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【LDL】自伐型林業が稼ぐためには〜長野県上松町で実践する小林さんを訪ねる旅〜

今回は、たまたまLDLの定例会に出ていたときに、パートナーの小林さんにが使われなくなった施設を活用して、木工職人さんが活躍できる場の構想されている話をされていたので、お話を伺いたく現地へ伺ってきました。


なぜかというと、自分も休日で僅かながらですが、林業に携わっているからです。みなかみ町では、里山の持続可能な管理のために自伐型林業が推進しています。

町内に複数の団体があり、自分は木木木林(きききりん)に所属しています。

団体に入った理由は、中学時代の同じ野球部で仲が良かった同級生が役場で働いていて、代表が小学校時代にスイミングに通っていたときにお世話になったひとつ上の先輩という、何とも楽しそうだなと思った理由と、祖父が山師だったこともあり、山を所有し、立派に育った杉林に手がつけられない状況ということも参加した理由です。

活動も月に週末の日曜日、また夏は活動しないゆるい感じの団体で自分にあっているというのもありました。木木木林の詳しい紹介記事は「hibi-ki」といメディアで取り上げてもらいました!

山林の維持は大事!でも団体を維持するためには稼ぐことも必要

参加して分かったことは、山林の維持は大事なことだということです。分かりやすい例で言うと、山に人が入らなくなってしまったことで、イノシシや鹿、猿などが田畑や住宅街に出没して、荒らしているという問題があります。現に実家の畑はここ何年か前から被害を受けて、美味しいミニトマトや野菜が作れなくなってしまいました。田んぼは鹿の被害があり、電圧線で囲うことになってしまいました。

そんなわけで、地域の方から山林や竹藪の整備を受けたりして作業をしています。課題だなと感じているのは、伐採した木です。現在、これをお金に変えるために出来ることとして、広葉樹をメーカーに卸せば、現金になるということです。しかし、使える樹木に規定があるため、活動の中でたまに出会ったらラッキーといった感じで、それ以外は、薪ストーブ用の薪、アロマオイルを作っているメンバーの燃料として使われる状況です。

この状況を打破するために、何かないのかなぁと思い、LDLのパートナーをされている、長野県上松町在住の小林さんが木材を活用した活動をされていらっしゃるので伺ってきました。

群馬から和田峠を超えて、初めての塩尻から木曽エリアへ

早朝から高崎から佐久、和田峠となぜかこの日は雪が舞っているという状況の中、塩尻から岐阜の中津川に抜ける道で向かいました。
塩尻はぶどう園がたくさんあって、少し前にNHKで昔放送した新日本紀行という番組で塩尻が観光客で賑わっているのを見たのを思い出しました。

進んでいくと、木曽漆器の看板、お店をたくさん目にするようになります。
中山道の宿場町でもあるので、たくさんの宿場町があるんですよね。旅行業試験で学んだ、奈良井宿と妻籠宿が出てきて、ここなんだと初めて知りました。なんせ自分の生まれも宿場町でさらに関所があり、私の実家は参勤交代で御殿様が馬から降りる「下馬」だったので、子供の頃は下馬の子と呼ばれていました。なのでとても親近感が湧きました。

上松町へ到着!しかしその日はなぜか雪!

古瀬木材所は地域おこし協力隊時代に小林さんが活動していた場所です。
役場に勤める職員の父親が使っていて、機材が残ったまま空き家になっていた場所が、
地域おこし協力隊の拠点になっているそうです。

小林さんは、長野県長野市の出身で、国立長野高専を卒業後、バイクメーカーへ就職しますが、ものづくりへの情熱が湧き、“木工の東大” と呼ばれる上松技術専門校という1年生の学校へ。卒業後は、地域おこし協力隊として活動し、木工品づくりの拠点となる古瀬木材所を1年弱かけて作り、工芸で作ったものを販売するために、情報発信の整備としてウェブサイトやパンフレットなどの紙媒体、さらにはリアルな場所として「KINOTOCO」を手掛けられました。小林さんの奮闘内容は下記URLでご覧いただけます!とにかく凄いです。

上松技術専門校を案内いただきました!
敷地も広く、中の作業スペースや機材も揃っています!
1年でこんなに凄い技術が得られるのかと驚きました!

小林さんは、現在は木工職人に加え、上松町議会議員としても活動されています。営業活動を行い、案件ごとの受注生産。一人では対応できない程の量の場合は、上松町をはじめとした職人仲間と一緒に対応されているそうです。

小林さんの拠点、入り口からお洒落です。
工場ではたくさんの機材があります。何でも作れます。こちらも元々工場として使っていていた方から機材含めて購入されたそうです。
こういった木工製品が作れることを教えてもらいました!

こういった木工製品は凄い機材、はたまた職人の技術で作られるのかと思ってましたが、小林さんから木工旋盤という機械でウッドターニングすれば作れるということをお聞きしました。この機械に入るサイズにチェンソーでカットすれば、出来ることを教えていただきました。

小林さんは上松技術専門校を出て、ウッドターニング技術を向上させるために、動画を出されている、大阪のナカジマウッドターニングへウッドターニング教室へ参加されたそうです。2日間でかなりの技術を得られるそうです。

私が上松町に伺うきっかけとなったLDL定例会でのお話も上松技術専門校から輩出された人材が上松町で残って活動できる場所がないことが課題なので、場所づくりの構想されているとのことだったのでした。

ここまでノウハウを教えていただき、自伐型林業の団体でのひとつとして、サラダボウルやプレート・パスタ皿などを作れるようになれば、商品として販路に乗せることが出来るようになり、収入を得ることができます。ここまで教えていただいてしまい、本当にありがたい限りです。

小林さんからは、大阪に行く前に上松町でご案内とウッドターニング体験を行いますよとご提案もいただきました。

豊臣秀吉の時代から年貢は米ではなく木だった木曽エリア

木曽エリアは、連なった複数の市町で木材から加工、さらには漆芸と産業を成り立たせていると思いました。小林さんから木曽木材工業協同組合という組合があることを教えてもらいました。

木曽木材工業協同組合とは木曽郡及び塩尻市(旧楢川村)を含む地域を中心として、木曽ヒノキ、天然さわら等に代表される木曽材の専門工房や工場を営業している事業所団体です。木製品製造業と製材業の組合員メンバーで構成され、各事業所の技術力が高く全国的に評価されています。
時代を経て厳しい森林保護政策から解き放された木曽の山々は、明治には「御料林」と呼ばれ皇室の財産となり、戦後は「国有林」となり、その国有林から出材される貴重な天然資源を有効に木曽木材工業協同組合は、利用し活用を図っています。

木曽木材工業協同組合ホームページより

組合があることもすごいことですが、伝統工芸を後世に繋げる学校があることには驚きました。一つは、漆芸。塩尻市木曽高等漆芸学院という二年生の学校があるのです。ここで学ぶことができます。しかも無料。

木曽エリアでは、木曽漆器曲物お六櫛蘭桧笠南木曽ろくろ細工とたくさんの工芸品があります。こういった伝統工芸が伝承されるのはこういったエリアでの取り組みがあるからだと思いました。

まとめ

団体メンバーに共有し、春先には上松町に再度伺いたいと思います!木曽福島で昼食や工芸品のお店、また酒蔵とご案内いただき、木曽エリアの経済圏を感じさせていただきました。

耳かき、両親へのお土産を購入しました。

漆器の技術をグラスにも応用して、ワイングラスなどガラス製品も作っていて、塩尻市がワインの町なのでまさにマッチした商品開発!素晴らしいなと思いました。

<おまけ>

帰りに上田市の鹿教湯温泉の日帰り温浴施設「文殊の湯」立ち寄りました!
驚きの300円で、無色透明の単純温泉ですが入った後、肌スベスベに!!びっくりしました。温泉最高ですね笑。


鹿教湯温泉日帰り温浴施設「文殊の湯」


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