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MTGアリーナ、全知ドラフトが楽しい

(ドラフトの説明などはこちら)


全知ドラフトとは、ドラフトの特殊ルールである!
各プレイヤーは手札から呪文を唱える際にマナコストを払う必要がない(手札から唱える以外の用途のために別途毎ターン5マナ支給される)』という特殊ルールのもと、通常通りドラフトをし、通常通り試合をする(ただし初期手札は3枚)。

……察しのいい人はかえってわからないと思うが、強力な呪文が使い放題、使い放題なのである。(※MTGプレイヤー向けに説明すると、MTGではクリーチャーの召喚も"呪文"です)


魔境(サイズ、ドロー、即死コンボ)

基本的な所から話はじめよう。クリーチャーのサイズだ。
なにせマナコストがゼロなのでコンバットは大型クリーチャーの世界だ。パワー/タフネスが9/3やら8/8やら、本来ならデッキに一枚も入らないような化け物が初手から複数枚出てくる(※初期ライフが20点なのでパワー8は遊戯王でいう所の青眼の白龍に相当する)。大型に対抗できるのは同じ大型か、もしくは5/5の接死(こいつからダメージを受けたクリーチャーは即死する)だけ、修羅の国である。

次に特筆すべきはドロー呪文の……壊れっぷりだ。
MTGにはマナコストの概念があり、したがって1マナなら『1枚引く』でも3マナなら『2枚引く』、5マナなら『3枚引く』というようにカード一枚あたりの効果量は目に見えて異なる。

本来のルールなら、マナが足りないと呪文が唱えられないことは言うまでもなく、ドロー呪文を唱えたターンはクリーチャーを場に出すマナが不足する(≒盤面、戦線が疎かになる)という欠点が存在する。……しかし、ここは修羅の国だ。強欲な壷のマサキのように、2ドロー3ドローを乱発していい。そこに一切のリスクはなく、単純に手札が――初期ライフの1/3を削り取る可能性を秘めた手札が――一枚増えるだけなのだ。おお、ナムアビダブツ! ナムアビダブツ!!

そして、環境を形作っている第三の要素は(先行)ワンターンキルの存在である。

代表的な即死コンボは『"歴史的な"呪文を唱えると相手に2点ダメージ』と『場の"歴史的な"カードを手札に戻す(このカード自身も"歴史的"で、場に残る)』の組み合わせだ。前者が既に場にいる状態で後者2枚を交互に使うことで相手に無限のダメージを与え、即死させることができる。
そして、この魔境には前述の激つよドロー呪文の山に加え、『デッキから2枚カードを選び片方を手札に、片方を墓地に送る』サーチ呪文も存在し、墓地からの回収手段も豊富に存在する。
(あまつさえ『このターン墓地に送られたクリーチャーを全て手札に戻す』カードさえ存在する。いっぱい墓地に落として、回収して、終わり!)

ドロー、ドロー、墓地肥やし、ドロー、回収、無限ループで勝利
ポケモンカードと遊戯王の悪い所取りをしたかのような世紀末の光景である。

即死コンボには他の形もあって、たとえば先述の『このターン墓地に(中略)手札に戻す』の副次的殺人第2の効果、『自分のクリーチャーは召喚酔いしない』を活用して先行から大型クリーチャーで殴り倒す方法や、『相手は手札を2枚捨てる』で3枚あった初期手札を1枚に減らしてしまう技(これはコンボではなく単体の効果だ)、"追加のターン"で先行1ターンのあとに先行2ターン目を行って総攻撃する方法など――やはり死因は無数にある。

この魔境の面白いところ(その1)は、デッキ構築の時点である程度方向を定めつつも、結局は全てのデッキはこれらの勝ち筋を全て搭載していて、試合中に勝ち筋を選ぶ……わけでもなく全ては初期手札次第で、勝っても負けても頭の悪い試合になるところだ。常設してほしい。

面白いところ(その2)は、従来のドラフトではカード資産として欲しくても試合で活用できないような、コストの重いレアカードを躊躇なくピック(拾う)できるところだ。アホみたいなパワーカードをアホみたいに使えて楽しい。そのうえレアなパワーカードを持って帰れる。たのしい!!

スキを押すと武藤遊戯が使ったカードをランダムに一枚引けます。(noteに登録していなくてもボタンは押せます)