どくおじ(=読書おじさん)

読書おじさん

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最近の記事

    • バルザック「幻滅」は金言だらけ

      過去の自分と主人公が重なりまくり! 甘やかされて育って、チヤホヤされて、中途半端に器用で、世間知らずで、大失敗して…。 とにかく素晴らし過ぎる内容なので ぜひ多くの方に読んで欲しい一冊です。 以下、気に入ったニュアンス。 ・若者や見栄えのする者には甘く、かたや、偉大になろうとする者には徹底的に厳しい。それこそが「社会の崇高さ」ではなかろうか? ・弱者も強者もミスは同じ数だけある、ただ人前にさらすかどうかの差では? ・天才とは病である。そのマイナスの側面に耐え続ける

      • バルザック、幻滅読了。次はセザール・ビロトーへ。

        • 道徳、正義について 〜 モリエール 「人間嫌い」 より

          純粋な人や、世間知らずな人ほど 「道徳を重んじたり、正義を尊(たっと)んだり、といったコトが  当たり前であり、優先されるべき!」と思い込んでいる。 だが実は 「(道徳や正義は、特殊な状況で "時として現れる" ものであって)  腐敗や馴れ合いこそ、通常の状態(≒デフォルト)と心得るべき」であろう。 なぜなら 「もし、道徳や正義が  当たり前であったり、世の常であるのなら  そもそも、道徳や正義といった言葉や概念は存在しない」からだ。 であるからこそ 「不条理な現実に即

          バルザック、読書予定

          「痴愚神礼讃」(エラスムス)の完成度が高すぎた件

          概要15世紀の古典・聖書(ギリシア・ローマ)に精通した知識人※(おそらく…)が ギャクみたいなノリで書いたら情報の濃縮度が高すぎる文章になった的な本。 人間心理、特にモチベーションの功罪を俯瞰的に捉えている。 ジョブスの "stay hungry, stay foolish" の真意が具体的に理解できるかも。 所感着地点は「他人の愚かさをどこまで愛せるか?」という人類愛といったところか。 【愚かさ】を讃えるようでいて皮肉るというバランス感覚が心地良い。 琴線に触れた内容

          「痴愚神礼讃」(エラスムス)の完成度が高すぎた件

          ラブレーの「ガルガンチュアとパンタグリュエル」

          前回のモンテーニュを読むと時代が近いラブレーも知りたくなる。 同書は「一休さん」的な "とんち" のきいた楽しい物語。 ちなみに下ネタ・スカトロ盛りだくさん。(→食事中には読めない) 琴線に触れた言葉…は以下のようなニュアンスのもの。 ・ロウソクの匂いのする文章(≒努力したような…)よりも         酒の匂いのする文章(≒陽気な…)を書きたい! ・君は、議論のために議論をしにきたのか?         それとも真実を求めてきたのか? ・自分の背中の後ろに下げ

          ラブレーの「ガルガンチュアとパンタグリュエル」

          モンテーニュの「エセー」で終活に備える

          四十不惑。 先が見えてきた人生 ⇄ これまでの "それなり" の納得感。 「別にもう、いつ死んだっていいや」という人生の黄昏時。 たまたま知った同書は、人生の相棒として、もう一度読み返してみたい本だった。 教訓図書館で借りて読んだので、うる覚えではあるが 心に引っかかったのは以下のような内容。 ・人は賢くなろうとして逆にバカになる ・人は自分にとってベストな願望を抱くことはできない =夢が叶ったとしても、必ずしも本人の為になるとは限らない 上記2点界隈の心理

          モンテーニュの「エセー」で終活に備える

          バルザックの「従姉ベット」を読み始めました。

          バルザックの「従姉ベット」を読み始めました。

          山崎豊子が好きすぎて…

          キッカケ当方とある関西の政令指定都市にてバーを営んでおります。 40代までは読書といえばチャラついた自己啓発本をチラ見する程度。 ある日フラっと入ってきた学生さんに勧められ同氏の小説を読むように。 メルカリやアマゾンで中古本を数冊ずつ買い進め、手に入るものは自伝を含め大体コンプリートできたと自負している。(ただし「火宴」を除く) 魅力「白い巨塔」、「華麗なる一族」、「大地の子」など映像化されまくりの同氏。 その魅力といえば、なんといっても圧倒的な調査力で人々の生活に

          山崎豊子が好きすぎて…