present
さてさて、#お茶代 2月の課題が『"プレゼント"について何か書け』ということなので、徒然なるままに。
"プレゼント"といえば"贈り物"に相当する意味が、いの一番に頭に浮かんでくる人が多いと思うけれど、英単語のpresentには、"現在"を意味したり、"存在している"という状態を表す役割があったりすることを知っている人もいると思う。
この程度のありふれた意味であれば丸暗記でゴリ押すことも十分に可能だけれど、それではどこか味気ない。そこで今回は、presentの語源に触れることで、そこから広がる世界をちょびっとだけ味わってみたい。
というわけで、最近ではすっかりと頼れるアシスタントとなってくれたChatGPT君にpresentの語源をまとめてもらったので、それを修正/翻訳したものの紹介から。
つまり、ラテン語で"目の前にあるモノ"を意味する言葉から派生したために、"現在=目の前にある時間"を意味するようになり、"贈り物=相手の目の前に差し出すモノ"を意味するようになったというわけである。
普段から何の気なしに使っている言葉が、こうして語源を知るだけで、突然ロマンティックな存在になってしまうのが面白いところ。"同じ場所にいる人"を表す古フランス語に由来しているという点を個人的には大いに気に入っている。というのも、プレゼントを渡す行為は、贈る側と贈られる側が同じ時間と空間を共有していなければ達成不可能なわけで、なんというか、そこに存在する共時間性と共空間性とでも呼ぶべき瞬間がとても素敵だと思っちゃうわけです。
なので、やっぱりこの共時間性と共空間性を感じられるプレゼントをもらったりすると格別な嬉しさみたいなものをぼくは感じてしまう。
ここで、特に印象深かったプレゼントにまつわるエピソードのひとつとして、大学生時代の彼女からもらったプレゼントの話を紹介してみたい。
ぼくの一番のお気に入りのディズニー作品はライオンキングなんだけど、世知辛い商業世界における人気という意味ではライオンキングの地位はそれほど高いわけではなく、TDRやディズニーストアへと足を運んでみても、関連商品のあまりの少なさに肩を落とすことが多かった。
ところが1998年、ぼくが19歳だったこの年に、キャラクター人気的には底辺にいたライオンキングが突如として日の当たる場所に出てくることになった。前年にニューヨークで上演開始されて大好評を博していたミュージカル版ライオンキングが、いよいよ劇団四季によって日本でも上演されることとなったのである。当時のチケットの入手し難さといえば、それはもう尋常なものではなかったのだけれど、ある日、彼女から突然、「チケットを取ったから、誕生日は一日空けておいてね」と通告された。
「女神か。このコは女神なのか」
そう思ったことを今でもはっきりと覚えている。
もちろん、それまでにも家族や友人から"誕生日だからあげる"ということでプレゼントをもらった経験はあったけれど、プレゼントを通じて、同じ時間と空間の共有をしていたことを感じさせてくれたあの時の感動はなかなか忘れられるものではない。
世の中にはいろいろなかたちのプレゼントがあるけれど、そこに共時間性と共空間性が潜んでいれば潜んでいるほど、破壊力は大きいよね、だからこそご利用は計画的に、ということを結論して今回のお題の結びとしたいと思う。
おしまい
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