すでに非営利団体でお仕事されている皆さまはすでに継続寄付の存在はご存知のことと思いますが、マンスリーサポーターとは、毎月一定額を寄付してくれる寄付者のことです。
NPOにとって、毎月継続して安定的な収益を確保することは大変重要なことです。今回は、マンスリーサポーター獲得のメリットやリスクをとる考え方、安定的なNPO運営のための方法論について解説してみたいと思います。組織の収益モデルや事業運営に対するリスクを取って構築することは、どのビジネスにおいても当てはまるケースであり、NPOも例外ではありません。

マンスリーサポーター獲得のメリット

マンスリーサポーターの獲得は、NPO組織にとって多くのメリットがあります。ひとつづつ見ていきましょう。

安定的な収益

マンスリーサポーターは毎月一定額の寄付を行うため、安定的な収益を確保できます。これにより、組織の運営や活動が中長期的な視点でスケジュールを立てやすくなり、事業運営が安定的なものになります。
例えば、とあるNPOが月額1,000円のマンスリーサポーターを100人獲得した場合、毎月100,000円の収益が確保できます。これにより、活動資金や運営費用の確保が容易になり、組織の成長が期待できますね。

長期的な支援者との関係構築

マンスリーサポーターは継続的に支援してくれるため、彼らとの長期的な関係値を構築することができます。
寄付者との間において信頼関係を築くことができ、貢献意欲が醸成され、組織への愛着やロイヤリティの安定化にもつながるはずです。
さらに、継続的な支援を受けることで、組織はサポーターとコミュニケーションを重ね、ニーズや期待に応える活動を展開できます。また、長期的な関係が築かれることで、組織の評判や信頼性が向上し、新たなサポーターやパートナーを獲得しやすくなります。

マンスリーサポーター獲得のリスクと対策

マンスリーサポーター獲得を行うためにはある程度資金的なリスクを取る必要があります。しかし、適切な計画と対策を行うことで費用対効果を最大化し、活動の幅を広げるための重要な資金調達手段となり得るのです。

サポーター維持のためのコスト

マンスリーサポーターを獲得・維持するためには、一定のコストがかかります。
マーケティング活動やコミュニケーションツールの導入、スタッフの人件費などが挙げられます。これらのコストを適切に管理し、効果的な活動を行うことが重要です。具体的には、各活動の投資対効果を把握し、最適な施策を実施することが求められます。

サポーターの離脱リスク

マンスリーサポーターが離脱するリスクも存在します。離脱の原因として、組織の活動内容や寄付金の使途に対する不満、個人的な経済状況の変化などが考えられます。これらのリスクに対処するためには、定期的なコミュニケーションや活動報告、アンケート調査などを通じてサポーターの意見や要望を把握し、適切な対応を行うことが重要です。
また、退会率を定期的に集計し、自団体のどのポイントにおいてサポーターの心離れが起きているかを明確に把握できるような体制を作っておきましょう。

安定的な寄付を追求する考え方

安定的な寄付を追求するためには、継続的なサポーター獲得とリスク管理が不可欠です。団体の目的や活動内容に合わせて、最適な戦略を立て、仮説検証を繰り返し続けることが大切です。
中長期的な視点で寄付回収モデルを構築し、団体運営を行うためにはどのようなポイントに注視すれば良いでしょうか。

活動資金調達の多様化

マンスリーサポーターだけでなく、さまざまな収入源を持つことが望ましいです。企業とのパートナーシップや助成金、イベント収益、物品販売など、多様な収益源を確保することで、リスクを分散させることができます。

効果的なマーケティング活動

効果的なマーケティング活動を行うことで、サポーター獲得の成功率を高めることができます。SNSやメールマーケティング、オンライン広告など、さまざまなチャネルを活用し、ターゲット層に適切なメッセージを届けることが重要です。

投資対効果とCPAの重要性

投資対効果とは、投資した資源（金額、時間、人材など）に対して得られる効果のことです。
NPO組織がマンスリーサポーター獲得に取り組む際、投資対効果を考慮することがとても重要です。また、CPA（Cost per Acquisition）とは、新規サポーターを獲得するためにかかったコストの平均値であり、マーケティング活動の効果を評価するマーケティング指標です。
できる限り低いCPAを維持しながら、マンスリーサポーターを増やすことが、中長期的にファンドレイジングを安定的なものにするために大事なKPIとなります。

安定的なNPO運営への取り組み

マンスリーサポーター獲得は、安定的な寄付を確保する上で大変重要です。投資対効果を常に把握し、仮説と検証を繰り返しながら、効果的なマーケティング活動やサポーター維持のための取り組みを行い、安定的なNPO運営ができることを願っています。

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