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3/30開催【スタートアップピッチ】メタバースの多彩なビジネス展開~VR、AR、アバター、NFTが融合していく世界~

皆さんこんにちは!ドコモ・ベンチャーズです。
今回は、2022年3月30日(水)に行ったイベント、

【スタートアップピッチ】メタバースの多彩なビジネス展開~VR、AR、
アバター、NFTが融合していく世界~

についてレポートしていきたいと思います!

本イベントでは、メタバースに関連する新しい事業に取り組まれている注目のスタートアップ4社をお招きしピッチをしていただきました。

・XR業界がどのような方向に発展しようとしているのかに関心のある方
・メタバース/XRを取り巻く新しい技術に興味のある方

にぜひお読みいただきたい内容となっております!

以下、各スタートアップにピッチをしていただいた内容をご紹介します!

■ 1社目:プレティア・テクノロジーズ株式会社


1社目は、プレティア・テクノロジーズ 牛尾様にご登壇いただきました!

<プレティア・テクノロジーズ株式会社 代表取締役 牛尾 湧 様 >

logo300_プレティア牛尾


・プレティア・テクノロジーズの事業内容

プレティア・テクノロジーズ社は、「バーチャルの力でみんなの暮らすリアル(現実の社会)を豊かにしたい」という思いをもって、
ARのコンテンツ制作、ARに関するソリューションの提供に加えて、
気軽に高品質なARを作成できるプラットフォームを提供している企業です。

AR市場は、コロナ禍においても、国内外で順調に成長を続けています。
その理由としては、

①離れたところにいる人同士で、豊富な情報を届けたい
②設備をもっていなくても、エンタメをもっと楽しみたい

といったニーズがあるからだと牛尾社長はおっしゃっています。事実、総務省が発表している「令和3年版情報通信白書」においても、AR市場は堅調に推移すると公表されています(下記 図表0-2-2-28参照)。

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その一方で、ARに対する期待感が膨み、技術基盤の構築がニーズの拡大による市場の世界的な成長に追いつかない現状があります。

プレティア・テクノロジーズ社は、その状況を改善するため、
3つの事業を展開しています。

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3つの事業概要
1. エンターテインメント(2018年、BtoCのサービス)
2. ソリューション
 (2021年~、ARを活用したBtoB(特に製造業・小売業向け)のSaaS)
3. ARクラウドプラットフォーム(2021 年~ライセンス型)

ARのコンテンツは、作成自体が難しく、皆さまが「こんなことをARで実現したい!」と思っても簡単に作成・実現できるわけではありません。

ですが、たとえば、プレティア・テクノロジーズ社の「ARクラウドプラットフォーム」を使っていただければ、AR開発者・制作者がARコンテンツを
簡単にプラットフォーム上で作成
することができるのです。

プレティア・テクノロジーズ社が提供する3つのサービスには全て、
「ARクラウド」と呼ばれる技術が用いられています。

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さらに詳しくARクラウドについて説明します!

従来のARでは、
・空間上にARコンテンツを保存できない
・同じARコンテンツを複数のデバイスで共有することができない
といった欠点がありました。

しかし、ARクラウドでは、
データを空間に永続的に埋め込むことができ、
同じARコンテンツを複数のデバイスから体験することが可能
なのです。

ARクラウドが解決できる課題
たとえば、エンターテインメント事業として2018年に提供した「サラと謎のハッカークラブ」は、渋谷を舞台としたAR謎解きゲームで、体験者がスマホを持って渋谷の街を実際に歩き、謎解きを行いました。体験者の満足度は高く、周辺店舗での購買行動も促進され、AR体験の成功事例として取り上げられました。

エンタメ領域以外では、小売業向けにAR試着を提供したり、製造業向けにARを活用した遠隔顧客サポートといったソリューションも提供しています。

ARクラウドの強み
プレティア・テクノロジーズ株式会社のARクラウドは、国内外の競合他社と比較して、次のような強みがあります。

・コンテンツが簡単に作れる
・暗い環境に強い
・同時接続人数が多い

こういった強みから、特にエンタメ業界で使っていただける機会が増えているそうです。

今後、ARの作成が誰でも簡単にできるようになり、楽しいコンテンツがどんどん生み出され、世界中の人と繋がれるようになるのが楽しみですね!

■ 2社目:株式会社Synamon

2社目は、Synamon 武樋様にご登壇いただきました!

<株式会社Synamon 代表取締役 武樋 恒 様 >

logo300_Synamon武樋

・Synamonの事業内容

Synamon社は2016年の創業以来、XRを活用したコンサルティング・
企画提案・研究開発を行ってきましたが、今後はこれまでの事業で蓄えた
技術や知見を活かし、XRから領域を拡張し、メタバース事業を開始される
そうです!

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様々な企業のメタバース間を往来できる状態を実現するため、Synamon社の技術基盤を用いてプラットフォームを作成し、そのプラットフォーム上で
ワールドを作成します。

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このプラットフォーム上では、人数規模や用途に応じて柔軟に使い分けが
できる3つの空間を併用できる他、独自アプリとして提供できるオプションを用意することにより、下記「3つのペイン」の解消ができます!

3つのペインが解消可能
・自社内でメタバースの大規模活用を行ったり、顧客へのサービス提供を行いたいが、全てを1から開発するのは大変なので、技術基盤が欲しい

・メタバース空間を活用したいが、他社のプラットフォームを介さず、
独自空間・独自アプリとして展開したい

・構築や運用コストを抑えてメタバース空間を持ちたい

Synamon社は、従来の事業で培った100人規模の同時接続数を実現できる
技術力と、リッチなインタラクティブを同期処理できる技術力を強みとし、
ビジネスを展開していくそうです!

今後は複数の企業のバーチャル空間を横断的に体験できるメタバースに期待です!

 ■ 3社目:株式会社Pocket RD

3社目は、Pocket RD 籾倉様にご登壇いただきました!

<株式会社Pocket RD 代表取締役 籾倉 宏哉 様 >

logo300_pocket籾倉

・Pocket RDの事業内容


Pocket RD社は次の2つのサービスを提供しています。

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AVATARIUM

1つ目の「AVATARIUM」は、3Dスキャン技術を用いて、自分の特徴、個性を活かしたアバターを簡単に作ることができるサービスです。「AVATARIUM」の強みは、作成したアバターを編集加工できることです。

例えば、アバターにメガネをかけさせたり、2等身キャラクターのようなデフォルメされた形に変換したりすることができます。また、「AVATARIUM」で作成したアバターは、FBXやVRM形式(※)に対応しており、様々なプラットフォームで利用できます。

(※)FBXやVRM形式:3Dモデルのデータを取り扱うファイルフォーマット

作成されるアバターの特徴としては、子供っぽさ/大人っぽさの度合い、
リアルさの度合い を日本人の受け入れやすい程度に調整し、「なりたい自分」として作れるようになっていることです。

しかし、単にアバターを作成するだけがゴールではなく、用途に合わせて
1人で複数のアバターを使い分ける世界
を見据え、ヘルスケア/ライブ/ゲームなどを中心に連携ができるよう開発を進めています。

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これまでに、VR上の発表会での利用や、「バーチャル大阪」というイベントで大阪府知事をアバター化しました。他にも、オンライン授業での利用など、商用範囲は拡がっています。

PocketCollection

2つ目の「PocketCollection」はNFTを用いたサービスです。
ある創作物を別の人が改変したものが売れた場合、初めの創作者と改変を
した人の両者に報酬が分配される仕組みを提供しています。また、創作の
履歴管理ができる
ことが特徴であり、改変を許可し記録する技術で特許を獲得されています。

現在、日本最大のアートフェア東京を主催するアート東京と組み、
NFTアートのマーケットプレイス「FAT Collection」を運営しており、
日本が世界に誇る文化や伝統芸能、若手アーティストの作品の流通・決済を実現し、日本の魅力を世界に発信しています。

NFTは今は投機的な目的で利用されることが多いですが、将来的には、NFT本来の「所有価値」を算定した上で、適正取引がなされるようにビジネスを強化していきたいそうです。

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2Dのイラストや写真と異なり、自身の3Dアバターを簡単に作ることができれば、XRが普及した生活においてはかなり役に立ちそうですね!


 ■ 4社目:NonEntropy Japan株式会社

最後に、NonEntropy Japan 西村様にご登壇いただきました!

<NonEntropy Japan株式会社 代表取締役 西村 拓生様 >

logo300_NonEntropy西村

・NonEntropy Japanの事業内容

NonEntropy Japan社は、2020年12月に「世界のすべてをデジタル保存する」を掲げ、Web3.0(ウェブスリー)のインフラを担うことを目指して
設立された会社です。

Web3.0とは、
ブロックチェーン技術によって形成される分散型のインターネットです。

Web3.0では、各プラットフォームがブロックチェーンで繋がり、個人が
自身で管理しているブロックチェーンのアカウントでログインしてサービスを利用します。

しかし、それを実現するために必要なデータの保存機能が、現在のブロックチェーンでは存在していません。そこで、NonEntropy Japan社は、「IPFS」という技術を用いてデータ保存を実現しました。

IPFSとFilecoin

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IPFSとは、
ファイルを小さなデータに分解し、ネットワーク上のストレージに分散して保管するというものです。従来のように1つのファイルが、丸ごと1つのサーバーに存在しないため、
 
 ・ファイル全体が盗まれる
 ・ファイルが改ざんされる

というリスクを減らすことができます。

既に、NFTにおいてはIPFSはデファクト・スタンダードになっています。なぜなら、NFTでは、データが唯一無二であること、かつ改ざんされていないことを証明したいからです。

また、IPFSのストレージサーバーを個々人が提供し、提供したストレージの量に応じて個々人が報酬を受けとれる、巨大な分散型クラウドを構築する
プロジェクトFilecoin(ファイルコイン)が現在世界で進んでいます。

世界中でデータが増え続ける中、ストレージ容量の限界が訪れます。分散型保管をすることにより、この問題も解決できるのです。

NonEntropy Japan社は、Filecoinにデータ保存をするAPIの提供やDropboxのようなソフトウェアを提供しています。

今後はWeb3.0のインフラとしてIPFS/Filecoinでのデータ保管を進めていきたいそうですが、現在は、IPFS/Filecoinの認知度が低いため、まずユースケースを作る活動をしているそうです。

その活動の1つが、”Matterport”社との業務提携です。

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 Matterport社:イベントスペースなどの内観を3D撮影し、デジタルツイ    
        ン空間を構築する仕組みを提供している会社

 〈業務提携の取り組み概要〉
 渋谷のナイトクラブをメタバース化
 そのデータをIPFS/Filecoinに保存
 保存した空間をイベント事業者に貸し出し
 事業者は、VRクラブイベントやNFTギャラリーなどで活用

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Web3.0のインフラがNonEntropyさんたちのおかげで徐々に整いつつあることがわかりました。今後の発展に大いに期待したいです!

まとめ

今回は、メタバース領域を事業の柱とする4社のお話をお聞きしました。

XR/メタバースに関わる新しい流れや技術への取り組みを聞くことができ、
多くの人にとって、どんどん使いやすく、利用される技術になるだろうと
予感させられました。

今後もドコモ・ベンチャーズでは毎週1回以上のペースで定期的にイベントを実施し、その内容を本noteでレポートしていきます!

引き続きイベントレポートを配信していきますので、乞うご期待ください!!

>>今後のドコモ・ベンチャーズのイベントはこちら





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