DJ_やめました a.k.a. 山下望

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DJ_やめました a.k.a. 山下望

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    【最新刊】アラザルVOL.16「特集 経済」

     2020年にリリースした「政治」号に続き、2度目の特集です。 昨今の物価高や円安、税制改正によって、お金の問題が生活の中で大きくなっているこのタイミングで、今回は「経済」をテーマにしました。 パレスチナ問題からパチンコの空間性まで、12人の書き手が“お金”にまつわるエッセーを寄稿しています。【目次】・西田博至「要するに畜生!何にしてもカネが必要!」・DJ_やめましたa.k.a.山下望「DJ_やめましたのパチンコ歌謡(=歌詞にパチンコ・パチスロが出てくる音楽)史講義 Light ver.」・前田礼一郎「伴走者が願うことをやめた後/場所としてのパチンコ台の前で」・甘味大福「〈見えないもの〉を形づくる」・安倉儀たたた「情報と本質 『ラーメン発見伝』の構造と思想」・堤雄一「私は何を交換しているのか」・西中賢治「78年生まれ、N・K」・杉森大輔「近況」・たくにゃん「公園で両親を絞殺/考察する」・諸根陽介「あなたがここにいてほしい」・クレタカホ「人間社会の、モノや情報の生産と分配と消費と、その過程に存在する人間関係について」発行日 2024年5月19日発行タブロイド判/モノクロ16ページ定価500円
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    アラザル同人の西中賢治による批評文集。創刊号は、書き下ろし論考、短評、インタビューから構成されている。巻頭の書き下ろし論考は、「床を耕す」と題した演劇論。小劇場界で知られる団体・バストリオの作品分析を軸に、美術批評や政治論も援用しながら、現在の日本で見られるポストドラマ演劇/パフォーマンス的な作品の意味を考える。本論12000字+脚注3000字。続く短評集は、《Day Critique》と銘打たれた映画・演劇・美術などに関するレビュー群。濱口竜介、折坂悠太、金村修の展評など、全53本を収録(目次画像にタイトル表記あり)。最後は、「小田尚稔の演劇」を主宰する劇作家・小田尚稔のインタビュー。哲学をベースにした極めて独創的な作品について、小田の詳細な経歴もからめて聞く。現在、小田に関して読むことのできるもっとも詳細な記事。
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    【送料別】アラザルvol.15

    批評を中心に、詩、日記、ショートショートも含む10本、計164P!!佐々木敦の単行本未収録原稿も話題のアラザル最新刊です。(2023年11月11日発行)【収録内容】連載:音と音楽と時間第8回『助からないと思っても助かっている』(諸根陽介)★実験音楽とヒップホップと将棋をこよなく愛する諸根陽介の連載最新作は、「時間」について思考を巡らせた一編。将棋史に残る対戦となった永瀬拓矢対藤井聡太の最終戦から、そこに流れていた時間を精緻に分析する。過去の哲学者の言葉を借りるのではなく、己の経験と論理で世界を解き明かそうとする強靭な思考が冴え渡る!味覚を兌換する―『美味しんぼ』とゲームの料理と感情―(安倉儀たたた)★文学博士にして『きらら』短歌の詠手であり、ゼロ年代批評ウォッチャー、Vtuber巡礼者の顔も持つ鬼才・安倉儀たたた。今号は『美味しんぼ』を始めとする数多のグルメ漫画やゲームの味覚表現を分析し、「おいしい」という表象がいかに現実に働きかけるか、その兌換可能性を問う。そしてついに、『美味しんぼ』のフクシマ問題の本質が明かされる! 国民的グルメ漫画に批評の光を当てた真にアクチュアルな論考すべての「ジャニー喜多川」が「天皇」に似ているわけではない(クレタカホ)★今号よりアラザルの同人になった大型新人の処女作。高橋源一郎の忘れられた代表作『君が代は千代に八千代に』所収の短篇「Papa I love you」の読解を通して、「天皇」と「言葉」の問題を抽出する。豊富な読書経験と文学への愛情が感じられる力作。森鴎外の生涯と作品にさかのぼり、高橋の真意を読み解く流れは、さながら上質なミステリー小説!祝・(観られなかった)『パチンコ(上)』岸田國士戯曲賞受賞記念これまでに観た東葛スポーツその他の演劇にまつわる回想録・約9年分(山下 望)★金山寿甲が『パチンコ(上)』で岸田賞を獲った頃、期せずしてパチンコ中毒になっていた著者が綴る、9年分の演劇回想録。東葛スポーツよろしくサンプリング(引用)をそこここに散りばめた情報のナイアガラ式批評は、今号も健在。「クセになる」と評判のやめました文体がぞんぶんに味わえる、観た人も観れなかった人も必読の東葛スポーツ副読本!「障害」という〝びっち〟なブランド――「Lil Ash 懺悔『STAY IN HELL』(2023年)」評(たくにゃん)「障害者芸術」とは何か?――私の批評の初心(たくにゃん)★前者は「障害者芸術」の批評を実践する著者による、ラッパーLil Ash 懺悔の詳細なアルバムレビュー。障害という「びっち」を抱える青年が、障害をラップすることで「超人」へと生まれ変わるさまを描いた、感動的な文芸批評。後者は、著者の批評への目覚めを記したエッセー。佐々木敦の「批評の初心」を下敷きに、批評対象としての「障害者芸術」を語る、新しい批評の宣誓文!『プログレ/実話/怪談』キャプション集(TAP LAB)★ポッドキャスト『TAP LAB の松の内気分』も好評のTAP LABによるショートショート集。もともと実話怪談動画に添えられたキャプションだが、阿部和重を思わせるハードボイルドかつB級映画的な文体で、震災、男と女、セックス、猫、死と憂鬱が綴られる。すべての話がゆるくつながりながら拡散していく、33の断章。アラザル一のスタイリストである著者の味わい深い文章が魅力防破堤日記 第二回(堤 雄一)★前号で各所からの評判を呼んだ「古書 防破堤」の店主・堤氏のエッセー第二回。古書店の厳しすぎる台所事情や仕入れのあれこれまで赤裸々に記された、お仕事ものとしても楽しめる日記文学。中でも、コロナ禍における支援金や安倍銃撃事件のその後、高齢となった親の話などは、現在の日本に暮らす全員にとって切実なテーマだろう。これを読めば、いますぐ防破堤に本を売りに行きたくなること必至!オーキッド(杉森大輔)★杉森大輔はミュージシャン。そう名乗ったことはないかもしれないけど、詩人や批評家というより音に近い場所に棲み、この原稿も現代詩や批評的散文というよりも音楽や音響に近く、詩だと思って読むと迷宮に迷い込む。表題の「オーキッド」は洋蘭のことで、ヴァイオレットよりは優しい赤みを湛えた色味をも指す。庭師の老人、異域の女、思い出の中の祖父たちとの不可思議な出来事と、リアルとフィクションのハイブリッドな言語で描いた、戦乱と不景気と人間性の喪失によって失われた、記憶の楽園を取り戻そうとする現代の『荒地』!佐々木敦単行本未収録論考拾遺(その1)(佐々木敦)★今号の大トリを飾るのは、佐々木敦の単行本未収録論考集。1993年に『カイエ』ジャポンに掲載された日本映画論から、2016年に書かれた批評再生塾/昭和論まで、計8本・22000字の豪華詰め合わせ! そのときどきにしか書き得ない時代を反映したテキストでありながら、佐々木敦の一貫した芸術観・批評観を色濃く刻印した文章が並ぶ。いずれも読んで損はさせないレア原稿!
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     2020年にリリースした「政治」号に続き、2度目の特集です。 昨今の物価高や円安、税制改正によって、お金の問題が生活の中で大きくなっているこのタイミングで、今回は「経済」をテーマにしました。 パレスチナ問題からパチンコの空間性まで、12人の書き手が“お金”にまつわるエッセーを寄稿しています。【目次】・西田博至「要するに畜生!何にしてもカネが必要!」・DJ_やめましたa.k.a.山下望「DJ_やめましたのパチンコ歌謡(=歌詞にパチンコ・パチスロが出てくる音楽)史講義 Light ver.」・前田礼一郎「伴走者が願うことをやめた後/場所としてのパチンコ台の前で」・甘味大福「〈見えないもの〉を形づくる」・安倉儀たたた「情報と本質 『ラーメン発見伝』の構造と思想」・堤雄一「私は何を交換しているのか」・西中賢治「78年生まれ、N・K」・杉森大輔「近況」・たくにゃん「公園で両親を絞殺/考察する」・諸根陽介「あなたがここにいてほしい」・クレタカホ「人間社会の、モノや情報の生産と分配と消費と、その過程に存在する人間関係について」発行日 2024年5月19日発行タブロイド判/モノクロ16ページ定価500円
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漫才・望月記者(『アラザル VOL.13 特集=政治』掲載版

[Profile] 東京は夜の七時  二〇二〇年四月、緊急事態宣言が発令中の首都圏ではコロナウイルス感染予防対策が呼び掛けられ、大人数のスタッフ・出演者が密集する状況を避けるため一時的に通常のスタジオでの番組収録が行われなくなった。  さらに街中の劇場・映画館も休業を余儀なくされ、多くの舞台人が苦境に立たされた外出自粛期間中でも日々リアルタイムに動画や生配信をアップロードできるフットワークの軽さを武器にして、SNSでの情報発信を得意としつつYouTubeの公式チャンネルと従

    • 『LOVE』から『ONE』へ 〜「つんく♂の音楽言語」論に向けて〜

      アラザル編集部の皆様  少しずつ秋の気配が感じられる今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。  2015年1月31日に日本で公開になった『さらば、愛の言葉よ Adieu au langage』ってよく考えたらつんく♂の歌詞&楽曲に当てはまるじゃんという天啓により『LOVEマシーン論(仮)』を書かねばならなくなった山下です。  何しろ劇場で入手した公式パンフレットに掲載のJLGインタビューでも言っているように、邦題では「さらば」と訳されている「Adieu!」はスイス〜南仏地方

      • えんげき道・対話篇 またはメタパラの2.5人

        【REVIEW】お布団『対話篇』(脚本:綾門優季、演出:得地弘基) 2017年03月25日(土)@新宿眼科画廊  まもなく再演が始まる『対話篇』を観て、狐につままれたような気分になっている人が少なくないかもしれないため、初演にあたって改変されている点を元々の原作まで遡ると、以下のようなプロセスが浮かび上がってくる。  「青年に害毒を与える」不敬罪により死刑判決を受けたソクラテス。同じ地元の出身で裕福な友達のクリトンが牢獄を訪れ、罰金の支払いを肩代わりするからここを出よう、

        • 視聴者の仕事は愛? または正義? 『ONE PIECE』とパラパラ漫画⇄映画(JLG追悼ver.)

          1.岡崎京子が観たゴダールはどれだったのか問題  気がつけば二階堂ふみ主演で映画化された『リバーズ・エッジ』の公開が始まるのが2018年初春、すなわちもうすぐそこまで迫っているという、例えば昨年同様にジョージ朝倉が「別冊フレンド」で連載していた人気漫画を原作にして若手女優の小松菜奈が主演を務めた『溺れるナイフ』についての映画時評で菊地成孔が思わず「映画は漫画の巨大なノベルティと化すのか?」(“しかし、いかな日本映画が今年、バブルと称されるほどの好景気を見せようとも、漫画産業

        漫才・望月記者(『アラザル VOL.13 特集=政治』掲載版

          『朝の連続テレビ「小説」論序説』補遺&解説

           ゲンロン批評再生塾2017年度の第3回「小説の『自由』度について」(講師:渡部直己)で提出した課題批評がこちらです。 ・朝の連続テレビ「小説」論序説 おしん・あまちゃん・あらくれ  そしてゲンロンカフェで7月12日に行われた講評&プレゼン用に結局使わなかった『おしん』/『あまちゃん』/『あらくれ』における主人公の動線の図がこれです↓ 【スライド資料テキスト】 ① 批評再生塾3期生が前回の講評で大澤聡氏にダメ出しされた点 ・批評文の「型をインストールする」ための固有

          『朝の連続テレビ「小説」論序説』補遺&解説

          食べる・殺す・味わう --ハンニバル・レクターの問い

           些か遠回りだが、まず2017年のアカデミー賞を受賞しているディズニーの3D長編アニメ『ズートピア』のことを思い出していただきたい。  そこで描かれていた、か弱い草食動物には不向きな職業だという無理解を跳ね除けて街の立派な警察官になることを夢見るウサギの物語の下敷きになっているのは、周りの獰猛な肉食動物(=男たち)と比べて一回り以上小さな体格差にもめげずにトレーニングウェアを着て山道を走り回る野外訓練の場面が同じく冒頭辺りに置かれているジョナサン・デミ監督の『羊たちの沈黙』で

          食べる・殺す・味わう --ハンニバル・レクターの問い

          幽霊のカメラ目線 クロサワキヨシ的アイドル論

          麻生久美子  今のところ、黒沢清の作品に出現した幽霊はすべて動いている。物陰でただ佇んでいるだけにしても、こちらに向かってゆらゆら上体を振り乱しながら襲いかかって来るにしても、3次元空間上の人間に近い姿を借りてあの世から再来する「生きてはいないが消えてもいない」像として目撃されている。  ……という事実を改めて確認してみたのは、「映画」監督を職業にして撮っている以上一見当たり前のようだが、逆に言えば黒沢の映画内世界に画面の隅をよく探さないと顔が浮かび上がってこないほど不随

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          花火、映画よりもなお --ハイブリッドなアジア映画史のために

          1. 二つの「橋」、二つの「光」  かつて立川談志や古今亭志ん生といった古典落語の名人たちが十八番にしていた「たがや」という演目があるのだが、かいつまんで説明すると、その噺の舞台設定である江戸時代から両国の川開きの日に定例行事となっていた花火見物の群衆が隅田川に架かる両国橋の上から賞賛を込めて「玉屋!」「鍵屋!」と花火師の屋号をコールしていた当時の風習に倣って、気性の荒い職人と侍の喧嘩のドサクサに紛れて刀で斬られて上空に飛んでいく首に向かって周りの観衆が「たがや!」と思わず

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          星アンド窓 蓮沼執太にあって星野源にないもの、またはその逆について

           いま、この瞬間にわれわれが名前を呼ぼうとする二人の男のどちらかが先に生まれたかなどという偶然の定めに対して異議を唱えようとする神をも恐れぬ者もよもやおるまいが、ここでは便宜上、プロフィール上に登録された生年月日の順にデータベースの暗がりから浮上させてみるほかはなく、西暦1981年1月28日生まれ、埼玉県出身のシンガーソングライター兼俳優である星野源と、一方の1983年9月11日生まれ、東京都出身の音楽家・蓮沼執太は、たまさか昭和50年代後半=1980年代前半に生まれた日本語

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          ラッパーは2度死ぬ--TRAPのマゾヒズムと“パリピ”身体の彼岸

           前回の課題ではヒップホップがなぜ「今ここ」の上下運動のリズムに没入していくのかの「壊れた都市空間」を揺るがす震度=バイブレーションの所在にまで辿り着いた。低音のキックとベースを増幅したビートを乗りこなして床をガンガン踏み鳴らすダンスというのはトゥシューズの爪先で立つエレガントさを競うバレエの身体表現などと比べても、合理的に整序された体系を構築して精神的な高みへと上昇する志向の西洋の文化とは真逆のベクトルだという基本姿勢は少しは明らかになっただろうか。ニューヨーク市ブロンクス

          ラッパーは2度死ぬ--TRAPのマゾヒズムと“パリピ”身体の彼岸

          「みなとみらい」はなぜ「体売らないと生きてけない」と韻を踏んでいるのか? 日本語ラップと“終わらない都市計画”論

          1. アンパンマンとアンデパンダン --ヨコハマトリエンナーレを抜け出して  平成日本の都市部で開催される国際美術展の先駆けになった第1回目「メガ・ウェイブ -新たな総合に向けて-」が始まったのが2001年9月で、パシフィコ横浜のホテルの外壁に巨大なバッタを出現させた椿昇+室井尚の特撮映画めいた巨大彫刻が地元民の話題になった。  そこから第 6回目となる「ヨコハマトリエンナーレ2017 島と星座とガラパゴス」が“「接続性」と「孤立」から世界のいまをどう考えるか?”をテーマに

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          ガチとフェイクの皮膜論 -- アイドルでもヒップホップでもない『10年代の想像力』

          芸といふものは虚と実との皮膜の間にあるものなり 〜「批評宣言」のプロレス性〜  これを機に虚心に読み返してみて引っかかったのは、2007年の『ゼロ年代の想像力』連載第1回に付けられた副題「〜の向こう側」とは、ヤンキー漫画(『疾風伝説 特攻の拓』)の磁場から派生した言い回しなんじゃないかという論戦スタイルのバックボーンなのだが、そこで“「鈍感で怠惰なこの10年間の批評」の向こう側”の指し示しにもまして過度に目立っているのは、「私たちの生きているこの時代」の文化を語る新鋭の批評

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          敗者は映像を持たない 〜2017『この世界の片隅に』Remix〜

           まずは劇中の日付けが昭和20年8月15日の正午に至り、義母・儀姉らと縁側で横一列にラジオの前に揃ってしかめつらしく座して終戦を告げる 玉音放送に直面した主人公の「なんで? そんなん覚悟の上じゃないんかね⁉︎ 最後の1人まで戦うんじゃなかったんかね!?(原作では「うちはこんなん......納得できん!!」)」という無念の台詞を聞き届けることから始めよう。この叫びがどの方位に向かっているのか別の角度から指針を与えてくれるのが、映画監督の大島渚が1975年に刊行した『体験的戦後映

          敗者は映像を持たない 〜2017『この世界の片隅に』Remix〜

          アンビエント保坂和志論 ーー神奈川県某所のサウンドスケープから考える

           とりあえず適当に保坂和志が小説家へと生成したデビュー作辺りから順番に著作を辿って行くと、まるで小説の入り口が厳格な掟に決められ ていてそこ以外に通り道が開いていないかのように、人間が猫・半人間(社会的に未熟な子供や居候の若者)を拾って世話をする・飼うところ から作品が書き始められていることに気づく。  そして『プレーンソング』の続編『草の上の朝食』では、道端で見かけた子猫の飼い方について相談していた大学時代の友人・ゆみ子に「ま わりにいる人たちに恋愛とかセックスなんかを疑

          アンビエント保坂和志論 ーー神奈川県某所のサウンドスケープから考える

          朝の連続テレビ「小説」論序説 おしん・あまちゃん・あらくれ

          国民的○○の系譜  時刻表示は午前08時00分。誰もが日々そこにあるものとしてやり過ごしているかに見える、昼休みの再放送を含めれば月曜から土曜まで正 確に毎週同じペースで放映される朝昼15分間のループ=帯番組。  獅子文六原作の『娘と私』を第1作目にして2017年現在の第96作目『ひよっこ』まで50年以上放送が続いているため、通称「朝ドラ」とし て日本人の見慣れた日常風景に浸透してしまっているNHK制作のテレビドラマシリーズ「連続テレビ小説」は、1961年に放送が始まった

          朝の連続テレビ「小説」論序説 おしん・あまちゃん・あらくれ

          Amazonレビューの後で、文学を論じることは野蛮である。--お客様、あまりにお客様的な★★★★★論壇の未来(は段ボール箱の中に)

          三度目の「野蛮」  まず最初にアドルノの命題が呟かれた。第二次世界大戦後の一九四九年に書きつけられた「文化批判は、文化と野蛮の弁証法の最終段階に直 面している。アウシュヴィッツ以後、......」という一節から取り出された「文化産業」批判の切迫したフレーズが、今なお多様な解釈へと反響 してバズり続けているそのエッセイはちくま学芸文庫の『プリズメン--文化批判と社会』(この商品のレビューはまだありません。レビューを 書いてください。)で読むことができる。  特定民族の「最終

          Amazonレビューの後で、文学を論じることは野蛮である。--お客様、あまりにお客様的な★★★★★論壇の未来(は段ボール箱の中に)