33歳人妻が16歳の少年に恋した話 62 こたつでキスからの
こたつから顔だけ出してしばらくキスしていた。
その昔、のだめのドラマか映画でこたつでキスする描写があり、いつかこんなキスをしたいと思っていた私は嬉しかった。
「のだめでさ、こたつでキスするくだりあったよね」
「のだめって何ですか」
「え?知らないの?」
「知らない」
「そういやのだめのドラマ見てたの高2の時だな。17歳」
「僕の生まれた年じゃん(笑)」
衝撃だった。
改めて異常な年齢差なのだと思った。
「やべーーー(笑)私JKの時君赤ちゃんだったのか」
「やばいね」
そう言って笑いながら、またキスした。
さっきまでキスするたびに幸せな気持ちでいっぱいだったのに、年齢差を改めて実感した途端、一気に冷静になってきた。
彼が同年代の女の子と付き合ったり、もっとキラキラした青春時代を過ごしたりする未来だってきっとあるはず。
それを私が邪魔してしまっているのかもしれないと思った。
私はキスするのをやめて、彼の腕の中に顔を埋めた。
「どうしたんですか?」
「なんかちょっと…やっぱすごい年齢差だなって思った途端色々と罪悪感がすごくて。
私が君の青春を邪魔してしまっている気がする。同年代のかわいい子と付き合って真っ当な青春を送る方がいいんじゃないの」
腕に埋めていた顔を上げてフラッグ君を見た。
フラッグ君はじっと私を見ていた。
「私は君のことが好きだし一緒になれればいいなと思っているけど、君が幸せになることが一番だと思う。私といることが正解だとは限らないしいい人がいたらそっちに行ったっていいんだよ」
おかしなことに、口に出して初めて自分がこんな気持ちでいたことに気が付いた。
私ってこんなに自分に自信がなかったんだなと思うと同時に、既婚者のくせに何を言っているんだろうとも思った。
フラッグ君は
「これが僕が選んだ青春なんで。
年齢とか既婚とか、そんなのわかってる上であのこさんのこと大好きになったんです。だからそんなこと言わないで」
と言った。
「君自身が選んだ青春がこれなのか」
「そうだよ」
「ならいっか」
「うん」
私はもうあれこれ考えることをやめた。
またキスを続けた。
「こたつから足出ちゃう」
フラッグ君は足が長いため、足を伸ばしているとこたつからはみ出してしまうそうだ。
「なら、絡めて」
と言うと、フラッグ君は自身の脚を私の脚に絡めてきた。
フラッグ君がきつく私を抱きしめてきた。
私も負けじと抱きしめ返した。
彼の目がとろんとしていた。
抱きしめあってキスしているうちに暑くなってきたので、こたつから出てソファに移動した。
ソファの上で体ごと向き合ってキスをした。
彼はフレンチキスしかしてこない。
去年初めてキスした時もそうだった。
それ以上のやり方を知らないのだろうなと思った。
「もっと舌絡めてみて」
と言うと、ものすごく乱暴に舌を入れてきた。
下手くそすぎて笑いそうになっちゃったけど、その下手くそさすらも愛おしくて私は妙に興奮してしまった。
乱暴に入ってくる彼の舌を優しく舐めながら
「かわいい」
と言って、彼の頭を両腕で包んでゆっくりと押し倒してしまった。
できない時期なのに。
さて、ここからどうしようと思った。
続く
関係ないけど今日あったかすぎる。日中は暑すぎるぐらいだった。年がら年中こんな気温だったら私たちの悩みもだいぶ減るんじゃないのかなあと思った。
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