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車椅子アラサーオタク、家を買う。

久しぶりに新規noteを書くかと思えばこれ。
先日、色々あってマンションを契約しました。
現在全力で進行中。同時進行すぎるのに、マルチタスク出来ない人間だからずっと白目になっているよ!夢のマイホームだぞ!

そんなわけで、アラサー女性 / 独身 / サラリーマン / オタク / 身体障害者 という珍妙スペックで奔走しているここ1年近くの記録をば。



きっかけ

今住んでる賃貸マンションが、学生時代からなのでかなり長く住んでいることになる。
通勤にも便利で周辺環境的に抜群で超気に入っているが、家賃がお安めなだけだけあって設備面が古かったり、キッチンやお風呂など水回りが激弱だったり、20代後半サラリーマンにはそろそろ狭かったり……と少しずつ不満点が見え始めた。
友人が遊びに来ても、寝る場所作るのが大変だったりね。友人が寝る布団を片付ける場所に困ったりね。

そのあたりを見かねた母から「そろそろマンションでも買っちゃえば?」と言われたのが一番最初。
いうても母からマンションマンション!て言われ始めた頃は、海外旅行の計画してたりライブや舞台で遠征予定ありまくりの時期。
資金の元手を考える隙間なんぞ皆無な状況だったので「いやまだ独り身だしマイホーム購入なんて現実味がない」って相手にしてなかった。(コラ)

状況が変わったのは、遠征の数が落ち着いた頃。お前に落ち着いた頃って存在するんか?というツッコミは受け付けません。よく考えたら落ち着いてないので。(怖)

マンション相談カウンターに行くの巻

当時、結婚した幼馴染が一軒家を建てる話を進めていて、そうか~私たちもそういう年頃か~!と半ば他人事で話を聞いてたんだけど、その幼馴染に「母からマンション買えって言われてるんだよね」って話をしたら、「近々カウンター行ってみよー!」でマンション相談カウンターに付いてきてくれることになった。幼馴染ノリが良すぎてオモロい。大好き。

カウンターで聞きたかったことは、住みたい地域での賃貸・持家両方の価格の相場と、資金の考え方。そして実際に希望条件のマンションがあるのかということ。
ほんまにノリで決めて予約したカウンターで対応してくれたスタッフさん、おそらく私たちと同世代。
クソデカ出費な話するのに友人同士で来店する謎の状況、かつ幼馴染特有の爆速会話(本当に申し訳ない)にも負けず、スタッフさんは丁寧にみっちり資金計画の考え方や不動産としての価値や仕組み、相場感覚を教えてくれた。
特に借地権とか知らんワードも教えてくれてありがたかった〜!

その結果整理されたのがこのポイント。
・私自身はこのまま将来的にも実家に戻る予定は全くないので、独身であろうと家族を作ろうと、実家でなくどこかに住むことは確定。
・希望の地域周辺で希望するサイズ感のマンションに住もうと思ったら、賃貸のほうが月額でも高価格になる。
・会社の家賃補助は0円だけど、買えば住宅ローン控除が数年はある。
・何せ現在大きな資産がほぼ無い状態の自分にとって、不動産は生きてる間の資産になる。

⇒え、マンション買った方が実は経済的じゃない……???

ということでその場で紹介いただいた、ここなら価格も交通の便的にも現実味ありそうだと思ったマンションの見学を予約してもらった。
あまりにも爆速で幼馴染が横で笑ってた。わかるよ。

マンション見学&担当のおっちゃんとの出会い

不動産カウンターのお姉さんが予約してくれたマンションの見学には、母と行った。
約半年近くの間、私の希望だったりそうじゃなかったりなマンションをネットで見つけては候補として無差別にLINEで連投してくる母に「やる気なかったけどちゃんと本腰入れ始めるよ」の姿勢を見せる狙いもあったからね。
見学先で出迎えてくれた、体が大きくて優しそうな顔のおっちゃんが私の担当営業マン。
マンションの設備面や周辺環境とか部屋タイプ、特長を色々教えてくれた。

条件面考えるとガチ引越しならここしかない(もう他マンションを探す行為には疲れていた)気になっていたので、契約スケジュール的なのも説明を受けて、商談中にしてもらい(早)、次回住宅ローンの仮審査しましょうということで初回は終了。

モデルルームも見せてもらい、母が「あら綺麗〜!!」と惚れていた。
母、ここはモデルルームだからね。実際に商談中の部屋はこの色してないからね。追加課金コンテンツ盛り盛りだからね。

みたいなコント会話、見学以降もう50回はしてる。(ウケる)

住宅ローン仮審査

母と見学した日に次回の予約をしていたので、2回目の訪問は両親を連れて行った。
父は数十年前に一軒家(=私の実家)を建てた際、家長として一連の打ち合わせを経験しているので、住宅ローンの大先輩。
色々口出ししてもらうのに助かるから頼んだら来てくれた。頼もしいね!
この日はローン計画や借りる金融機関の選定(金利とか手数料とかね)、今後のスケジュール感、車椅子で住むためリフォーム工事の話などなど。

ローンのスケジュールは大雑把にいうとこんな感じ。
①銀行へ仮審査を出し、ローン借入可否・借入可能額の確認
②団体信用生命保険(以下団信)の審査
③(マンション購入契約締結後)書類を銀行へ提出し、ローン本審査
④諸々の手続き終了後、着金してマンションの購入完了

この①〜④の過程の中で、車椅子で住むために不動産屋側+リフォーム業者側とも打ち合わせを重ねたり説明の場を設けてもらったりと、わりと動かなければならないことを理解。

住宅ローンで借りる銀行を3つほどおっちゃんの見立てで決め、それぞれ借入額の仮審査を出すことに。同時に団信(=団体信用生命保険)の説明とかも受ける。
現代って本当に便利で、仮審査なら源泉徴収票と本人確認書類があればインターネットで仮審査を提出できる。すごいね。
IDとパスワード地獄ともいうけどね🌟

あまりにも購入契約初心者小娘なので、次回は一旦銀行担当者と面談した方がいいよ~ってことでセッティングしてもらう。


銀行担当者との面談

3回目の訪問は、担当のおっちゃんの見立てで仮審査を出した内の1行と面談。この際は私1人で。
そしたら銀行のおっちゃん、名刺を確認したら営業部長クラスで驚いた。こんな小娘にいいのか…?!

脱毛も一括支払いしたし、車持ってないし、その他大型出費も全て一括で払うことを信条としてきたため(普通だよ)、全くもってローン契約は初めて。
もう何もわからんので、営業部長のおっちゃんに懇切丁寧に説明していただき、わからない部分はその都度聞いた。
めちゃめちゃ説明が上手なおっちゃんで超助かった~!(なおマンションの営業担当のおっちゃんはあまり説明が……)

この時点で、前回銀行営業部長おっちゃんの銀行に提出した仮審査の結果は既に出ており、仮審査は融資の承認をクリアしてたし、借入可能額もじゅうぶんだった。この仮審査の承認条件って何なんだろうな~。これまでの支払い状況とかもあるだろうし(どうやって調べるかは知らん)、なんとなく所属先や勤続年数とかかなと思った。知らんけど。

これで前回の①銀行へ仮審査を出し、ローン借入可否・借入可能額の確認をクリアしたので、営業部長おっちゃんと一緒に②団信の審査の書類記入へ。

さてここで少し話は逸れるんですが、障害があると様々な保険に入り辛いということをご存じでしょうか?
学校で入る団体保険や、堅実な親御さんなら考えるであろう学資保険等々、保険に入る前には必ず、保険会社の保険金支払いリスク把握のためアンケート的な「告知」に正確に回答して提出しなければなりません。
そしてその告知に回答したら、保険会社は契約の可否を審査します。
まあね、会社としては当然のリスク管理だよね。詳しくは「告知の大切さ」的なワードでググってみてね。

そして「障害がある」というのは、怪我や入院、命に関わる万が一が起きたり、働けなくなるリスクが健常者よりも高いということ。

いや~~~、障害者歴30年近くなってるのに、保険に入れないことをすっっっっっっっかり忘れてた~~~~~~~~!!!!!!!!!!!
アホである。

団信、無事に落ちて白紙になる

団信の審査を出した3日後くらいに、不動産屋の担当おっちゃんから「団信、否認でした」と連絡が入る。
おっちゃんも目から鱗だったっぽい。いやおっちゃん、ダメかもな~って気付かないものなの?とは思ったけどまあいい。

おっちゃん提案の銀行すべて、どれもローンの仮審査はクリアしているものの融資条件として団信加入が必須なのね。
銀行には認められるのに保険会社には認められないから、つまりダメ、購入計画は白紙に戻るという状況に陥る。

この時点でやっと前向きに家具を見始めたりして少しずつ気持ちがワクワクしてきていたので、急に白紙になって流石にちょっと落ち込んだ。
落ち込んでたら父に「障害持って生んだのは親だからねえ。申し訳ないね」って謝られた。
そういうことじゃないし、もちろん親も障害の原因が不明なのはわかっているのだけど、それでも娘の落ち込みを見て全部被って「ごめんね」と言える胆力よ。うちの父のすごいところです。

なお娘、親にこれ言われて「いや、親のせいじゃないし今の日本社会の仕組みで生きていくなら今後にも関わることだから、何か方法探してみる。」ってやる気になった。

おっちゃんも色々提案くれるけど、新しい資金計画はそれまでに考えていた金利の10倍近くになり、金利が上がるため総支払額が大幅に増え、毎月の返済額も1.5倍程度上がる現実無理でしょ案件になっていた。
厳し~……。

この頃、私の知り合いに何人かいる自家持ちの障害ある人に話を聞いたりした。

  • 会社員Aさん女性「事故の障害だから、賠償金で全額キャッシュ!」

  • 会社員Bさん男性「父親の遺産で全額キャッシュ!」

  • 会社代表取締役Cさん男性「んなもん嫁さんのローンや!」

Cさんには「オレたち障害者はローン組めへんで!そんなもん結婚してヒモになるしかないんや!はよ結婚し!」て笑い飛ばされた。(※仲良くしてる方とのその場の話なので、ハラスメントではない)
いやまあそうなんやけどwwwwwそれはだいぶ難しいんよwwwwww

リフォーム業者との打ち合わせ

ローンに関しては不動産屋のおっちゃんと打ち合わせして方法探してもらう一方で、同時に車椅子で住むために家の中をバリアフリー化するので、不動産屋を通してリフォーム担当のおっちゃんを召喚していただいた。
リフォームは主に、キッチン・洗面台の高さ変更、トイレの広さ変更、家の中の段差や狭い部分解消…ってところ。

担当建築士のおっちゃんもバリアフリー経験は少ないらしく、これは使えますか?これは?この高さは?みたいな会話からスタート。

元々入っているシステムキッチンが立派なので、取り外して入れ替えではなく、できるだけそれを使いたいのが本音。(勿体無いので)
でもシステムキッチンって通常、立位で使用するのが想定されている。まあね、わかるよ。てかみんな座って料理したくないの?疲れない?(そこ?)
立って使う想定なので当然、キッチン天板は85㎝くらい。
私が使いやすいテーブルの高さって、69cmくらい。15㎝以上高いね~!!!

他の問題点はなんとかなりそうなんだけど、このあと数ヶ月リフォーム担当のおっちゃんとキッチンでも奔走する羽目になる。
私の「キッチンは部屋の真ん中にあるからお洒落じゃなきゃ困る!」という拘りも奔走する原因でしたが。
いや清水の舞台から飛び降りなあかん覚悟でローン組むんやで、そりゃ拘るやろ。

ローン急展開、決まる

団信落ちてローン白紙になってからも、高い金利ローンの銀行営業担当者と面談して審査出したりしてた。
ただどうしても、私は別に何も悪いことしてないし、ちゃんと働いてるのに高金利ローンじゃないとダメですって展開には納得いかなくて、不動産担当おっちゃんに「なんかこれじゃ厳しいんですけど方法ないです…!?」て話をし続けた。
そしたらおっちゃん、急に「あと残ってるのは……来月から始まるキャンペーンの銀行ですね!」とか言い出して、使ったことないんですけど…って資金プラン持ってきてくれた。使ったことないからプラン名めちゃくちゃミスってた。おもろい。
色々理由はあるらしいけど某銀行のキャンペーンで団信入ってなくても条件有りでローンの金利が低い契約ができるらしい。そんな手があったんかい。

親にも資金計画見せて、これならなんとか当初の計画と大きく変わらない(むしろ金利は低い)、無理の少ない支払いができそう!と急にローン計画が決まった。
いやマジでよかった~~!!!!

そのかわり団信に入っていないということは、万が一私が働けなくなって支払い能力を失っても、支払うべきローンが残るということになる。
そうなったらもちろん資産だから売ればいいのだけど、住む場所はなくなるな……と気が重くなる面もある。
今の会社でいつまで働けるか自信ないし、そもそも自分の体力に不安しかないのにね~。

キッチンリフォームのため、ショールーム複数件を梯子し疲弊した日

ローンの算段がついたところで、同時進行のリフォーム問題。
実際のところ「自分に一番良い高さのキッチンはどの高さなのか」というところから問題であり、仕方ないのでシステムキッチンを置いているメーカーのショールームに片っ端から足を運んだ。
主に行ったメーカーはこのへん。

Panasonic
一番お洒落で理想の高さに近かった。しかし見積もりが良いお値段!
ショールームめちゃくちゃ綺麗でした。

https://sumai.panasonic.jp/sr/

リクシル
不動産屋のおっちゃんにひたすらウェルライフというキッチンを勧められてたんだけど、理想の高さにはならなかったので断念。
めちゃくちゃ寒い日にショールーム梯子して、リクシルのためだけに一人で大阪南港まで行ったんだけどマジで遠いし寒かったwww
南港ショールームに78㎝?の高さのキッチンが置いてあり、参考になりました。

https://www.lixil.co.jp/showroom/

タカラスタンダード
ここも予約して入った!タカラスタンダードも綺麗で高級感あるって印象。
結局施工業者に融通利かせてもらって頑張るしかないっぽいということがわかった。
予約したのに滞在時間15分で終わる。(秒)

https://www.takara-standard.co.jp/showroom_search/

クリナップ
飛び入りで製品だけ見させていただいたんだけど、色んなキッチン置いてあるのに製品名3つくらいしかなくて、仕組みも値段もわからな過ぎて大混乱した。
素人これだからダメ……
なお良い高さのものを作れそうになかった。残念。

https://cleanup.jp/showroom/

ショールーム行きまくった結果わかったのは、「私の欲しい高さにするには、リフォーム業者に頑張ってもらうしかない」ってことだった。

リフォーム建築士のおっちゃんと打ち合わせ

ショールーム行って高さを確認してきた結果と、メーカーのお話を報告して「もう一回おっちゃんの方で、このキッチンでこの高さに出来ないか調べてほしい」という依頼をかけた。
小娘無茶言うなあ…無理やろ…の空気を若干感じつつも、ほぼ同時期に実際の部屋も採寸したのでそれ込みで再見積もりをお願いした。

そしたら先日、希望のキッチンでほぼ希望の高さにできると言われたよ~~~!!!やった~~~!!!

途中、「もう車椅子作り替えたら?」とか「キッチン立つときだけ背が高くなる車椅子にするのは?」とか、床の底上げ…できねえ!とか、迷走しまくったけどなんとか交渉に交渉を経て、そして建築士のおっちゃんの頑張りで、決着がついた。よかった…!
それにしてもリフォームマジでお金かかる。泣いちゃうよ。

これで発生する大きな見積もり金額が出たのでようやく、不動産屋には大変長い期間商談中で押さえてもらっていたマンションを契約することが決まりました。
流石に長く待たせすぎて、不動産屋担当のおっちゃんから「気を悪くしないでくださいね。そろそろ契約の話進めろと上から言われています。」ってメール来たときは噴き出した。本当に申し訳ない
ただこれだけ調べて足を運んで頭で考えて交渉して時間をかけたこと自体は、間違ってなかったと思う。


購入契約、現在。

ここからはわりとサクサク、現在進行中。ていうかめちゃくちゃ早い。
色々契約の重要事項説明する3時間とか超絶眠かった。

おっちゃんに「手続きには実印が要ります」って言われて、そんなの持ってね~!って母と大焦りして作ったりもしたな。
母「まあそのうち作って贈る予定だったからいい機会だったわ」☚助かる

購入契約さえ決まれば、あとは不動産屋と銀行の指示通りに進めていけばいいので契約面はやっと落ち着きました。
今からの問題は、バリアフリーリフォームのための申請とか、家具家電の調達。
まだどんな家にしたいとかまでは練りきれていないのに、既に引っ越し日はほぼ決まり始めている状態。

おすすめの家具メーカーや、逆に「こういうのはやめとけ!」があれば皆さん教えてください!
特に大量にあるCD・DVDたち、どう収納すんねんこれ……。


総括

正直この数ヶ月結構大変だった気がする。と同時に、本当に良い経験になってる。

特に団信入れなくて1回白紙になった時に、ああ私には今後この問題がずっと関わってくるんだなと実感した。
じゃあ今、このマンションがダメでもいいけど、どこまでどんな手があるのかやれるところまでやってみよう、という方向に舵が切れたのがよかったなと。頑固出てるわね…。
キッチンとか家具とかで、自分が結構こだわり強めなことにも気付いた。今更かい。

今の狭い家から引っ越していかに快適な空間に出来るか、楽しみだけど出費が怖いです。

なんていうか、ほんまに人生ぶん回してるって感じがする。
仕事もあんま面白くはないし、今いるライフステージそろそろ飽きてきたから結婚したいって言ってたら、結婚する前に自分の家持つことになるの、ほんと人生何が起こるかわからないね💪
ライフステージに飽きるって何なんだ。

とにかく引き続き車椅子を相棒に、人生ぶん回していきます🤟

あとは引っ越しで家を片付けるのが目の前の恐怖です。
おしまい💨

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