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ドッグトレーナーは徹底的行動主義であるべきなのか?

応用行動分析学の講座を開講しているようですが、認知機能についても言及していますよね?
行動分析学において認知は扱わないのですが、どう折り合いをつけているのですか?

先日、このような質問を受けました。
認知とは、知覚した物事を自分の中で推測し理解し判断する内的作業ですから、物的のみで考察する行動分析学では扱うことはありませんし、徹底的行動主義において行動分析と認知科学は相容れませんから、このような疑問を持たれたのでしょう。
つまり、行動分析学を教えているくせに認知科学にも踏み込むなんて、お前は徹底的行動主義者じゃないじゃないか!というご意見です。

はい。私は徹底的行動主義者ではありません。

勘違いしてほしくないのは、行動分析学を理解していないわけではありません。
ドッグトレーナーは行動分析学を理解すべきだが、徹底的行動主義者である必要は無いというのが私の見解です。

なぜなら、
私の本質は犬と飼い主のこじれた問題を解決することであり、行動分析学を追究することでは無いからです。
わかりやすく言うと、私は数学の教師であり、数学研究者ではないということです。
数学を追究する研究者なら、数学のみに人生の全てを捧げれば結構です。それがその人の生き方の本質ですから。
ですが、学者が唱えた数学を理解して教えることは、数学研究者以外にもできるのです。
「行動分析学と認知科学についての学問は別物だよ」と説明すれば、別に矛盾もありません。
私は別に「認知科学は行動分析学に属する」なんて嘘を教えているわけではないので。

つまり、行動分析学を追究している研究者にとっては徹底的行動主義者になる必要があるでしょうが、ドッグトレーナーが徹底的行動主義者になる必要は無いということです。
そして、行動分析と認知は矛盾しているようですが、これは矛盾ではなくて、他者の認知世界の公化はできるのかできないのかはまだ研究の最中で誰も証明できていないというだけです。

では、なぜ私が行動分析学と認知機能という相反する分野について同時に講座を開いているのかですが、単純に

必要だからです!!

私はドッグトレーナーです。行動分析学では認知は取り扱いません。ですが犬も認知します。それがどういう認知の仕方かは解明されていません。ですが、犬の問題行動の中には認知機能の低さゆえに起こると推測される行動がたくさんあります。
ならば、認知機能の高めかたを講座で取り扱うことを私は是とします。
そして、改善例もたくさんあります。

まとめると、
私はドッグトレーナーであり、徹底的行動主義者ではありませんが、行動分析学の講座を開き、その中の1回は認知機能についての講義ですが、別に矛盾は無いので折り合いをつける必要も無く、今後も【まったく感動しない犬塾】として講義を続けていくということです。

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