顔のない指揮者。

運命は重奏する。顔のない指揮者が、運命を司っている。僕が停滞している時は、とことん孤独に苛まれるし、僕がとても精力的な時は、スタッカートを効かせてくれる。例えば、いささかの勇気をもって誰かに連絡をすれば、他の人から同じように連絡が来たりする。僕はそれを因果だと思っていたが、どうもそれは違うらしい。僕の中には顔のない指揮者がしゃんといて、運命の抑揚はそのタクトによって司られている。それは、侘しくもあり、愉しくもある。


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