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観光協会で働いていた彼女たちの姿を追って(富山県南砺市×アニメ『サクラクエスト』)

こんにちは!
2022年11月4日~7日に学生小委員会の6人で富山県へ訪問しました。今回は、11/4(金)にアニメ『サクラクエスト』を手がかりに富山県南砺市へ行った様子をお伝えします。

1-1.富山県南砺市

まずは富山県南砺市の場所を確認しておきましょう。
南砺市は富山県南西部にある人口約5万人の市です。

市の北部はなだらかな平野があり、複数の市街地があります。一方で、南部には険しい山々があり、世界遺産『五箇山』のような小さい集落が見られます。
市内の南北を『東海北陸自動車道』が走っており、交通の利便性も高い地域です。

1-2.アニメ『サクラクエスト』とは。

次に富山県南砺市へ訪問するきっかけになったアニメ『サクラクエスト』についてご紹介します。
2017年4月~9月に放映されていたTVアニメで、間野山市(現実世界における南砺市)の観光協会で働く5人の奮闘を描いています。

このTVアニメを制作されたのは地元南砺市に本社がある『P.A.WORKS』さん。『花咲くいろは』や『SHIROBAKO』などの名作を生み出してきた会社です。

『サクラクエスト』の特徴として地方のリアルをなるべく丁寧に描こうとすることが挙げられます。リアルすぎるあまり、他作品と比べるとストーリー展開はかなり地味です。しかし観光協会で働く5人を始め、街の人々がゆっくり成長する様子に私も少しだけ勇気をもらったような気がします。

土木関連で言えば18話のエピソードが印象的です。18話では、人口の少ない集落における路線バスの廃止からオンデマンドバスの導入まで丁寧に描いています。もちろんフィクションなのですが、現実にも同じようなことが起きても良いなと感じたエピソードでした。

地方創生や街、公共交通に興味ある方はもちろん、ヒューマンストーリーを見たい方にもオススメできる作品です。

2.新幹線、ローカル線、バスを乗り継いで…

早速、南砺市に向かいます。
東京駅からだと、まずは北陸新幹線に乗って新高岡駅に向かいます。2015年に開業した北陸新幹線によって東京~新高岡は2時間45分程度で結ばれるようになりました。改めて新幹線を使ってみて首都圏~北陸の移動は本当に快適に移動できようになったなと感じました。

▲新幹線の車窓から雄大な日本海が見えた。

新高岡駅からはJR城端線で終点の城端駅に向かいます。やってきたのはキハ40系。かつては日本全国で走っていた気動車です。近年は新型の気動車への置き換えが進んでいますが、ここ城端線では2022年現在も元気に走っています。
今回の訪問において城端線には何回か乗車したのですが特に高校生の利用が多かったです。自動車の免許を持つことのできない高校生にとって貴重な交通手段となっていそうです。

▲ノスタルジーな雰囲気がある。

城端駅からは城端さくら線(南砺市営バス)に乗って、さらに南下していきます。
バスには私たちの他に2名が利用していました。高齢者の方の足になっているようです。
バスに乗っていると少しずつ標高が上がっていることに気付きました。平野部から山間部へ少しずつ近づいてきているようです。15分程度乗ると今日の目的の場所に到着しました。

▲緩やかな坂の先に砺波平野が見える。

※南砺市の公共交通

ここで南砺市の公共交通を見てみます。
主要な拠点として福野駅・福光駅・城端駅・井波があります。各地域を結びつつ、高岡駅・金沢駅などの主要都市にアクセス出来るように交通機関が発達しています。
なお、この路線図に書かれているもの以外にも市内各地を結ぶ南砺市営バスが主に平日に運行されています。また、高岡駅・城端駅と世界遺産五箇山を結ぶ観光路線バス、南砺市と富山駅を結ぶ通勤・通学用の高速バスもあります。
JR城端線を除くと1時間に1本も走っていない路線がほとんどであるため、市内を周遊するのは慣れてない人でないと難しいのかもしれません。

▲南砺市内の公共交通機関(2022年11月現在)

3.桜ヶ池公園周辺を散策

目的の場所とはここ、桜ヶ池公園のことです。ここはアニメ『サクラクエスト』で重要な場所として登場している他、P.A.WORKSの本社もここにあります。ここで少し散歩してみます。 

3-1. 南砺市クリエイタープラザ(桜クリエ)

まず、やってきたのが桜クリエ。カフェやオフィス・コワーキングスペースを始め、展示室・アトリエなど創作活動をする上で必要な施設が揃っています。ここでカレーを頂きました。

▲桜クリエにあるカフェ。
市内に世界遺産『五箇山』があるため、合掌造りを意識した屋根が特徴。

近くには東海北陸自動車道の南砺SAがあります。SAに車を停めて、桜ヶ池公園まで歩くことも可能です。桜クリエは地域の拠点だけではなく、高速道路の休憩場所という役割もあります。
また、名古屋からの高速バスもこのSAに停車します。

▲桜クリエから南砺SAを眺める。桜クリエから徒歩1分程度で行くことが出来る。

3-2. 桜ヶ池公園

続いて桜ヶ池公園にやってきました。桜ヶ池は1954年に完成した農業用ため池で、貯水量145万トンにもなる農業用ため池です。農林水産省が指定しているため池百選の一つに選ばれています。その名の通り、春になると綺麗な桜を見ることが出来るそうです。今回は紅葉した木々を見ることが出来ました。

▲湖畔で楽器を演奏している人も見かけた♪
▲上流側にある城端ダムから桜ヶ池まで小さな水路で繋がっているみたい。
▲天端から平野側を見る。堤体の高さは27mにもなるらしい。

日も大分傾いてきたので桜ヶ池を離れて、JR城端駅まで戻ります。

4.JR城端駅に戻る

バスに乗ってJR城端駅に戻ってきました。立派な瓦屋根がある駅舎です。
せっかくなので駅構内にある売店でお土産を買って帰りましょう。
買ったのは『スナック コメ子』南砺市で作られているせんべいです。

▲バジルのアクセントが効いていて美味しくいただきました。
ビールのおつまみに合いそう。

売店で、一枚のポスターに目が止まりました。
店の方によれば、城端周辺はかなり雪が積もるとのこと。山間部に向かうと雪がさらに積もるそうです。
南砺市の中でも城端・福光などの地域は特別豪雪地域に指定されており、富山県内でも雪が降りやすい地域の一つのようです。

▲JR城端駅を映したポスター。
とても幻想的。

この後、列車に乗って揺られること1時間弱、高岡駅まで戻ってきました。今日はここまでです。

5.南砺市を訪ねてみて

南砺市に行ってみて、本当に地形が豊かで素敵な街だなと感じました。
JR城端駅からバスに乗って緩やかに登っていき、後ろを振り返ると雄大な平野が見える。
景色が少しずつ変わっていくのがただただ美しかったです。
同時にアニメ『サクラクエスト』の世界に少しだけ触れられたような気がしました。現実世界でも街ののどかな雰囲気を感じることが出来ました。
皆さんも南砺市でのんびり街を巡ってみるのはいかがでしょうか。