33歳人妻が16歳の少年に恋した話 75 会えることにはなったけど

送ったLINEにすぐ既読がつき、とりあえずブロックされてはいなかったという事実に安心した。

彼から来た返信は

「いつぐらいがいいですか?」

だけだった。

かなり素っ気ない印象を受けた。

「試合が始まる前か、前半戦が終わってからの時間かな?本当にちょっとでいいよ」

「いつ抜け出せるかわかんないけど、前半戦終わってからの方がいけるかも」

「じゃあ前半戦終わってからにしよ。ていうか抜け出せるかって何を??」

彼からの返事は

「じゃあその時間で!」

だけだった。

質問はスルーされた。
こんなことはやり取りをしていて初めてだった。

「おっけー!よろしく」

と返信したところ、なんかよくわからないスタンプが送られてきて終了した。

それに対して「なにこれ(笑)」などと返信ができればやり取りは続いたかもしれない。
しかし、あまりにもわかりやすく冷たい彼の連絡で心が折れてしまって、返信できなかった。

とりあえずフォロワーたちに報告した。
今回は彼とのやり取りのスクリーンショットも送った。

私「会えることにはなったけど、あからさまに素っ気なくて落ち込んじゃいました」

独身男性「フラッグの奴歳上相手にえらそうにしやがって。こいつ結構人見下すとこあるよな」

既婚女性①「まあまだちょっと怒ってんじゃないの?会ったら普通に接してくれると思うよ」

既婚女性②「そうだよー!ただ素直になれないだけで、全然好きだよ、あのこちゃんのこと」

私「そうかなあ。ひとまず週末に向けてステラおばさんのクッキー買ってきます」

既婚女性たちは慰めてくれたが、私はやはり不安だった。

そして、独身男性から言われたことにドキッとした。
独身男性はよく人を見ているのだ。

気付かない振りをしてきたが、彼は結構人を見下すところがある。
こんな風に、彼の短所には目を向けないようにして今までやってきたことも確かだった。認めたくなかったけど。

年間80万円をスポーツチームのグッズに遣っちゃうところも(そんなに小遣いを与える親も親だが)、異常なほど汚い自室の写真を見せてきたところも(ADHDだから仕方がないのかもしれないが)、結婚しようと言いつつも、正直結婚したら苦労するだろうなとも思っていた。

私は大人だから、好きだけじゃやっていけないことも知っている。でも、好きだからこそやっていける部分があることも知っている。
後者だけを信じていた。恋ってそういうものだよね。

結局私は、彼に恋しているのだ。
だからこそ会いたくて連絡をしたし、素っ気ない返信が来たらしっかり凹む。
こんなに悩むのも恋してるが故。そしてこの恋を実らせたいが故。

不安でしかないけど、開幕戦の日は笑顔で会ってステラおばさんのクッキーを渡そう。
そして、またあの日みたいに幸せな時間が戻って来ればいいな。

そんな期待を胸に、私はステラおばさんのクッキーを買いに百貨店へと向かった。

続く

関係ないけど、今日は仲良しの同僚にもなぜか無性に苛立つ日だった。昔の私なら感情に任せて怒ってたと思うけど今はそんなことしない。大人だから。

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