼ユニオン側に戻った、対岸にあるのが2軒目「ほん吉」(つまり凄く近所な訳だ。)
ここも今まで通り過ぎ、初入店。入って驚いたのがその広さ、奥行きと左右に立ちはだかる壁のような棚に圧倒される。前後左右の棚を見回していると…自然にその場で体をぐるりと360度、1周させている。この滞在中、果たしてわたしは何回転したのか。

音楽系の本棚にムーンライダーズ「マニアマニエラ」(CD選書盤)が紛れ込んでいたのが、今日イチでグッときた。さすがだ!と思わず叫びたくなる衝動を抑えてニヤけた。

古き良き昭和の生活感ある本が多い印象で楽しい。「オセロの勝ち方」というハウツー本にココロ揺れる。小学生の頃に友人が教えてくれた"いかに多くの角を取るか"に尽きるこの単純明快な攻略を1冊引っ張るとは…。

古書ビビビとセットで必ず寄るべし名店でございました。

▼茶沢通りを南下した帰路の途中で3軒目「SOMETIME」
御多分に洩れず、ここも今まで通り過ぎてました。アンティーク食器や美術品を主に売っているお店だけど、外に歩道に面した小さな本棚がある。丁寧に見ていくと…あるわ、あるわ、で、3冊購入の大収穫。どれもちょっと書けないくらいの安価で、嬉しやかたじけない。

そのまま、歩いた最後に。ミカヅキ堂で季節のパンをお土産に買って。
曇天だったけど実りある1日。12588歩。

<本日の収穫本>
・小島秀夫「創作する遺伝子」
わたしはゲーマーではないが、コジマさんファンになりつつあるので自伝に興味。そう言えば、PCEで「スナッチャー」を当時やって感動したわ。

・五木寛之「地図のない旅」
五木先生のエッセイときたら買う。タイトルもいい。

・立川志らく「雨ン中の、らくだ」
ブレイク前の著作と思われる。家元、談春、談四楼師匠の著書は読んできたが、志らく師匠を手にとるのは初めて。読むの楽しみ。

・又吉直樹「火花」
敢えてこの作品だけは外して、その他のエッセイ等を読むうちに、すっかり又吉さんファンになったので。いよいよこれを読む時が来たと。


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