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9割の会社が陥る優秀な社員を潰す原因をAIツールで解消してみた

リンゲルマン効果を知っていますか?

別名、社会的手抜きと呼ばれており、作業人数が増えるほど1人の発揮する力が低減する現象のことです。肉体労働だけでなく知識労働においても経験的に当てはまります。

たとえばある実験では、1人で作業する時の力を100%として、

・2人で作業する場合は93%
・3人で作業する場合は85%
・4人で作業する場合は77%
・5人で作業する場合は70%

と徐々に下がっていきます。

大人数が出席するミーティングで、自分以外のメンバーが意見を出すだろうと手を抜いてしまうようなことは日常よく起きているのではないでしょうか。

作業効率を高めるポイントは、「個々の苦手な部分をチームで補うことだ」とよく耳にしますが、実際にチームを作ったことで作業効率がUPするのではなく、仕事のできる少数の人材の負担を増やしていることに、あなたは気づいているでしょうか?

今回のnoteでは、無意識の内に行っているチーム内の1番の戦力を疲弊させてしまうケースと、本当の意味で作業効率をUPさせるAIツールの活用方法について解説します。

社内の作業効率を本気で向上させたい人だけ、このまま読み進めてください。


仕事の早い人がパンクしてしまう原因

多くの職場では、組織パフォーマンスを向上させるために、作業スピード、業務の経験年数などを考慮して、適材適所に社員配置する方法を取っています。

しかし、チーム内で意図の共有がスムーズに行えない場合、仕事の進行が困難になるケースも多々生じます。そのような事例が発生しやすい業務は、お客様向けの提案資料作成や社内エスカレーション用のプレゼンテーションの準備など、一見すると誰でも出来そうな具体的な作業に、一部の人にしか理解できない要素が付加された複合的なタスクになります。

このような作業を適切に行おうとすると、資料の骨子を決めてから、各メンバーの力量に合わせて担当するページを割り当てて、どのような意図でどういう内容を記載するかを伝える必要があります。

人に仕事を割り振るというタスクは、きちんと中身を分かっている人にしかできないため、仕事のクオリティを担保するためには、このような能力を持った、いわゆる仕事ができる人材に負担や作業量の多い仕事が集中してしまっています。

チームで作業効率を図るとオーバーワークが発生する理由

特に、新しいことにチャレンジする場合、メンバーが何人かいたら意見は中々まとまらず、全員が同じ方向を向いて仕事ができるようになるには時間がかかります。

仕事のクオリティを保ちつつ、効率的に進めるためには、意図が通じ合うチームで協力しながら、適切な準備と計画を行うことが不可欠です。

仮にチームメンバー全員がそれぞれの能力を理解していて、予めどのレベルの仕事がこなせるかのイメージが共有出来ていれば、作業分担はスムーズに進みます。その上で、自分の能力よりも少し難しいタスクにチャレンジして仕事を完了させていくことで、仕事のクオリティが高まり、メンバー個々の能力も高まります。

しかし、チームメンバーからすると、

・お客様が何を求めているか想像できない
・受注できなくても自分の給料には関係ない
・プレゼンがうまくいかなくても自分には関係ない
・お客様の興味を引き付けることは大事だとは思っても、
自分の労力を払ってまで(残業してまで)作業を一生懸命やろうとは思わない

など、社員の仕事に対するモチベーションや価値観によって、バラつきが発生します。

資料を作成するというタスク一つ取ってみても、認識を合わせて、意図通りの資料を作れるようになるには時間がかかるため、仕事の内容にもよりますが、多くの場合、全体を分かっている人間が一人で資料を作成する方が効率は良くなります。

そうなると、意図を伝えてチームの認識を共有し、チームのパフォーマンスを高めていこうという重要性は理解していても、一人の人間が作り上げた資料を、皆でレビューして修正する方が早くて効率的と判断され、結局のところ作業の負担が特定の一人に集中してしまうことになります。

仕事が早い人材の作業負担を減らし、生産性を高める効果的な方法

作業効率を高めるためには、その作業の全体像を理解している人(一人)が、手順等を他のメンバーに指示した方が良いのですが、意図を伝える相手の理解が追い付かない場合などは、指示した筈のタスクを結局は指示者自身が実行することになります。

作業効率の向上を目指すためには、仕事ができる人材のオーバーワークが不可避なのか、という疑問を持つかもしれませんが、そんなことはありません。

なぜなら単純作業が多いタスクは、ChatGPT等のAIツールを駆使することで、調査の結果をまとめたり、論点を構造化して提示することなど、作業時間を大幅に短縮することができるからです。

構造化のメリットは大きく、例えばChat GPTを活用する場合ですと、ある文章を基にして、「経営者向け、マーケティング担当者向け、開発担当者向けのそれぞれに対して、箇条書きでメリットを記載して」と入力することで、それぞれの相手に向けたメリットを瞬時に生成することが可能となります。

このようにして構造化された雛形が出来上がったら、そこをベースとして人間が内容を精査していけばよく、非常に効率よく作業を進めることが出来ます。

このように、これまで一から人間が考えて行っていた様々なタスクを、AIを活用した作業ツールとのハイブリットで行うことで何が良くなるか、プレゼン資料作成の例で言いますと、

・資料の骨子の作成が早く簡単に出来る
・資料の構成や各ページに何を記載するかの素案が早く簡単に作成できる
・メンバーと作業を分担する際に、完成イメージを伝える精度が格段に増す
・自分の意図通りに生成された場合には、そもそも他のメンバーに作業をお願いする必要がなくなる

などで、AIを活用した作業ツールを駆使してプレゼン資料を作り終えた後は、メンバーに成果物を共有し、フィードバックをもらうことで修正点が洗い出され、より精度の高い資料が完成します。

つまり、個々のメンバーが作業をした後で全体を把握しているメンバーが修正するというスタイルから、全体を把握しているメンバーが作成した資料を基にして、個々の観点から各メンバーが資料の精度を高めるというスタイルに変わることになります。

現状、ChatGPTではテキスト作成では使えますが、個別のプレゼン資料に使うためのオリジナルな図の作成などは苦手分野です。MicrosoftのCopilot Proを試してみましたが、まだ発展途上なこともあり、細かい図などは自分で最初から作成するしかないケースも多々あります。

しかし、いくつかのイメージを登録しておくことで、作りたいイメージを部分的に生成することが出来るようになっていきます。

技術がますます進歩することで、オリジナルな図の作成も簡単になっていくでしょう。一からつくると時間がものすごくかかりますが、ある程度のベースとなるものが生成されるようになってくると、作業が非常に楽にできるようになります。

私も開発中ですが、そのようなツールが近いうちにどんどん出てくると期待しています。

これからも「AIツールで不要な業務労力を削減する施策」を発信していきますので、次回もお楽しみに。


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