つれづれ

生来自己肯定感が低く、人前でそれを表に出すことはなくなったものの、根本のスタンスが常に尻込みしている。
否定されることを前提に話し始め、否定された前提で話し終わると、それを「起こりうるリスクを先回りして説明した」という大人風な理由で包む。
なんだか何か事を成す度についたことがないところに折り目をつけていくような感覚だ。

別にこれを憂いている訳では無い。
自己肯定感が低い自分を、僕はそれなりに好きだし、そういう所があるから今の自分があるとも思っている。信じてなくても好きになってもいいはずだ。

ただ極たまに、いや、極極たまに、そういう部分に不躾に手を入れてくる輩がいる。
僕が好きで付けた折り目を勝手に伸ばし、それがまるでいい事だとでもいいたい顔で、笑いかけてくるような、輩がいる。
勘弁して欲しい。

使い込んだ単語帳を勝手に買い替えられてしまうような、大事にしていた傷痕をファンデーションで隠されてしまうような、自分が折り合いをつけて大事に大事にその一部として馴染ませてきたダメージが、そもそもないみたいな言い方をしないで欲しい。
例え理屈ではそうでも、内心の折り合いとは違うのだから。

「傷があるから僕なんだ」とかそういうことではなく、「傷が無くとも僕だけど、大事な傷なんだ」という意味で。


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