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私とJETT

Zwift小屋の話やアイアンマンマレーシアの中にもちょいちょい出てくるように、今私の生活はJETT抜きには語れないような状態になっている。もちろん私ごときなど足元にも及ばないような超人が(リーダーを始め)たくさんいる所なのだが、私がどのようにJETTにハマって今に至るかというのもなかなか面白い話なので、一度ここにまとめておこうと思う。

JETTとは

JETTはZwift内のバーチャルチームで、正式名称はJapan eSports Tempting Teamという。2020年に日本最強(最狂)Zwifterの岩渕さん(通称リーダー、Botman)が立ち上げた。日本では最大規模のチームの一つで現在メンバーはFacebook上で1300人超、Zwift上で750人くらいとなっている。

ちなみにTwitterでJETTを検索すると、まず出てくるのがオンラインゲームのキャラクターらしきものに関するツイート、次にミュージシャンのJoan Jett、そしておそらく3番目に多く出てくるのがZwiftのログを上げているJETTメンバーまたはライド参加者の人たちだ。

JETTはZwift上で公式グループライドを多数開催しており、その統制のとれたライド運営はつとに有名である。ライドのレベルはやや高めで、最も楽なのが水曜夜のEnjoy Home Japan Rideで設定強度が2.5Wkgと、ペースパートナーで言う所のCoCo相当なので、普段Dペーサーと走ってる人だとちょっとしんどいかもしれない。

リーダーとの出会い

そもそもJETTができる前から、Facebook上には「Zwiftライダース(Japan)」というコミュニティがあって、私はZwiftを始めたのが2016年だったこともあり、割と早期から参加していた。確か2017年の五島か珠洲の後で「Zwiftのおかげでバイクパートが云々」とか言って(実に大したことないリザルトだったが)報告を載せたことがあった。

多分それを見たトライアスリートの岩渕リーダーが友達申請をくれたのだった。今もそうだが、当時私は基本的に「会ったことない人には友達申請しないし、素性のわからない人から申請が来てもスルー」していたが、彼のタイムラインを見ると単にトライアスリートというだけでなく、その前の年の練習中に車に跳ねられて重傷を負い、入院・手術を経てようやく復帰したところという非常に印象にのこる経歴があった。

しかも事故の前は佐渡などの大会で優勝争いをするほどの強豪であることもすぐわかった。これは凄い人だ・・・この申請を無下にしてはいけない![承認]ポチ。しかしこの時はこの出会いが自分の人生を変えるようなインパクトを持っていたことにはもちろん気づいていない。

宮古島

その数年前から私は「いつかは宮古島に出たい」と思って何度かエントリーしていたが、当然のようにハネられ続けていた。一説では3年申し込み続けないといけないとか、コネが優先されるとか、いろいろな怪情報が飛び交うほどだった。

「まぁ、次もアカンやろな」と思いながら申し込んだその年の暮れのクリスマス、何が作用したのか、ついにプレゼントが舞い降りた。2018年宮古島出場権獲得である。そして総合争いをするような岩渕リーダーは当然シード的扱いで出場となっていた。その頃は具体的な交流はあまりなかったので「現地で会えるかな?」という程度だった。

実際こちらは初宮古島で、同行させてもらった五島バラモンチームの人たちと一緒に行動していたこともあり、そう簡単に会えるものでもない。実際、ようやく会えたのはレース終盤、自分がようやくランを始めた頃に既にゴールに向かいつつある彼とすれ違いざまに「岩渕さん?!」「あーっ!」という一瞬だけであった。

グループライド

その後、彼はZwift上で積極的にグループライドやレースを開催しては、その様子をFacebookに投稿していた。参加している面々がどうみても剛脚ばかりのように見えたし、その頃の自分はまだグループライドの楽しさをよく知らなかったのでほぼスルーしていた。

JETT立ち上げ

そうこうしているうちに1年ほどが過ぎ、2020年になり例のパンデミックが始まった頃。突然岩渕リーダーが「新チームを立ち上げました!」とJETTの発足を発表したのだった。設立趣旨にはこのような文言がある。

JET機のように勢いがあり、一度私たちのグループライドに参加されたライダーがまた参加したくなるようなチームとなるよう(Tempting=心が惹かれる等の意味があります)、このチーム名としました。

Facebook内JETTグループ情報より

さっそく多くのライダーたちが呼応し、加入していった。しかし自分はというと「おれそんなガチじゃないし・・・」と加入を躊躇うというか、まぁ入らなくてもいいでしょ、という今思えば実に残念な態度だった。

それからしばらくすると、毎回のライドやイベントの告知や報告・感想が載せられるようになる。うーん、確かに楽しそうなんだけどなぁ、ちょっとレベル高杉な気もするしなぁ・・・とそれでもまだ煮え切らないのだった。

10万キロ達成記念ライド

そんなある日「岩渕リーダーがZwift上で10万キロ走行を達成するのをみんなで祝おうライド」の企画が持ち上がった。なんじゃそれ?目を疑った。たしか彼は私よりちょっと遅く、事故後のリハビリでZwiftを始めたと聞いている。それからわずか3年ほどで10万キロ??いや、確かに彼が憑かれたように連日走りまくっているのは知ってたけど・・・10万って・・・ポカーン( ゚д゚)

ちょっと怖いもの見たさで参加してみるか。[+]ポチ。

チャット

当日は、岩渕リーダーの走力もさることながら、そのチャット力に驚嘆することになる。日本人がメインとは言え、世界中からの参加者がいて、そのコメントに英語も交えて全レスしている。なんなんだこの人は・・・!!

自分もiPhoneのスワイプ入力で会社のレポートを書くぐらいは平気でやるし、チャットは30年以上前の草の根ネット時代からやってる筋金入りだし、英語だって海外部門とメールのやりとりはしょっちゅうだからなんぼでも書ける。しかし、Zwiftで脚をブン回しながらそれをやる、というのは想像の埒外だった。

しかし、これが実に楽しかった。単に黙って乗っているのとは全く違う世界がそこにあった。リアルでも仲間と一緒に走りにいくのは楽しい。でも走行中は基本的には並走はできないからそんなに喋くることはなく、主に休憩のときにワイワイやるものだ。

しかし、Zwift上のチャットは「全員猛然と走りながらワイワイ」という今まで全くなかった体験をもたらしてくれた。これは・・・いいものだ・・・気づくのにそんなに時間はかからなかった。

勝手に強くなる

その後各種ライド(JZMRを除く。これだけはいまだに無理)に参加するようになって、その楽しさにドップリはまって今に至る。ライド中にみんなでバカ話をしたり、苦しい局面で励ましあったり、叱咤激励したりされたりしながらゴールを目指す。終わったら一緒に走ってくれたみんなに感謝して「See you again!」といってログアウトする。

あまりに楽しいからまた次も参加したくなるし、都合で参加できないととても悲しい気持ちになる。走ってる最中は本当にキツいからいつも必死だが、終わると「ああ走ってよかった、楽しかった〜」となる。そうしているうちに勝手に強くなるのだから儲けもんである。

気づいたらJETT前と現在でFTPが(紆余曲折もあり、上がったり下がったりはしつつも)1wkgぐらい向上しているし、20分CPでは計りきれない長時間の持久力が別次元になった。コロナ禍で多くのレースが中止になり、なかなかその成果を試す機会がなかったが、今年の皆生と佐渡のバイクパートは明らかに2019年以前よりもアベレージが上がっている。3年老化したことを考えるとその差は大きい。

といったようなことを経て今では古参メンバーのごとく偉そうに(リーダーグループでもないくせに)ライド中にあれやこれや発言しているが、ご一緒してる方はご存知のとおり(強くなったとは言え)大したことないのでいつもラストのフリーではズブズブと撃沈している。

ライドの紹介

最後に、JETT名物のグループライドを紹介しておく。コンパニオンアプリのイベントメニューから選べるライドの種類は以下の通り。

  • 月曜朝5:55〜 Monday Morning Ride 50分

  • 月曜夜8:40〜 Base Ride 約90分〜2時間(コースによる)

  • 水曜朝4:30〜 Warmup Ride for JZMR 30分

  • 水曜朝5:15〜 JETT Zwift Morning Race 50分〜1時間超(コースによる)

  • 水曜夜7:00〜 Enjoy Home Japan Ride 60分〜90分(コースによる)

  • 金曜朝4:30〜 Base Ride 約90分〜2時間(コースによる)

  • 土曜朝5:05〜 Hill Climb & Interval Ride 60分〜90分(コースによる)

  • 日曜朝5:05〜 JETT Endurance Ride 100km(多少前後する)

これを全部走る猛者もたまにいるが、普通にやると死ぬほどキツいのでおすすめできない。私はこのところは主に月金のベースライドと水曜のエンジョイ、日曜の100キロを主軸にして楽しんでいるが、これらのライドに参加して真面目に(チャットで騒ぎながら)頑張るだけでじわじわと走力が上がって来たくらいなので、まだご存知ない方は是非トライしてみてほしい。

JETTのライドはホスピタリティに満ち、統制の取れた素晴らしいグループライドだと、海外の参加者によく言われている。特に後方で遅れてしまった参加者を集団に引き上げる「Sweep」活動が盛んに行われ、多くの参加者が進んで協力してくれる。これを最初に見たときは、ツールドフランスで落車したメンバーを集団に引き戻すチームワークのようだ、と感動したものだ。

また、正式に加入していつも一緒に走ってくれる海外メンバーもたくさんいる。当初からそれ(世界中から参加歓迎)を前提にしているから、チャットも基本的に英語メインになるが、もちろん日本語でもOKだし、黙々と走っていただいても構わない。ただ、上記のように遅れてしまったライダーが助けて欲しい場合はなるべく早くチャットで「Help!!」コールをしないと誰も来てくれないことがある。

などと書き殴っていたら字数がすごいことになったので、JETT史に残る一大トピックの一つ「チームジャージ作成」については別記事にしようと思う。

Thank you for reading. See you at the next ride!

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