暇なのでゲーム専門学校の強制インターンについて語る

前の記事の続き。

大切な事を忘れていた。そうだ強制インターンの事を書くのを忘れていた。なんで前の奴に書かなかったか不思議なくらいだ。違う。人生において今の所一番辛い時だったから記憶の奥底に封印していたんだ。

そうだ。3年の中期あたりだろうか。その時期になると強制インターンシップというビックイベントがまってる。1ヵ月無賃で労働してくるというものだ。

いやいやインターンでしょ?勉強させてもらいにいくんでしょ?まぁ確かに勉強になった人はいたと思う。自分はプログラマ学科で幸いプログラム系のインターンにいけたからまだ良かった。そうでない所はどうなるかというと。

例えばコンサートの警備員。美術館の警備員。旅行代理店の受付。などなど全く専門学校と関係ない所に飛ばされる地獄がまってる。マジで無賃バイト。ぎりぎりセーフな所はデバッグ会社だと思う。まだゲーム系。なかには乙女ゲーの会社に行った人(男)がいて朝から晩までイケボを聞き続けて完全に頭がおかしくなって帰ってきた。かわいそう。

そしてインターン先を決めるのは先生だ。学内優秀TOP5とかはゲーム会社にインターンにいける。それ以外の量産型ザクはよくわからない戦地に飛ばされて撃沈してくる。戦地よってはザクマシンガンとか一切使わない。なんならザクから降りてパイロット状態。戦闘服も脱いで非戦闘員になってただ労働する感じ。この3年間学んできた事は一体なんだったのか。ほぼ遊んでたけど。

とはいえ社会に出る前に一定の理不尽を食らって来いという事なんだと思う。学生でバイトとか経験ある人からするとたくさん食らったからもう大丈夫だよという感じなのだがマジでバイトした事ない地雷みたいな人がいるので学校からしたら地雷除去の意味合いも強いと思う。インターン先で爆発して学校の評判が落ちるだけなんだけど。

さらに最悪なのが学科がごちゃ混ぜな所。2年後期にやったグループ開発である程度は誰がどんな能力を持ってるのか把握できた。それが全く意味をなさなくなる。他学科の能力未知数の人となにをしろというのだ。完全にガチャ。闇鍋。

自分は委員長をやってて毎朝先生の所に行って挨拶やら書類やら処理してたのでそこまでヤバイ所には飛ばされないと思っていた。

そして3人グループを組まされた。他のメンバーは同じ学科の中国留学生、ロボ学科のゴリラ。留学生は仮名で陳さんにしておく。年上。

ちょっとゴリラの前に陳さん紹介。

陳さんは2年生の時に同じクラスにいたので知った中ではある。全然作業してくれる。今でも忘れられないのが2年の時の夏休み何やった?みたいなプレゼン授業で表示された1枚の写真には白いタキシードをバシっと決めた陳さん。白いドレスを着た美しい女性とニッコリ写っていた。

そして「ケッコンした」「プレゼンオワリ」と唐突に終わられた。陳さんがオワリと言ったのだからオワリなのだろう。それ以上もそれ以下もない。その数秒後にようやく理解が追い付いて「え?ケッコン?ってあの結婚?」と聞いたら「ソウダ」と。いやソウダじゃない。お前結婚という重大イベントを1分も経たずオワリ終わらせるな。もっと掘り下げて普通に祝わせろ。というか夏休み入る前に言え。言っても中国いかないけど。

で、ロボ学科のゴリラ。これは全くの未知数。今の所見た目がゴリラっぽいという情報しかない。まぁ自分(委員長)、陳さん(既婚)のメンバーに入ったんだから多少は作業してくれるじゃね?と思っていたが違った。このゴリラ自体が地獄だという事を後に痛いほど思い知る事になる。ゴリラ(地獄)の事は最後に書く。

インターン先では幸いプログラムはできた。IT会社で東京営業支社みたな名前だったので一瞬?え?営業いかされんの?と戦慄したがSE部署と営業部署の二つがあった。SE部署は根暗オタクコミュ障っぽい人が多くて営業組はイケメンスポーツマンみたな人。だから水と油を混ぜるな。

実際に作るものは名刺管理ソフトだった。営業だったら「行って参ります!」と元気よく会社を出て行ってそのまま帰ってこないつもりだった。

でインターン生には教育係がついた。30歳すぎのハゲたオッサンだった。顔合わせですでに顔が死んでいた事を覚えている。挨拶にいったら「あぁ・・・よろしくね・・・」という感じだった。連日残業続きなのだろうか。この人は後に失踪する。

とりあえず3つ席が用意されて「んじゃぁがんばって。なんかあったら呼んで」という感じで始まった。まずPCの性能が低スぺがあてがわれた。起動に10分かかり不安が高まる。

さらにネットに繋がってなくLAN差してるのに繋がらないとかナニコレ状態で教育係呼んでセットアップしてもらってた。

インターン生の席に教育係がガッツリすわって作業してる所を社長にみられ「それは君がやる仕事なんか?インターン生がやる仕事じゃないのか?」とか突っつかれて「セットアップしてなかったこの人の落ち度です!」とは言えなかった。

で名刺管理ソフトなんぞ学生が作った事もなく。簡単なシューティングとか3D空間で歩きまわる程度の物しか作れない。とりあえず3人で会議してゲーム学科の2人は「名刺管理ソフトって弾うてるの?」「敵とかいる?」「なんか3D表示とかする?」ロボ科のゴリラは「ホイールの制御はできるけど・・」みたいレベルでお前らは何を作ろうとしてるんだ。楽しそう。てかなんでIT学科をここにまわさなかった。

インターンは基本放置体制だったの社内の入門書やら漁ってC#とWindowsフォームでソフト作ればよいっぽい?とかあと社内データベースにアクセスして社員情報とか先方の情報とか取ってきて名刺ソフトに反映させるのだけどまた繋がらない。

たぶんアクセス権限とかなくてそんな事も知らずに1日浪費するとかあった。でも新人の時って質問とかしちゃうと「そんな事もわからないのか」とか思われそうで評価下がりそうだから質問しないがち。むしろ質問してる人の方がどんどん成長していくという事にあとで気付く。

で教育係に「アクセス権ないんすけど」みたいな事いってまたデスクに来てもらって作業してもらって社長に見つかってイビられるコンボ。かわいそう。

そして連休明けに事件が起きる。教育担当者失踪。まぁ連休明けだから初日は休みたくなるよね分かる。2日目。いやゆうてお前教育担当者じゃろがい。そろそろ出てこい。3日目。社長「○○君と連絡がつかなくなりました。親御さんから連絡がありましたが捜索届を出したようです。帰ってきたら暖かく向かえて上げましょう」いや普通の事件じゃんか。失踪の原因あんたじゃろがい。いなくなった瞬間優しくする奴のDVする彼氏の手口か。

さらにコンボで教育係の親御さんが会社に謝りに来る。なんで30越えのハゲたおっさんの親御さん来るんだよ。しかも父親髪の毛フッサフサやないかい。完全にストレスでハゲたパターンだと理解した。

親御さんが来た日の事は良く覚えてる。出社前に駅の朝マックでエッグマフィン食べようとしたら営業部長がマックの前にビシっと立っていた。部長は高身長イケメンなので目立つ。結構デカめの駅だったのに一発で分かった。門番のようにマックの前に立っているので見つかるのが嫌でエッグマフィン食べれなかった。許さん。

そして会社に親御さんがきて菓子折りを持ってきて社員1人1人に謝っていった。地獄か。てか親来るとか過保護か。謝られてもこっちも困るし息子も絶対帰ってこれない奴。むしろ親御さんがトドメ刺しにきてる。結局帰ってこなかったのだけど一応見つかって群馬の温泉地にいた。参考にしよう。

とまぁ教育係失踪はゆうて放置気味だったのでこちらに大したダメージはなかった。

ここからゴリラ編。

なにが一番ストレスかというと口癖。両手を合わせて合掌してちょっと高い声で「よう↑は~↓」って言う奴。ぜんっぜん要点まとめてなくてめっちゃ話し長い。ゴリラ顔で頂きますのポーズやめろ。

さらにプログラム能力に関してはほぼない事がわかった。どこか欄の色変えてすごい誇らしげにしてたのは覚えてる。ぶっとばすぞ。プログラムも任せられない。口を開くと頂きますをされてこちらの精神が頂かれる始末。仕事出来ないならせめて黙ってて欲しかった。

先生が仕事をやめる原因は対人ストレスが1番ですと言ってた事をここで理解した。教育係がいなくなるさまと自分とで予習復習ができるとは思わなかった。先人に習って群馬の温泉地に行こうかと本気で考えた。

とはいえ天地がひっくり返ろうが1ヵ月耐えれば終わるのが救いだった。これがもう1ヵ月続いてたら失踪届2件目。

陳さんは良くやってくれた。中国語と英語ができるので検索して得れる情報の量が段違い。日本語サイトで数十分探して見つからない奴を中国か英語のサイトで一瞬で見つけたりしてきた。

1つ気になってた所は胆石症という病気患わっていた。なんか胆のうに石みたいな奴ができて痛むらしい。原因はコレステロールの取りすぎとかで午後になると腹を押さえていた。

にもかかわらず昼飯毎日チャーハン食ってる。おにぎりになったかと思ったらセブンのチャーハンおにぎり。あれおいしいよね。てか胆石保持者なら脂っぽい飯やめなよと言ったが「デモ、チャーハン食ベタイ」と言って食べるのをやめなかった。それ胆石じゃなくてチャーハン中毒。別の病気だ。「デモこれ飲んでるカラ大丈夫」と黒ウーロンを出してきた。チャーハンを相殺してくれると思ってたので黙ってた。

そして午後になると腹を押さえ始める。「胆石いたむの?」と聞くと「イタイよぉ」と言う。「黒ウーロンのまないと!」と促し「チョット楽にナッタ」というこのやりとりが楽しかった。会社を抜け出して陳さんと群馬の温泉地に行きたかった。捜索届3件目。

最後になんちゃって名刺管理ソフトのプレゼンを営業部長とかにして終わりを告げた。絶対使われないだろうな。

後日インターン先から面接に来て欲しいと連絡があったが丁重にお断りした。いくわけないだろ。

こうして会社側は1人の社員を失い、インターン生も確保できずに終わった。

得れたものは失踪される側とする側の双方の気持ちを1ヵ月という短い期間で身をもって体験できた事。これはお金を払ってでも体験できない事なので貴重な経験だった。

ゆるさんぞ強制インターン

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