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推薦だとあまり勉強しなくていいって聞いたけど、推薦と一般受験はどちらが私に向いている?2つのメリットとデメリット

推薦でMARCHにいけると思ってたら11月に不合格になってしまった

推薦受験ではこのリスクが最も注意すべきポイントです。

推薦でMARCHを狙っていたから一般受験はそこそこしかやらずに推薦対策ばかりしていた
このような場合が一番危険で、11月まであまり本格的に受験勉強をしていなかった場合、11月から本格的に受験勉強を始めても、現役でMARCHはほぼ絶対に合格できないと考えてください。


イクスタ代表/土井万智(どいまさと)

推薦でMARCHにいけると思ってたら11月に不合格になってしまった…そこから有名私大に合格できる可能性はほぼゼロ


大学レベル別、時期ごとの共通テスト目標点

夏から勉強を始めてMARCHに合格できる可能性はほぼゼロ

大学入試の本格的な勉強をしていない場合、MARCHに合格するためにはどんなに少なくとも1500時間程度(平日5時間、休日10時間勉強して7.5ヶ月)の自習時間が求められます。(科目ごとに合格最低点を取るために求められる力とその力をつけるためのステップはここでは割愛します)

MARCHに合格するボリュームゾーンは旧帝大志望と早慶志望

「少し勉強すればMARCHはいけそう」と高3の夏前まで誤解している受験生が毎年多い(特に東京・神奈川・埼玉・千葉に多い)のですが、MARCHに安定して合格するためには高3の4月時点で英語は70-75%は取れる状態であることが求められます。(東進ブックス 大学受験案内より)この成績に届いていますか?

「早慶じゃないし、自分はまあMARCHならなんとかなるだろう」と思い込んでいる受験生は超危険です。

学習院大学や成城大学、成蹊大学、有名女子大も諦めてください

10月から本格的に受験勉強を始めようとしてもMARCHはおろか、その一つ下と言われている難易度の大学もまず難しいと考えてください。

学習院大学や成城大学、成蹊大学、東京女子大学、日本女子大学などはMARCHと比べれば難易度が低いのは事実ですが、それでもほぼMARCHと変わらないと思っても良いレベルの難しさです。

イクスタコーチの受講生は秋から過去問演習を行い毎回採点しますが、例えばMARCHの過去問と成城大学の過去問の得点率はほぼ変わりません。

学習院大学や成城大学、成蹊大学であっても、平日5時間、休日10時間勉強しても、少なくとも6ヶ月は必要だと考えた方が良いでしょう。
特別な記憶力を持っていたり、小説を書いていたりなど特別な才能がない限りはほぼ全員これくらいの時間がかかると考えてください。

同様に日東駒専でも簡単ではありません。毎日3時間しか勉強していないような状態であれば、学校の定期テストで上位を取り続けているようにでない限り、半年間しっかり勉強しても合格できない可能性はあります。

推薦受験という「勉強しなくていい現実逃避」を選んでいませんか?

一般入試は事前に高確率で合格不合格を予想することができるが、推薦入試は事前に合格不合格を予想することは難しい


過去問演習の自己採点

一般入試では出題された問題と合格最低点が公開されているため、事前に過去問を何度も解いて自己採点と比べることで事前に合格不合格を誰でも予想することができます。
一方で推薦入試は採点基準が人による曖昧なものですので、合格最低点が出されたとしても事前に合格不合格を予想することは難しいです。
塾や予備校などがノウハウを提供しているものの、出口である入試の本番が人による定性的な評価であるため、実質的にはブラックボックスです。

つまり「こうすればこうなる」が確立されていない、今後も確立されることはないでしょう。
採点結果が「人柄」だったり「印象」に引きづられてしまいます。これは企業の採用とも同じで、採用が難しいとされている理由です。加えて企業では採用のために同じ人に対して何度でも(最大4-5回)面接をすることができます。それに比べて推薦入試は面接は一度です。そのため結果が運に委ねられてしまうのです。

一般受験は受験勉強が辛いが、受験できる学部数は無限大=不合格になる可能性を減らせる

一般受験対策はしっかりと受験勉強をしなければならないので、真面目な勉強が嫌いな人にとっては辛いです。

しかし、一般受験対策をして各科目の力をつけることができれば、2月の受験シーズンにたくさんの大学、学部を受験する機会を持つことができます
旧帝大や早慶以外など最難関を除いて、どの大学・学部でも入試の問題で合格最低点を取るために問われる力にあまり違いはありません。

一般入試であれば、2月1日-20日の中で日程をうまく組めば、試験を12回ほど受けることができるので、合格できる可能性を高めることができます。それは同時に不合格になる可能性を減らすことができるということでもあります。(実際のところ国公立理系は3-4校、私立文系は7-8校が平均です)

受験生の出願校管理シート

浪人の可能性を下げるために、受験校数を増やす

例えば過去問を解いて5回に1回しか合格最低点を取れない学部があったとします。その大学を実際に4回受験した場合の合格率はどれくらいかイメージできますか?実は合格率が59%まで上がるのです。

数学の確率分野を勉強していれば解ける基礎的な計算式です。

5回に1回しか合格最低点を取れない→1回あたりの不合格率=0.8

0.8^4 = 0.4096
つまり、4回受験して全てが不合格になる確率は40.9%、言い換えると最低1度は合格できる確率は100-40.9=59.1%となります。
実際は年度ごとの受験人数の波や当日の体調なども影響するのでこれほど単純ではありませんが、おおよそこの考え方をして大丈夫です。

将来のキャリアにとって大事なのは、"一定レベルの大学に不合格"にならないこと

将来の人生設計を考えた上での大学受験では、志望校に合格することも重要ですが、同時に絶対に行きたいラインにいかに不合格にならないかという視点の方が重要です。
旧帝大や早慶などの難関大学一点突破!もかっこいいですが、将来の長い人生を考えると、難関大学にチャレンジしつつも、一定レベルの大学も着実に合格するという戦略を同時に実行することが欠かせません。
特に近年は、「絶対東大!」「絶対早稲田!」というこだわりを持っている受験生は少なくなっているように思います。

つまり、単純に受験回数を増やすことが、一定レベル(ここではMARCH)の不合格を避けるために有効な方法になるのです。

社会に出てからのことを考えると、MARCH・関関同立以上にこだわりたい

特別な才能や特別な機会に恵まれない限り、仕事をしなければならない大学卒業者は大学卒業後はほぼ全員が就職します。
いわゆる"学歴フィルター"は明確に残り続けています。現状で改善が必要だとされているものの、就活では"大学名による選考での差別"があります。
採用には非常に大きなコストがかかると言う企業側の事情を考えると、法律でも変わらない限りこの選考方法は当分変わることはないでしょう。アメリカのIT企業や投資銀行が学歴主義であるのを見ればわかるように、企業活動において理になかった採用方法であるからこそ、今後学歴フィルターが無くなることには期待はできません。

この現実に向き合って、自分の将来の可能性をコントロールするべきです。

つまりMARCH・関関同立以上に合格できる確率を高める(合格できない確率を下げる)ためには、特別な課外活動をしていない限りは一般受験を頑張った方がいいのです。

推薦と一般のチャンスとリスクを整理して、自分の才能や経験に合わせた方法を選ぶ

推薦受験、一般受験それぞれのチャンスとリスクを冷静に分析してみると一般受験の方が全体で見たときにローリスクな選択です。

高校時代に特別な課外活動をしていてそれを活かして推薦入試にチャレンジすることはとても良い機会ですし、「どうしても受験勉強はしたくないけど早慶やMARCHを狙ってみたい」ということであれば、リスクを承知で推薦入試にチャレンジするのもありですね。

大学は本当にどこでもいい、ということであれば推薦でもよいでしょう。

推薦入試を狙いつつも一般入試も同時並行する方法

今年のイクスタコーチ受講生でもこの作戦を取っている受験生もいる、一般受験と推薦受験を両立させる方法をご紹介します。

「最低でもMARCH」というラインに合格するために一般の勉強をしつつも推薦での合格を狙いたい場合はどうすればいいのでしょうか。

勉強が苦手だったり勉強しても成績が伸びたことがなければ、「本気で受験勉強をしたところで自分は本当に成績が伸びるのだろうか」と不安になりますよね。
その場合には一般入試と推薦入試のそれぞれを進めることで不合格になるリスクを減らすことができます。

これらを両立しながら進めるためには高2の11月から本格的に受験勉強を始めます。一般入試も始めつつ、推薦対策として長い準備期間が必要な「課題活動や大会への準備など」も始めます。準備にかかる時間は一般受験のための時間ほどは長くないものの、これらの準備はいかに早いタイミングで動き始めているかが重要です。

11月から6月ごろまで毎日3-5時間一般入試対策を続けていけば、模試や共通テストレベル模試でも偏差値でいうと55-60、共テ得点率で55-65%程度は得点できるようになります。

6月頃に推薦入試で必要な結果を出すための本格的な時間を作り始めます。
夏休みにはそれらをまとめて志望理由書や小論文にまとめます。


ここまで、これまでの一般受験と比べて近年合格枠が増え続ける推薦枠についてご紹介してきました。
繰り返しになりますが、一般受験であれば一定レベルに「合格できない」というリスクを減らすことが推薦受験より簡単です。
一般受験=科学、推薦受験=アートだと考えてもいいかもしれません。
これらを見比べて、自分の勝ち目とリスクのバランスを取れる方法を選択することでできれば良いですね。

イクスタ代表/土井万智(どいまさと)

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