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2024年3月期3Q決算 ニデック TOPIX CORE30 ピックアップ

 ニデックが24日に第3四半期決算を発表していました。


前年同期比

前年比、増収増益、EPS増。
売上 +3.2%、
営業利益 +36.1%、
純利益 +40.2%、
EPSは +253.93円・前年比+73.21円でした。

 配当は増配、既報より+5円、年75円予想。

営業利益率は、9.64%でした。(IFRS)

セグメント別の状況(累積 4~12月)

主要5セグメントのうち、増収増益は車載のみ。
残り4つは全て減収。
精密小型モータ、家電・商業・産業用は減収増益、
機器装置、電子・光学部品は減収減益。

この内、車載は黒字転換。

セグメント別の状況(四半期単体 9~12月)

主要5セグメントのうち、3つで増収増益。
(精密小型モータ、車載、家電・商業・産業用)
機器装置は増収減益、電子・高額部品は減収減益。

この内、車載は黒字転換。前年比で最も利益上昇が大きい。

キャッシュフロー・財務等

営業CF<投資CF+財務CF、営業>投資CF。
営業CF自体は前年よりも大きく増加していますが、投資CFと財務CFを合わせるとわずかにマイナスになっている。フリーキャッシュフロー(営業-投資)ではプラスになっているので、見方に注意。

主な要因は、営業CFでは棚卸資産の増加、営業債務の減少がそれぞれ前年比400億円規模のプラス方向に改善したことによるもの。

財務CFは、短期借入金少が前年比マイナス500億円規模(返済)だったことによる影響が大きい物とみられる。
自己株式取得は前年に比べ大きく減少している。(466億→10億)

流動資産>流動負債、差額は約+5356億円。
流動負債が前年より約800億円増加、負債合計自体も約250億円増えている。

コメント

 車載頼りっすね。(笑)
つまり、EV関係?トランスミッション系などみたいです。
HPにはADAS(自動運転系のスキャナ?センサー?)の項目もあるのですが、なぜかクリックしても1件も商品が出てきません(^^;ナンデノセテルノ

 しかし能登地震での被災車両処理問題や、欧州での脱EVの兆し、EV大国中国の停滞といった状況を考えると、必ずしもニデックに追い風が吹いてるとは言い難い状況です。

 さて、重要な後発事象と言えばTAKISAWAのTOBです。
最終的にTOBは実施され、TAKISAWA側の臨時株主総会で株式併合が行われました。900,000→1株!
 この結果 TAKISAWAは上場廃止となり、発行済み株式総数はわずか7株に。端数株については、TOB価格の2600円での清算となるそうです。

 TOB発表前の株価は1300円台でしたが、現在はほぼ買い付け価格の2600円付近となっています。(1月25日現在)


もう1つ気になったのが、営業CFで触れた数字です。
(単位:100万円)
棚卸資産の減少(△増加) △48,363 → △6,593 (+41,770の増加)
営業債務の増加(△減少) △45,601 → △532  (+45069の減少)

言葉がややこしいので整理すると、
棚卸資産が前年比41,770増加、営業債務が45069減少ということです。
差し引きすると、営業債務が少し減っただけと要約できそうです。

もう少しわかりやすい言葉に言い換えると、
「在庫がすごい増え、支払い滞納金額がすごい減った」といった感じです。

 そこでピンと来たのですが、これはあくまでも個人の想像であることをお断りしておきます。

 おそらくこの数字は、TAKISAWA関連なのではないかなと思いました。
TAKISAWAは旋盤、つまり金属加工機の会社です。
 ニデックから見れば、「自社製品を作るための道具を作る会社」だと言えるでしょう。つまり、営業債務があったであろう相手ということです。

 ニデックはTAKISAWAをグループ化しましたから、元々支払い相手だった会社を内輪に入れたことになります。つまり、支払い相手が自分になった。
買い物する商品を、会社ごと買ったことになります。

 その結果どうなるかと言うと、TAKISAWAが持っていた資産もニデックの資産になりますから、TAKISAWAの持っていた製品も自社製品扱いになり、つまり「価値ある在庫=棚卸資産」が増えたことになるのではないかと思います。

 なぜわざわざこんな回りくどいことをするのかと言う動機ですが、少しでもニデックを良く見せるためではないかと考えました。
 結果だけを見れば、見た目上の債務を減らし、資産を増やしたことになるからです。
 しかし前後の状況を考えれば、実は大して何も変わっていないのです。
そりゃそうですよね。
 むしろ、債務の相手が自分になったことで過小評価したり、欲しかった資産の価値を過大評価・計上している可能性すらあると思います。

 普通の会社ならこんな面倒なことはしないでしょうが、何しろあの永守会長です。有価証券報告書に、
「代表取締役会長である永守重信氏への依存に係るリスク」なんて書かれるほどですから、こんなことをしても不思議では無いなと思えるぐらいには、そういった”面倒なこと”をする必要に迫られる可能性が、あるのではないかと思えてしまうのです。あくまで、個人の想像ですよ?

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