仏教思考

若いころは、経験が浅く、体力がある状態。
敷かれたレールや親や先輩、上司から言われたこと、用意された環境で努力していればよかった。
しかしあるころを境に、迷いが生じることが増える。

一般にアラフォー世代になると、人生の折り返し地点にさしかかることもあり、仕事でも自分のことでも不安や迷い、何かに頼りたくなったり、新しい自分を探そうとする。

自分の場合、社会人になって最初のころの上司が、「最近、仏教を勉強してるんだ。」と何気なく言っていたのを思い出す。
その当時は気にも留めていなかったが、近ごろその言葉を思い出した。

それで出会ったのが、「ビジネスシーンを生き抜くための仏教思考」松波龍源、野村高文(イースト・プレス)という本。

仏教やお寺、お坊さんと聞くと、一般人の頭では、お葬式、法事、お祈りくらいしかイメージしないが、実は仏教は一般のイメージとは違う世界なのである。
仏教を理解すると様々な悩みや事象に対応する精神や人間性を身に着けることが出来るように思えてくる。何千年、いくつもの時代を超えて人々に愛され受け継がれてきた意味を考えれば当然である。

この本は、前半は現代社会の事象を、この仏教の思考を用いて解説している。近年話題のVUCA時代、Web3.0、メタバースなどホットなトピックを仏教的に説いている。

後半は仏教について詳しくわかりやすく解説され、最後は他の宗教との比較もなされている。

仏教初心者の私でも最後まで読むことができたし、この本をきっかけに仏教や宗教についてもっと知りたいと思うようになった。
実際、いまは般若心経というお経や、禅、ほかの仏教、宗教の本も読書中である。

人や宗派によってさまざまな解釈ができる仏教の教えをわかりやすく著者なりに解説され、日本の仏教ならず本場の仏教にも精通されている背景からも仏教の芯を得ているように思えた。


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