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奇跡の4ヶ月〜島生活24ヶ月経過〜

ご無沙汰しています。

「note更新しないの?」と声をいくつか掛けてもらったこともあり、久々にこの画面に向き合った。

いきなり言い訳がましいが、更新をしていなかった期間、自分自身に沸き起こる感情をコンパクトにまとめあげるのではなく、そのままにしていたい満たされた感情があった。良いも悪いも散らかったままでいい。無理やりポジティブにまとめようとしなくて自然のままでいいや、と。

映画にまつわる話しなのでそれもそのはず。
準備→撮影→編集→宣伝→上映と一体どれだけの人たちと出会ってきたか。
途方もないことだ。

東京から鹿児島県長島に来て彼此2年が経過し、2019/11/8に公開された映画「夕陽のあと」。こちらの作品の舞台である長島でプロデューサーを担当している。

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丸々2年この映画作品1本のために時間を費やすことが出来る環境にいれることを、本当に恵まれたことだと感じる。

生産性の世界から外に出て、想いを注ぎ込み、計り知れない愛情を抱きながら丁寧なものづくりができたことは、この先どんな仕事を目の前にしても礎となっていく。

ただ、それが第三者に受け入れてもらえるのかというとそんなに甘くは無い。だから、完成した「夕陽のあと」はどこまで受け入れてもらえるのか、そんな不安は常に付き纏っていた。


「夕陽のあと」は2019年11月から新宿のシネマカリテ、鹿児島市のガーデンズシネマで封切りされた。

北は北海道、南は沖縄まで40館。
東京、大阪、名古屋、福岡など大都市での上映をすることもできたし、これからの上映を控えている劇場もある。

これまでに長島の人口約1万人を超える人たちに作品を届けることができている。

九州の劇場では未経験ながらに舞台挨拶を数回させていただき、鑑賞していただいた方から本当にありがたい感想を様々な場所で寄せてもらえた。

久しく会っていない旧友がSNSの投稿をきっかけに「見に行ったよ」「感動した」と連絡をくれた。「夕陽のあと」が遠ざかっていた繋がりを縮めるきっかけになってくれたことに感激した。

宮崎県の劇場で奮闘している同い年の支配人にも出会い、並々ならぬ熱い気持ちで「夕陽のあと」の長期上映に踏み切ってくれた思い、地域と映画を結ぶ気概を聞かせてくれ、最高にやる気を焚きつけ鼓舞してくれた。

鹿児島ガーデンズシネマでは当初の上映予定だった1ヶ月が3度の延長を経て、最終的に4ヶ月もの期間のロングランとなった。先月末にとうとう最終上映を終え、ガーデンズシネマ10年の歴史の中でも最長期間上映していただく結果となり、鹿児島で受け入れられた喜びを噛み締めた。

長島の中で実施した上映会では、島に暮らす方々が1000人以上も集まり、笑う姿からむせび泣く姿まで多くの表情で物語の行末を見守ってくれた。「長島に生まれてきて良かった」「また長島で映画を作ってほしい」そんな声が感想として多数寄せられ、今までやってきたことは間違っていなかったんだ、と前向きな気持ちになれた。

本当に本当にありがとうございます。


公開してからの4ヶ月。この奇跡のような瞬間に立ち会ってきた。

だが、欲を言えばもっと沢山の人たちに見てもらえるよう色んなところで上映してもらいたかったし、もっと上映期間を伸ばしてほしかった。
Filmarksでも長島の中でもありがたいことに見てくれた方達の評価がとても高い。だからこそ悔しい。次に繋がる地力の足りなさをしっかりと受け止めた。

そう、次も大事だ。

次に書くnoteのテーマを決めている。
もっと地域から映画が生まれていくために、「夕陽のあと」で培った経験と地域に入ったプロデューサー視点で、地域の映画づくりに役立ててもらえるnoteを書く。

そして、長島を舞台にした映画作品を新たに作りたい。作る。

頑張ります。

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