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あなたへの「どうか」を

だいすきだった人の誕生日に、この題で祈りに近い文章を出した。
そのとき、わたしは彼のことが大好きだったけど同時にずっと不安で、表情にあまり感情が出ない彼の、その裏側を想像してしまって、力を抜いて欲しいなとずっと思っていた。
その彼が、先日、コンサートで泣いたという。あの時から考えたらあり得ないことだと思う。そのことを知った時、1番に「よかった 泣けるようになったのか」と思った。彼が泣かないのはきっと、半分は意地だろうと私は思っていたから。

わたしが彼のことを推すと決めたのは、彼には1人ではないと知っていて欲しくて、だったと今になっては思う。長い期間1人で戦ってきた彼に初めて「仲間」というものができて、すごく大切そうに輪の中にいる彼を見るのが幸せだった。それでもなかなか彼は纏っていた鎧を脱ごうとはしなくて、頑なに、感情を見せてくれようとはしなかった。それでもわたしはファンだったし、(すべてをこの4文字に当てはめるのは嫌なんだけど)MBTIが彼と一緒だということもあってか、なんとなく、直感的にその裏側が見える部分があった。
いつの間にか、そのことに疲れてしまった。ことあるごとにうるさくなる周りが、彼の纏う鎧を分厚くしていくようで辛かった。
だから、離れた。これ以上応援していても辛くなるだけだと思ったから。

ずっと、彼には幸せであってほしいと思っていたから、最近仲良くしてくれていた友人からもグループが「いい方向に向かっていると思う」と聞いて、ああようやく、彼は鎧を脱いだのかと安堵した。そうして程なくして、彼がソウルでのコンサートで泣いたと知った。そうか、彼にとってグループは、ファンは、ようやくそこまで見せていい、安心できる存在になったんだ、よかった、幸せそうで、もっと、もっと幸せになるんだよ、と思った。
わたしの彼への祈りは、2年経ってようやく届いたと感じた。と同時に、自分が彼を応援し続けられなかった理由も見えたわけで、それを自覚させてくれたのがドギョムさんだった。

ドギョムさんは、わたしからみて、あまりにわからない。なぜその行動をするのか、発言をするのか、いくら考えても理解できない。
この間のweverseは特にそうだ。
「caratは、僕が突然透明人間になって目の前からいなくなって、僕についての記憶も無くなってしまったらどうする?」
わたしはその質問を見てびっくりして笑った。何を言い出すんだこの人は。まず起こり得ないことをわたしは想像することがないからこの話題自体が驚きだった。透明人間てアンタ。ロンドン行ってハリーポッターに脳みそが侵食されたんかいな。いやハリーポッターわたしも好きだけどさ。そして、まあ仮に百歩譲って記憶を無くしたとしよう。その状態であなたの姿さえ見ることのできないわたしたちに何ができるんだろうか。何もできないじゃないか、それならばその運命を生きるしかないじゃない。わたしはそう結論づける。そして続くweverseの投稿を読んでいると、
💎「あなたがいなくなってしまう想像をするだけで悲しい😭」
ドギョムさん「いなくなるなんてこと起こらないから悲しまないでくださいㅎㅎ」
わたし「いやアンタが言い出したんやろが」
こうなった。いや言い出しっぺの話題の終わらせ方雑すぎる。なぜこの話題を始めてどういう経緯でこの雑な終わらせに至ったんだよ。わからない。ドギョムさんという人間、わからなさすぎる。

でも、わからないから好きだなと最近はよく思う。何を考えているかわからなくて、見せてくれなくて、見せてくれなくても不安にならないくらい「アイドル」としてのドギョムさんを見せてくれるから好きでいられるなと思う。理解できないけど、その行動の根底にきっとネガティブな理由はないんだろうなと信頼できるから考えるのをやめることができるんだろうなと思う。

ドギョムさんのことを好きな理由のひとつに、自分なりの理想のアイドル像を持っていそうだから、というものがある。わたしは、アイドルを好きでいることをお金を出して趣味としている以上、娯楽として消費することにあまり罪悪感を感じたくはない。あくまで、「消費者」でいたい。だからアイドルの生々しい人間らしさを見ることは少し苦手で、アイドル側にも「仕事」として向き合ってほしいと、そう思っている。
その点、わたしから見るドギョムさんは完璧だ。各種SNSで見せるあの雰囲気、近くにいる錯覚を起こさせる雰囲気を持っているのに、必要以上に絶対に踏み込ませない。毎日SNSに現れファンを瀕死にさせる期間があるかと思えば、パタリと2週間現れなくなる。見る側に元気を分けられる状態の時にしか、彼はこちら側に姿を現さない。それはきっと、ドギョムさんなりの理想のアイドル像に忠実である結果なんだろうなと思う。わたしが感じることのできるドギョムさんのそのスタンスはとてもありがたいものだし、そうしてわたしは毎日、彼を、SEVENTEENを、娯楽として消費し続けることができる。

わたしがいま、あなたへの「どうか」を祈るなら何を祈るだろう。

考えてみたけど、あまりにも思いつかなくて笑ってしまった。ドギョムさんのことをそうやって好きになったわけではないし、これからそうなる予定もない。13人が幸せでいる過程で、足枷になるものができるだけ少なければいいなとは思うけれど。きっとこれからも13人が幸せそう過ごすその様子を眺めさせてもらってわたしは幸せを享受するし、こちらが祈る前にさっさと自分らで解決してしまいそうなお兄さんたちだ。SEVENTEENは、ドギョムさんは、そうやってじめっとした想いもさらさらした気持ちに変えてしまうポジティブなパワーを持っている。

だから、
いつもドギョムさんがドギョムさんでいてくれてありがとう。これからもどうか、そのままで。

最後に、これはわたしが自分のキモさから目を背けて健康にオタクをするために考えたことであって、そこを通してみているわたしの中のドギョムさんというアイドルです。他の人からしたらドギョムさんというアイドルは、SEVENTEENさんたちは、全く別人かもしれない。それを否定したいわけではないことを理解しておいてください。ここまで読んでくれたあなたが大切だと思う、あなたにとってのアイドルもきっと、魅力に溢れているんだろうなあ。

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