西川すみれ

塔短歌会所属。読書と短歌と音楽鑑賞が趣味の主婦。

西川すみれ

塔短歌会所属。読書と短歌と音楽鑑賞が趣味の主婦。

最近の記事

歌壇賞応募作

2023年度歌壇賞に応募した作品を今更ながらあげておきます……。(一部改変しています) リセット                          西川 すみれ 赤、青、黄、緑、紫 とりどりの布巾を干せばここは明るい 十ミリの卵を抱えて待つホーム吹く風だけが限りなく初夏 「お金のことは心配しなくて良いから」とピザトーストをかじってあなたは 虹の橋渡っていった金の犬 迷うことなく伸びる夏雲 FSH注射は効かず生徒らにテープの跡を誉められており 母からの

    • 短歌と日記(2)

      ここ数ヶ月で作った僅かな短歌を整理しようと思い、久しぶりに投稿することにした。 以下の歌は、昨年の晩夏頃から本日までの短歌である。

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      • 窓灯 誰かの暮らしのぬくもりが電車の音に溶けていく夜の 窓が好きだ。正確に言えば、人が住んでいる家の窓が好きだ。 その窓の中で、どんな暮らしが営まれているのか想像すると、とても温かい気持ちになる。 見知らぬ家族の温かな団欒の様子を勝手に想像して、癒される。 特に、夜の窓灯りが好きだ。 とても懐かしく、どこかに還りたいような気持ちになる。 もちろん、どんなに幸福そうに見える家庭でもそれぞれ悩みを抱えている。 だから、幸福な家族の暮らしを想像することはあくまで私のエゴイズムであ

        • 記憶と短歌(1)

          永遠の傷を残した糸杉の遠くからしか見えないペリカン

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        歌壇賞応募作

          火の家 水の家

          短歌研究新人賞に応募した作品です。 この世にはもう開かない虹がありねこの心で眠っていたい 心理的瑕疵物件が燃えていて(ごめんなさい)それは私の首かもしれず 手花火はつめたく光り〇▲□※と幼い記憶に食い込んでいく ずっときれいな心でいたかっただけなの月にくだいたキットカット 洗濯の服からみあい離れないそのことだけが奇跡の秋だ 新しい言語で話す冬の朝 二度と会えない金色の犬 もし君が人間なら好きだっただろうさつまいものツナマヨサラダ 話しつつだんだん泣き出すその声

          火の家 水の家

          はじめてみた

          毎日感じたことを文章に残して、発信していきたい……そんな気持ちからこの記録を書き始めてみた。 ずっと以前から、自分が経験したことや感じたことを書き残していきたいという強い気持ちはあった。 しかし、猫も驚くほど気まぐれかつ気分屋な私は、「書きたい書きたい」詐欺をTwitterで繰り返し、結局なにもしてこなかった。 私はバランスをとるのが本当に下手。何か一つのことに強いこだわりを持つと、その一つを完璧に守り抜こうとしてしまい、他が疎かになるのである。 たとえば、一週間の晩御飯の

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