DTM初級:ソフトウェアシンセサイザーRETROLOGUE2の使い方

オリジナルサウンドを制作する時,最初はプリセット音源を使ったりします.でも,少し慣れてくると自分独自の音色を奏でたい欲求が出てくると思います.そこで,ソフトウェアシンセサイザーの使い方のコツみたいなものをまとめておきたいと思います.それぞれのつまみの意味が分かっていると自分のイメージした音を生成しやすいと思いますし,この考え方自体は,どのソフトウェアシンセサイザーでも共通事項です.Cubase付属のソフトウェアシンセサイザーRETROLOGUE2を例にまずは,以下の3つについて説明します.
1.OSC(オシレーター)
2.Amplifier(アンプリファイヤー)
3.Filter(フィルター)

画像1

注意!
MAINのKEY FOLLOWは,100%に設定しておかないと,MIDIキーボードで押した鍵盤の高さの音が鳴らない.(知らないうちにいじってしまっていたりして,あれ音が変だ!という場合は,この値をチェックしてみて下さい.)

1.OSC(左側にOSC1,OSC2,OSC3の3つの発信源)
①波形選択
音は空気の波であり,その波を発生させるもの.音の元になる発信源.
RETROLOGUE2では,その音発生器がOSC1〜OSC3の3つあります.
発生させる音の波形は,サイン波/三角波/ノコギリ波/矩形波の4つがあり,サイン波から矩形波になるにつれて,音が硬くなる様なイメージです.サイン波は,波の形から想像できる様に丸みを帯びた少し柔らかい(ボケた,くぐもった)音です.フルートなどの木管楽器に使えそうです.金属的な音やベルの様な音は,ノコギリ波か矩形波を使います.ベースの音を作りたい場合,三角波を使ったりします.

②OCTAVE
鳴らす元音の高さを決定するもので,数字が小さいほど高い音程.
複数のオシレータをOnにすれば,分厚い音が出せます.各オシレータのピッチ(音程)を微妙にずらすと聴き馴染みのあるかっこいいシンセ音になる.そのピッチをずらすのがCOARSE(半音単位)とFINEノブで,FINEはCOARSEの微調整用です.

2.Amplifier
さて,基礎となる音の素材が決定されたら,ソフトシンセでの最も重要な味付けであるADSRパラメータをいじってみる.Attackは,鍵盤を押した最大強さになるまでどれくらいの時間を要するか.つまり0ならすぐに鍵盤強さの音が鳴る.ふわぁ〜となり始めて欲しいなら,この値を大きくとる.Decayは,鍵盤を押し続けていても音が小さくなっていく時間で,小さくすると鍵盤を押し続けていても鳴ったあとすぐに音が減衰していく.Sustainは,鍵盤を押し続けて減衰して音が小さくなっていく最終の音の大きさを決定する.だから,DecayとSustainのコンビネーションが大事で,Sustainレベルが大きいと,Decayでいくら減衰時間を短くしても,鍵盤を押した最大強さからSusteinレベルになるまでの時間が短くなるだけで,音が減衰していないという状況になる.Releaseは,鍵盤を離してからどれくらい音を響かせておくかという時間設定.金属的なベルみたいな音を出したいなら,Attack=0,Decay=2000ms,Sustain=0,Release=2000msぐらいで試してみて下さい.ここでのVELの意味が分かりにくいかもしれませんが,0から100になるにつれて,鍵盤を押した時のタッチ(強弱)を反映させる比率で,0だと弱く押そうが強く押そうが関係なく最大強さで押した時と同じ音が出ますが,100に設定すると鍵盤の強弱が最大限反映します(MIDIキーボードの精度によりますが,繊細な鍵盤タッチが活きてきます).

3.Filter
最初のうちは,高音を強調したいならHP(ハイパス)を選択して,CUTOFFノブを400以上で調節して自分の好きな音色にしてみて下さい.低音を強調したいならLP(ローパス)を選択して,CUTOFFノブを300以下にしてみて下さい.

LFO(低周波オシレータ)は,上記で作成した音色に対して,ビブラートなどの周期的な変化を与えたりできます.FXは,音が遅れてくる(こだまのような)や残響音(お風呂で歌ったときのような)といった効果を設定したりできます.これらについては,また別途,解説できたらと思っています.


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?