見出し画像

2023年東大和市長選挙・市議会議員選挙レポート

 統一地方選挙の一環として、東大和市長選挙・東大和市議会議員選挙が4月16日告示、23日投票で実施された。市長選は自民党が分裂。それを受けて市議選も自民党経歴の候補が分裂するという、激戦となった。その東大和市長選挙・市議会議員選挙をレポートする。


◆東大和市長選挙立候補者

 東大和市長選挙は、3期務めた尾崎保夫市長が引退。その後任をめぐって争われた。立候補したのは次の通り。

柳下  進 71 無所属・新
根岸 聡彦 62 無所属・新(自民党市総支部推薦)
和地 仁美 52 無所属・新

 新人3人の争いとなった。

根岸聡彦・前市議

 自民党は市総支部が根岸聡彦・前市議を推薦。

和地仁美・前市議

 一方、地元選出の木原誠二代議士や公明党支部は和地仁美市議を支援。自民党公認の中村庄一郎市議や推薦の横川みどり候補も和地候補を支援し、自民党の分裂選挙となった。

柳下進候補

 柳下進候補は前回に続いての立候補。共産党が自主的に支援している。

◆東大和市議会議員選挙立候補者

 市議会議員選挙の立候補者は次の通り。

関  綾子 43 生活者ネット・新
中間 建二 53 公明党・現
早川 美穂 47 共産党・新
石田昭太朗 25 国民民主党・新
金井 康哲 44 無所属・新
中村庄一郎 65 自民党・現
安武  徹 57 無所属・新
佐竹 康彦 50 公明党・現
安藤 祥英 39 無所属・新
中野  誠 39 無所属・新
木戸岡秀彦 65 公明党・現
東口 正美 56 公明党・現
二宮 由子 61 立憲民主党・現
小林由美子 56 無所属・新
木下 富雄 57 自民党・現
前田 太一 37 NHK党・諸派
尾崎 利一 64 共産党・現
押本  修 58 自民党・元
大川  元 42 無所属・現
床鍋 義博 58 無所属・現
上林真佐恵 50 共産党・現
並木 泰広 50 無所属・新(自民党推薦)
中野志乃夫 66 無所属・現
大后 治雄 55 立憲民主党・現
森田 博之 53 自民党・現
高峰  章 64 維新の会・新
荒幡 伸一 61 公明党・現
小山ちなみ 27 政治家女子48党・新
横川みどり 51 無所属・新(自民党推薦)
弦間 洋子 44 無所属・新
蜂須賀千雅 48 自民党・現

 定数22に31人が立候補した。市長選挙で自民党が分裂した影響から、市議選の候補者も2つの陣営に分かれているようだ。また、イロモノ系の候補者も多数立候補していて、なかなかに面白いものとなっていた。

◆東大和市長選・市議選ウォッチ

 その東大和市長選挙・市議会議員選挙をウォッチした。

早川美穂・共産党候補

 多摩都市モノレールの終点・上北台駅前で、共産党の早川美穂候補に会った。引退する森田真一市議の後任として立候補。金髪なので驚いた。本職はデザイナーだという。「あなたらしく生きられる東大和へ」というキャッチフレーズだが、まさにそうした生き方を体現している。

 続いて、西武線・東大和市駅へ。

仲間健二・公明党市議

 公明党の仲間健二市議が街宣中であった。「写真何に使うんですか?」と聞かれたのだが、実はこのブログのためでした。

上林真佐恵・共産党市議

 共産党の上林真佐恵市議。教育問題について語っていた。

石田昭太朗・国民民主党候補

 国民民主党の石田昭太朗候補は最年少の25歳。駅前ロータリーで熱弁を振るっていた。若さゆえのバイタリティは十分伝わって来た。

 イロモノ系候補も多く立候補している。

前田太一・NHK党候補

 NHK党は元警察官の前田太一候補を擁立。

小山ちなみ・政治家女子48党候補

 政治家女子48党は27歳の小山ちなみ候補。肩書には「若手現役世代」とある。「20代」「女性」「若手」の3点が売りのようだが、それだけでは政治家として心もとない。だいたい選挙ポスターにウィンクした写真を載せているようでは…。

安藤祥英候補は長井秀和・西東京市議の支援を受ける

 安藤祥英候補は元創価学会3世とのこと。「宗教と貧困から市民を守る」というキャッチフレーズで、同じく元創価学会員の長井秀和・西東京市議の支援も受けている。

安武徹候補

 安武徹候補。公約が交通違反の押印廃止というもの。これって市議会の公約か?

◆東大和市長選挙開票結果

 市長選挙の開票結果は次の通り。

当選17,900(55.20%)和地 仁美 52 無所属・新①
   7,801(24.06%)柳下  進 71 無所属・新
   6,727(20.74%)根岸 聡彦 62 無所属・新(自民党市総支部推薦)

 投票率は47.81%で、前回の48.09%を下回った。結果は和地仁美・前市議が大差で勝利。東大和市初の女性市長の誕生となった。自民党が支援した根岸聡彦・前市議は最下位に終わった。
 都内の女性首長は杉並区の岸本聡子区長、足立区の近藤弥生区長、品川区の森沢恭子区長、武蔵野市の松下玲子市長、小平市の小林洋子市長、日の出町の田村みさ子町長に次ぐ。今回、江東区の木村弥生候補、北区の山田加奈子候補、豊島区の高際みゆき候補も当選しているため、一挙に10人となった。

◆東大和市議会議員選挙開票結果

 市議会議員選挙の開票結果は次の通り。

当選1,815尾崎 利一 64 共産党・現
当選1,814森田 博之 53 自民党・現
当選1,777荒幡 伸一 61 公明党・現
当選1,760東口 正美 56 公明党・現
当選1,710早川 美穂 47 共産党・新
当選1,595木戸岡秀彦 65 公明党・現
当選1,586佐竹 康彦 50 公明党・現
当選1,580中間 建二 53 公明党・現
当選1,579関  綾子 43 生活者ネット・新
当選1,432上林真佐恵 50 共産党・現
当選1,411二宮 由子 61 立憲民主党・現
当選1,400蜂須賀千雅 48 自民党・現
当選1,222中野志乃夫 66 無所属・現
当選1,203石田昭太朗 25 国民民主党・新
当選1,092高峰  章 64 維新の会・新
当選1,078木下 富雄 57 自民党・現
当選1,060中村庄一郎 65 自民党・現
当選1,054大后 治雄 55 立憲民主党・現
当選1,035押本  修 58 自民党・元
当選 891床鍋 義博 58 無所属・現
当選 833金井 康哲 44 無所属・新
当選 799大川  元 42 無所属・現
   730横川みどり 51 無所属・新(自民党推薦)
   450弦間洋子票 44 無所属・新
   432中野  誠 39 無所属・新
   414並木 泰広 50 無所属・新(自民党推薦)
   285前田 太一 37 NHK党・諸派
   275小林由美子 56 無所属・新
   260安藤 祥英 39 無所属・新
   244小山ちなみ 27 政治家女子48党・新
    39安武  徹 57 無所属・新

 投票率は47.81%で、前回の48.09%を下回った。 

 政党別当選者数は次の通り。

自由民主党  5(+3)
公明党    5(±0)
日本共産党  3(±0)
立憲民主党  2(±0)
日本維新の会 1(+1)
国民民主党  1(+1)
生活者ネット 1(±0)
無所属    4(-5)

 自民党が3議席上乗せしたが、これは4年前に無所属で立候補して当選した現職の森田博之市議と木下富雄市議が今回新たに自民党に加わったとことが理由。公認候補5名は全員が当選を果たしているが、推薦候補2名は議席に届かなかった。
 公明党、共産党、立憲民主党は現状維持。
 日本維新の会と国民民主党が新たに議席を獲得した。

尾崎利一・共産党市議

 トップ当選は共産党の尾崎利一市議だった。共産党がトップ当選したのは、今回都内では荒川区とここだけである。尾崎あや子・共産党都議の夫としても知名度がある。

森田博之・自民党市議

 2位は自民党の森田博之市議。今回で2期目の当選となった。2015年に亡くなった森田憲二・元自民党市議の地盤を継いでいる。同姓だが、ブログには「空手道連盟で共に活動をしていた」とあるので、親族ではないようだ。

蜂須賀千雅・自民党市議

 前回トップ当選の蜂須賀千雅・自民党市議は前回より1000票以上得票を減らしている。今回、自民党公認候補が増えたのが原因だろう。

 公明党は現職4人が手堅く議席を守った。

関綾子・生活者ネットワーク候補

 生活者ネットワークは新人の関綾子候補が当選。現職の実川圭子市議は現在3期目。生活者ネットは3期12年で交代というルールがあるため、引退となった。

 イロモノ系候補は全員が落選した。
 政党公認候補(政治家女子48党除く)と、現職は全員が当選しているように、全体として無風の選挙区だったといえるのかもしれない。

 会派は次の通りになった。

5 公明党
3 日本共産党東大和市議団
3 自由民主党新政会(中村、木下、森田)
3 やまとみどり(床鍋、中野、金井)
3 立憲国民クラブ(立憲、国民)
2 自由民主党(蜂須賀、本)
3 無所属(高峰、関、大川)

 市長選のしこりか、自民党会派が分裂。市長選での和地市長支持派と根岸候補支持派に割れたのだろう。和地候補を支援した中村市議が所属していることから、「自由民主党新政会」が市長支援派なのだろう。

中村庄一郎・自民党市議

 そのため第1会派となったのは公明党。第2会派には4つの会派が並んでいる。

東口正美議長

 議長は公明党の東口正美市議、副議長は立憲民主党の大后治雄市議となった。

大后治雄副議長

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?