鈴木オカピ

コロナ自粛中で、時間ができたから、お菓子作りを始める。 古楽愛好家(リコーダー、 ヴィ…

鈴木オカピ

コロナ自粛中で、時間ができたから、お菓子作りを始める。 古楽愛好家(リコーダー、 ヴィオラ・ダ・ガンバ) 英語初心者ながら、家族をほったらかして、アイルランドに語学留学するも、刺青ホストファザーに翻弄され、アタフタする。

マガジン

  • スイーツメモリー

    お菓子や器にまつわるお話 思い出、あれこれ やや脱線気味エッセイ

  • おかしな童話

    お菓子作りをしながら、童話を作りました。 いろいろなくだものが、おいしいお菓子に変身するお話です。

  • お茶のじかん

    コロナ、ステイホーム中に、せっせと作ったお菓子の写真集 春夏秋冬

  • ダブリン~アムステルダムの旅

    英語初心者主婦が家族を捨てて、アイルランド行くも、全身刺青のホストファザーに翻弄されてアタフタ。アムステルダムでは趣味の古楽や美術を堪能。

最近の記事

「鎌倉殿の13人」が終わった

会を追うごとに、楽しみにしていた。 特に、十二月に入ってからは、一体、どういう終わりかたになるのだろうかと、ワクワクドキドキ。 ただでさえ、日本の歴史には詳しくない。一般教養や歴史の教科書で習うことすらも、知らなかったから、毎回とても楽しめたのだ。誰かが殺されるのも、誰かが飛ばされるのも、誰かかどうこうするのも知らないから、知っている人より、二倍三倍、美味しかったのだ。 陽気で開けっぴろげな小栗旬が、どんどんダークになっていくのも面白かったし、どの登場人物も、生き生きと個

    • バケツリスト

      私の バケツ リスト 「最高の人生の見つけ方」でしたっけ? 吉永小百合と天海ゆきの映画。もともとはアメリカ映画のリメイクだが、原題は 「The Bucket list ザ ブケット(バケツ) リスト」 「死ぬまでにやりたいことをいくつのこと」を、英語で「バケツ リスト」と言う。それは「縛り首になる人が、乗っているバケツを蹴られて、木にぶら下がって死んでしまう」という物騒な事柄からきているのだけれど、そう深刻に考えずに、やりたい事柄をいくつか書いておくのだ。日本では、「バケ

      • スイーツメモリー(月見団子)

        英語にはルナティック(狂気)という言葉がある。狼男は月に向かって吠えるし、魔女は黒ミサを開く。自身では発光しないのに、妖しく光る月。 月にまつわる歌で思い出すのが「出たー出たー 月がぁー まぁるいまぁるい まん丸い、盆のような月がぁー」って、どんだけ、能天気なんですか。狂気も神秘もありませぬ。 「月がぁー 出た出たぁー 月がぁー 出たぁー ヨイヨイ」(炭坑節)これも、あんまりです。盆踊りなんかで昔はかかっていたけれど、今の若い人は炭坑節なんて知らないか。炭坑で働いてる皆さ

        • スイーツメモリー(栗スイーツ)

          栗でスイーツを作るなんて、コロナステイホーム前には、考えたこともなかった。ところが今では、栗を見ると、買わずにいられない。特に、道の駅なんかで、いかにも「今朝、採ってきましたぁ。つやつやでっさぁ」なんて、言いながら(言ってないけれど)台の上に並んでいると(今、買わずして、いつ買う?)という気分になってしまう。 ある日の道の駅 戦利品 手始めに、「栗の渋皮煮」を作ってみた。 毎年、アンサンブル仲間のSさんが、手作り渋皮煮を持ってきてくれていた。それを当たり前のように、食べ

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        記事

          おかしな童話(おとうとレモンくん)

          ねえさんレモンちゃんたちがいなくなってからというもの、おとうとレモンくんは、まいにち、そらをみて、ためいきをついていました。 あまなつちゃんが、ぴったりよりそって、おせわをしても、ぼおっとしています。おもしろい、なぞなぞをだしても、レモンくんは、うわのそらです。 れもんくんは、そとのせかいをしらないから、こわいきもちもあるけれど、ねえさんレモンちゃんたちが、みなによろこばれているのをみてから、まいにち、かんがえこんでいました。あまなつちゃんは しんぱいでなりません。 さ

          おかしな童話(おとうとレモンくん)

          おかしな童話(ねえさんレモンちゃん)

          あまなつちゃんは、いつもレモンちゃんたちと、いっしょにいました。あまなつちゃんは、レモンちゃんたちより、大きいから、おねえさんぶっているけれど、ほんとうは、ちょっと気が小さかったのです。だからいつもレモンちゃんにいっていました。 ところが、ある日、一ばん上のねえさんレモンちゃんがいなくなったとおもったら、おおきなこえがきこえました。 れもんちゃんは、すべすべおはだの まるはだかになっていたのです。 つぎに、二ばんめのねえさんレモンちゃんもいなくなったとおもったら、またこ

          おかしな童話(ねえさんレモンちゃん)

          おかしな童話(おいもちゃん)

          あきの、かぜがきもちいい日、りんごのおうりんくんと、みかんのうんしゅうちゃんが、さんぽをしていると、むこうに、おおきなものが、ごろんとねころがっていました。 「なんだろう? あれ。くじらかなぁ」「くじらは うみにいるんだよ」「じゃぁ、ぞうかなぁ」「そうかもねー、ぞうかもねー」「うわぁ、おやじギャグだぁ」 おうりんくんとうんしゅうちゃんが、のぞきこむと、なんとそれは、けたはずれに大きなおいもちゃんでした。こんな大きなおいもちゃんをみるのは、はじめてです。おうりんくんとうんし

          おかしな童話(おいもちゃん)

          おかしな童話(こうぎょくちゃん)

          ポポは、げんきなおとこのこです。空がまっさおな日、おさんぽをしていました。 「ぽぽ ぽぽ ぼくはぽぽ~  そらはあおいよ ぽぽ ぽぽ~~♪」 すると、むこうのほうで あかくてまるいものがころころころころ。 よく見ると りんごのふじちゃん。ふじちゃんは、ぽぽをみつけると、いいました。 「こうぎょくちゃん? なんだ、それー? 」ぽぽは こうぎょくちゃんがなんだかわからなかったけれど、いっしょに、さがしてあげることにしました。あるいていくと、みかんのうんしゅうちゃんたちがいま

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          スイーツメモリー(わらび餅)

          「醍醐天皇が好物としており太夫の位を授けたという言い伝えがあり、そこからわらび餅の異名を岡大夫とも言う。また同時に凶作に見舞われた農家の非常食でもあったという言い伝えもある」(Wikipediaより) ところで、写真のわらび餅の乗っている角皿は、学生時代友人、U君が焼いてくれたものだ。彼の趣味は、陶芸、華道、俳句。(なんというシブい学生!)自分で焼いた花瓶に、自分で花を生け、それを見て一句詠む、と見事な自己完結。華道は、嵯峨御流。渋めの花が好みのようで、派手派手しい花、けば

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          スイーツメモリー(フルーツゼリー)

          アガーなんて、最近まで知らなかった。お菓子作りで固めると言えば寒天かゼラチン。ところが、アガーはまったく透明に固められる。 透明は素晴らしい。「行ってみたい世界の絶景」によく出てくる、海水が透明すぎて、船が宙に浮かんで見えるところがある。透明は素敵だ。 水泳は得意だった。透明な水の中にいることが好きだった。学生の頃のある日、一緒にスイミングスクールに通っていた美人のE子が、レッスンの最後に、プールの中にコンタクトレンズを落としてしまった。「コントタクトレンズ、嵌めたまま泳

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          スイーツメモリー(ベリーベリータルト)

          「ベリーベリーのタルト」と言うだけで、赤毛のアンに出てくるデザートのようだ。木綿のワンピースに、白いエプロンつけた女の子が、籠を持って、ベリーを摘みに行く絵が浮かぶ。並べるだけで、心が弾む。 赤毛のアンは、始終お喋りをして、夢見がちで、何にでも名前を付けている。コロナでどこへも行けなかった春、私たちは近所の公園の奥にこっそり集まって、リコーダーを吹いていた。赤毛のアンのお菓子を作ったからには、アンになったつもりで、いろいろなものに名前をつけなくてはいけない(いけないことない

          スイーツメモリー(ベリーベリータルト)

          スイーツメモリー(マンゴーケーキ)

          南国の果物はカラフルでおおらかだ。南国で思い出深いのは西表島だ。ずーっずっと昔、伝手をたどって、西表島の白浜に、居候した。その頃の私は無知もいい所で「西表」と書いて「いりおもて」と読むことすら知らないままに、行ったのだった。飛行機と船を乗り継いで行き、ようやくそこがイリオモテヤマネコで有名な西表島と知ったのだった。 早速、集会があるとか、一緒について行った。Hという若者がホワイトボードに「夏祭り」らしき文字を書いていた。一人の小学校教員が字が違っていると指摘すると、Hは「夏

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          スイーツメモリー(羊羹)

          羊羹は買うものだと思っていたけれど、溶いて混ぜて固めるだけという簡単な工程だった。上質の餡、砂糖加減、寒天の量等で、味は左右されるのだが、分量を間違えなければ、誰でも作れる。 元は中国の料理で、羊の羹(あつもの)、つまり羊の肉を煮たスープが冷めてゼラチンが固まったものだった。なるほど、それで羊羹って書くのね。鎌倉・室町の頃、禅僧によって伝えられ、精進料理として、羊肉の代用として小豆を用いたそうな。というか、その頃の日本に、羊はいなかったよね。 栗蒸し羊羹 (日本で最初に作

          スイーツメモリー(羊羹)

          スイーツメモリー(マンゴームース)

          最近では、マンゴープリン、マンゴーかき氷、マンゴームース…等、マンゴーはなじみのある果物になったが、国産はとても高い。南国の屋台で買えたらいいのに。 今から30年ほど前、年の離れた長兄が、家族でマレーシアに赴任していた。始めは、単身赴任だったので、奥さんと二人の小学生の子供と私とで、冬休みに会いに行った。仕事が忙しかったのか、私と、義姉と子供達は、海辺のリゾートのコテージに放り込まれた。コテージ内は、入り口にゲートがあり、部外者は入って来られないので、安全だったのだろう。私

          スイーツメモリー(マンゴームース)

          スイーツメモリー(桃の薔薇ムース)

          缶詰の桃を薄くスライスして花びらのように一枚、一枚並べて薔薇の花のようにしてみた。 薔薇の花が好きで、庭に三本植えてあるが、なかなかうまく咲かない。それでも深紅のビロードのような薔薇が一輪でも咲くと庭が明るくなる。「バラが咲いた~ バラが咲いた~♪」  高校から歩いていける距離に、大きな公園があった。春と秋、季節になると、見事な数の薔薇が咲く。薔薇の中を散策していたある日、唐突に(私の前世は白い薔薇だった)と思った。「そうだ、私は白い薔薇だったにちがいない。だって、白い薔

          スイーツメモリー(桃の薔薇ムース)

          スイーツメモリー(カスタードコルネ)

          お菓子作りを続けていると、人に見せて、褒めてもらいたくなる。自分で作って、自分で美味しければいいのだが、やっぱり人は褒めてもらうことが好きな生き物だと思う。とりあえず、カッコイイ写真を撮ることが優先順位になることもある。 このコルネを作った時、途中で、カスタードクリームが足りなくなった。しかし、明るい日差しのあるうちに写真を撮りたかったので(表だけ、カスタードクリームで塞いでおけばいいや)となった。まるで誘拐犯に渡す偽札のようだ。 さもおいしそうにコルネを並べ、花や果物や

          スイーツメモリー(カスタードコルネ)