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シン・ポメラ

 また更新が滞ったか、とお思いでしょうが。

 私は戦っていた。紫外線とか目元の小じわとか生理痛とかモラハラおじさんとか、日々、女には戦わねばならない敵が多い。
 ーーが、しかし今回の相手は違う。シン・ポメラとの格闘だ。2011年より愛用してきた電子メモ《ポメラDM100》から、いよいよ最新モデルの《DM250》に買い換えたのである。
(しめて¥45,000なり。ちーん)

 まぁ、興味のない人からすれば電子メモなど無用の長物。パソコンやタブレットのほうが多機能で便利なのはそのとおりだが。
 しかし《ポメラ》シリーズのファンは多い。この、「物を書く機能しかありません」というミニマルさが私は大好きだ。(昔でいうタイプライターやワープロみたいな物よね)

 生活をできるだけシンプルにしたくて、私はもう長いことパソコンを持たずにやりくりしている。かといってさすがにスマホだけでは執筆作業はしんどい。小さくてもいいからキーボードがなくてはね、そんでもって立ち上がりが速く、軽量コンパクトでどこにでも持って行けて、思いついた瞬間に紙とペンのような気軽さで書けること、見た目もかっこよくなくちゃ、などと自分好みに機能を取捨選択してゆくと、結論はポメラ一択となる。

 昨今はデジタルデトックスという言葉もあるが、やはりインターネットに接続しないことのメリットは大きい。個人情報の流出やらネット詐欺やらのあらゆる不安から解放されるし、作業中に誰かからメールやLINEが来てわずらわされるということもなし、SNSやネット動画などをつい観てしまうという誘惑もない。安心して長時間、執筆に集中できるのである。
(そのわりにNOTEの更新は滞るね)

 DM100に比べると、重量がだいぶ重くなっていることにはちょっと驚いた。今どきはなんでもかんでも軽量化してゆくものとばかり思っていた。着る物も、靴も、布団も、車も、宇宙船も、昔に比べてどれだけ軽量化が進んだことか。ボールペンひとつとっても「軽くて手が疲れない」が売りの世の中である。この時代に「物を重くする」とは相当な斜め路線であるが、そうはいってもこの小さなボディに必要な機能(バッテリー含む)を詰め込んで総重量620gは優秀だ。どこへでも持ち歩ける。

 最近読んだネット記事によると「たとえ朝にウォーキングをしたりジムで運動したりしても、その後をたいがい座りっぱなしで過ごすのであれば何の意味もない、結局あなたは心筋梗塞を起こして死ぬだろう」ということであった。なんてこった!
 有名作家のような作り込んだ素敵な書斎には憧れるが、結局、大型モニター(TVも同様だ)の前に座り続けるスタイルでは健康リスクが高いわけで。特定の場所にとどまらないこと、常に移動し続けることが健康維持には必要なようである。するとポメラはやはりえらい。ベッドに移動して寝ながら書いたり、ソファに移動して寝ながら書いたり、コタツに移動して寝ながら書いたりもできる。(寝すぎ)

 ちなみに、座りっぱなしは良くないが寝転がっているのはOKなんだとか。まぁ、そりゃそうよね。じゃなきゃ毎晩、眠るたびに体に悪いということになってしまうし。
 つまり毎日毎日、会社へ行って真面目にデスクに向かうような生活がどれだけ危ないことか、ということだ。病気の原因が "座りっぱなし" にあるとしたら、もはや労災でしょう? いったいいつまでそんなこと続けるんだろうね。机と椅子なんていう危険な物はさっさと廃止して、会社へ行ったら「寝転がって仕事する!」に変えたほうがいいんじゃなかろうか。学校も大概である。これからは学校へ行ったら「寝転がって勉強する!」のが良い。もしくは歩きながらだ。欧米では会議も商談も、廊下などを歩きながらするというし。私もそうしている。いつも公園を散歩しながら頭の中で仕事をしている。そしてカバンからさっとポメラを取り出す。秒で起動してくれて、まさにメモ帳のような気軽さで旬のアイディアを書き留めることができる、ポメラと私とは実に相性が良い。

 スマホやパソコンの奴隷には私はなりたくないし、学校や会社のために毎日お行儀よく座り込んで心筋梗塞など起こしたくもないのである。

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