学級裁判

好き嫌いはほとんど無いが、給食で出るどうぶつチーズだけは苦手だった。そもそもチーズが好きになったのも酒を覚えてからの話で、それまでは主張強めに口の中に居座り続けるあのふてぶてしい感じが嫌だった。
給食で出てくるどうぶつチーズは「おやつ」のポジションとして与えられ、食後の掃除の時間はおろか、その後にある昼休みの時間にも口の中でモタモタ広がり続けて最悪だと思っていた。
酒を覚えてからはあのモッタリ感が酒の通り道として喉を飾ってくれるとわかったが、当時の僕には黒い絵の具のように調和を知らない食べ物でしかなかった。

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