投票日からだいぶ経ってしまったが、4月23日に行なわれた統一地方選の東京都内の選挙ごとのまとめをあげたいと思う。今回は候補者に会うことよりも、出来るだけ多くの選挙区のポスター掲示板を見るように心がけた。そのため、ウォッチとしては不十分になってしまっている。まとめというよりは感想になってしまっているのだが、備忘のためにも書き残しておこうと思う。
なお統一地方選挙(後半戦)は4月16日告示、23日投票。都内では12の区長選、4の市長選、2の町村長選、21の区議選、20の市議選、6の町村議選が行なわれた。今回はそのうちの都区部の選挙について紹介したい。
◆千代田区議会議員選挙
新宿区(前回総選挙までは港区も)と共に東京1区を構成する千代田区。「1区現象」という言葉が象徴するように、全国的な風を受けやすい。従って、千代田区を分析すれば今後の政局を占う上でも重要なデータが得られるのではないだろうか。
定数25に41人が立候補。投票率は48.59%で、前回の42.25%を上回った。
党ごとの当選者数は次の通り。
自民党と共産党の大敗、維新の会と都民ファーストの会の躍進という結果は、今回の都全体の傾向とほぼ一致している。ただ、都全体では微減傾向にあった公明党が、千代田区では逆に議席を増やしている。
参政党は勝負にならず惨敗。NHK党や他の諸派もまったく当選圏に届かなかった。千代田区は少数政党というか、新規参入に厳しいようで、いわゆる諸派が議席を取ることは少ない。4年前大躍進し、特別区20区中17区で議席を獲得したNHKから国民を守る党も、千代田区では惨敗している。
今回もこども未来党のべーやん(濱辺紘一郎)党首、新党やまとの佐藤幸治候補が共に惨敗だった。
無所属の梅田夏希候補は、2021年の補欠選挙以来の立候補。女性ぽい容姿だがれっきとした男性で、女性と結婚していて4児の父。LGBTというよりは女装趣味といった感じ。
補選の際は音喜多駿・参院議員率いる「あたらしい党」の公認を得ていたが、Twitter上の過去の投稿が問題となる。
しかも、選挙後に批判してきた人に対して脅しともとれる発言をしたことで、当時の音喜多代表が謝罪するという一幕もあった。
最終的に党は梅田候補に厳重注意処分を下し、党の区政対策委員の職を解任とした。その後梅田候補は、「減税とうきょう」から都議選新宿選挙区で出馬し落選している。今回もまったく勝負にならなかった。
維新の会の野崎哲夫候補はこれまで2009年と12年総選挙に東京1区から出馬し落選している。2012年は日本未来の党の公認を得ていた。2018年には新宿区長選挙に野党統一候補として立候補。野党統一にも関わらず、4年前の共産党単独推薦の候補者を下回る得票しか挙げられず、不人気ぶりを見せつけていた。
それが今回、維新の会に拾われ初当選を果たす。維新はいったいなぜ野沢候補の擁立ということになったのだろうか。この人選には多くの疑問の声が挙がっていた。
今回初当選の富山葵弓候補は28歳で、千代田区では最年少での当選となった。昨年の参院選東京選挙区で落選した乙武洋匡氏が支援しているようだ。乙武氏の政界再挑戦への足掛かりとなるだろうか。
大敗はしたものの、自民党は9議席で最大勢力は維持した。ところが、その後自民党会派が分裂するという事態になった。若手議員を中心に5名(林、西岡、小林、池田、大坂)が会派「千代田区議会 自由民主党」を結成。その後、自民党を離党した早尾恭一区議を加えて6名の会派となった。残った4名(永田、桜井、嶋崎、白川)は「千代田区議会自由民主党議員団」を結成している。
「千代田区議会自由民主党議員団」には桜井正区議と嶋崎秀彦区議という2人の議長経験者がいる。こうした“長老”の排除が、若手議員たちの目論見であったと見られている。ところが、「千代田区議会自由民主党」の方にも、小林孝也区議という議長経験者がおり、結局のところ単なるポスト争いが原因であったのではないか。また、林則行区議、小林孝也区議は自民党を離党した経験があるため、なかなか主導権を取れない事への焦りがあったのかもしれない。
そうした自民党内の思惑を他所に、立憲民主党2名、都民ファーストの会2名、国民民主党1名に無所属3名(秋谷、入山、富山)を加えた8名が会派「#次世代・国民民主・都民ファースト・立憲の会」を立ち上げ、最大会派となった。立憲民主党と都民ファーストの会が手を組んだというのにも驚きであるが、今後は是々非々でやっていくのであろう。
最終的な会派は次の通り。
議長には「#次世代」の秋谷好基区議、副議長には「千代田区議会自由民主党」の池田友規区議を選出した。千代田区議会が落ち着くまではもう少しかかりそうだ。
◆中央区長選挙
立候補者が現職の山本泰人区長しかなく、無投票での再選が決まった。
区長選が無投票になるのは1994年の中野区長選以来29年ぶり。中央区長選では1979年以来44年ぶり3度目となる。
◆中央区議会議員選挙
定数30に41人が立候補。投票率は44.05%で、前回の45.64%を下回った。区長選挙が立候補者1名のみで実施されなかったことも原因の1つではないだろうか。
党ごとの当選者数は次の通り。
自民党、立憲民主党、公明党の既成政党が議席を減らす一方で、れいわ新選組や参政党といった新興勢力が議席を伸ばしている。
維新の会は現有1から2に伸ばしたが、新人の上田一輝候補が圧倒的得票でトップ当選。現職の白須夏区議と併せると計3,671票となり、3議席は取れていた計算になる。
4年前は候補者を立てていなかった都民ファーストの会は、今回2名を立てたが、当選したのはアルール唱子候補のみ。アルール候補の夫は元駐日本モロッコ大使とのこと。
もう一人の二瓶文徳区議は、4年前は「NHKから国民を守る党」公認で当選。その後父の二瓶文隆・中央区議と共に離党。その際に立花孝志党首(当時)から脅迫を受けたため裁判となったが勝利。立花党首には懲役2年6ヵ月執行猶予4年の判決が下された。今回は、父の文隆区議が国民民主党に移籍したのに対し、文徳区議は都民ファーストの会に移籍と、政党が別となっている。4年前は1,100票を獲得していたが、今回は大きく得票を減らし、議席を守れなかった。古巣NHK党から豊田莉加候補という“刺客”を立てられたのも痛かった。
参政党の黒原裕司候補が29番目、れいわ新選組の川畑善智候補が30番目(最下位)と下位でしぶとく当選。共に党の躍進の一翼を担ったといえるが、薄氷の勝利だった。
会派構成は次の通りとなった。
2議席を獲得した維新の会は、白須夏区議と上田一輝区議がそれぞれ別の会派を届け出ている。中央区の維新にいったい何が起きてしまったのだろう?
5月26日、議長に自民党の瓜生正高区議、副議長に礒野忠区議を選出した。同一会派から正副議長というのは珍しいが、中央区では議長人事は議員間の互選で決まるとのことである。
◆港区議会議院選挙
定数34に57人が立候補。投票率は33.37%で、前回の35.37%を下回った。
党ごとの当選者数は次の通り。
自民党は新人3人が落選したものの、現有議席を守った。また、公明党が1人落選している。
維新の会が1議席から3議席に躍進した。
前回は社民党で当選した阿部浩子区議は、今回立憲民主党から立候補して当選。社民党は港区での議席を失った。
4年前、スマイル党のマック赤坂総裁が当選したように、港区は諸派に対しても寛容な選挙区だと思われている。そんなこともあって、多くの小政党の候補者が顔を揃えた。
そんな中では、初挑戦のれいわ新選組、参政党が共に議席を獲得。
また、こどもの党の斎木陽平党首も初めての議席を獲得している。斎木候補は、ゲイを公言しているLGBT候補で、昨年の参院東京選挙区からの出馬経験もある。
NHKから国民を守る党は4年前は大須賀優候補を立てていたが、全国的なブームの中にも関わらず議席を獲得出来なかった。今回は政治家女子48党が深瀬良乃候補、NHK党が田野上勇人を立てた。深瀬候補はエステサロン店長。田野上候補は1男3女のシングルファーザーで、「趣味結婚、特技離婚」なのだとか(笑)
また、NHK党で都議選や印西市長選に出馬した経験のある29歳の新藤加菜候補も無所属で立った。
さらに、「未来のチカラ」公認の26歳の粟飯原美佳候補も、NHK党のスタッフ。ほとんど選挙戦を行なっていなかったとの話もあり、新藤候補への刺客だったのではないかとも囁かれている。
このようにNHK党関係者が乱立していたが、結果的に当選したのは新藤候補だけだった。
深瀬候補、新藤候補、粟飯原候補など、今回の港区議選は、若くて綺麗な女性候補が多く立候補しており、一部では「キャバクラ状態」と揶揄されていた。そんな美人候補の元祖というのは、自民党の柳沢亜紀区議ではないか。
41歳だが、すでに3期港区議を務めている。偶然街宣を見かけたが、確かに華やかな雰囲気で、襷をつけていなければとても候補者には見えなかった。
4年前初当選して話題になったスマイル党のマック赤坂総裁は、今回は不出馬となった。4年前、「これが最後の選挙」と言っていたが、図らずも約束を守る形になった。港区議会にはもう1人赤坂大輔議員がいるのだが、共に“お騒がせ者”として様々に物議を醸している。
赤坂区議は昨年7月、女子中学生に公園内で卑猥な言葉をかけたとして千葉県迷惑防止条例違反で逮捕された。それ以前にもタクシー運転手への暴行、女子高生に下半身を露出した公然わいせつの疑いでも逮捕されている。港区議会でも何度も辞職勧告が出されていたがそれを拒否して議員を続けてきた。今回の結果は481票で、4年前の1,638票の約1/4の得票に終わり、ついに議会を去ることになった。
変わり種候補ではDJティアラ候補。国際的に活躍するDJだという…。
AIジョー候補は人工知能の区議候補。制度上AIそのものが立候補することはできないため、人間の秘書が「AI」名義で出馬しているらしい。
しかし、こうした異色候補は当選出来なかった。
港区議会の会派は次の通りとなった。
新藤加菜区議は当初、維新の会会派に加わるとみられていたが、過去にNHK党に所属していたことや、極右的な発言なんどが問題視され、支持者の反発を招き、結局会派に加わることはなかった。新藤区議は1人会派「Noblesse oblige」を立ち上げた。ノブレス・オブリージュとは、フランス語で「位高ければ徳高きを要す」を意味する言葉。一般的に財産、権力、社会的地位の保持には義務が伴うことを指すという。
議長には自民党の鈴木孝弥区議、副議長には国民民主党の七戸淳区議を選出した。
◆新宿区議会議員選挙
定数38に60人が立候補。投票率は38.79%で、前回の37.93%を上回った。
党ごとの当選者数は次の通り。
自民党は現職3名が落選した。公明党は現有議席より1名絞っての擁立で、1名減だった。
その一方、共産党は議席数を増やしている。なお、最後の1議席は同じ共産党の高月真名区議と中村尚之区議との争いとなったが、わずか1票差で高月区議が競り勝った。
維新の会は4年前は唯一の現職が惨敗しているが、今回は新人の古畑匡規候補がトップ当選。小山田静香候補と併せて2議席を確保した。
国民民主党、都民ファーストの会、れいわ新選組、参政党がいずれも議席を獲得している。
その一方で、社民党は引退する河野達男区議の後継・松本順子候補が議席を守れなかった。
4年前はNHKから国民を守る党の松田美樹候補が当選したが、その後、居住実態がないとのことで当選取り消しとなっている。松田元区議は今回は練馬区で立候補。
代わりに立候補したNHK党の最勝寺辰也候補、政治家女子48党の斉藤優利候補は惨敗。両者の得票を合わせても当選ラインを下回っていた。
さすがは新宿区だけに多彩な候補者が立候補している。桜井誠党首率いる極右政党の日本第一党の堀切正美候補。
同じく極右の「中国共産党から日本を守る党」(日守党)の遠藤修一候補。
喫煙者の権利を訴える自由ニコチン同盟の五十嵐順一郎候補。
「WBPC問題を考える貝」の山下ギルド候補。
「WBPC問題」とは、新宿区歌舞伎町の会社に発端する一連の社会問題とのこと。ポスターのイラストが無断使用だとして、イラストを描いた暇空茜氏が山下候補に抗議するなどトラブルになった。
こうした諸派の候補は誰一人当選出来なかった。
多様性あふれる候補者が立候補しているのも新宿区ならでは。共産党の高月真名区議は元男性のトランスジェンダー。最下位とはいえ再選を果たした。4年前はもう1人、トランスジェンダーの依田花蓮候補が当選しているのだが、2022年参院選出馬のため辞職している。
李小牧候補は中国出身。2015年に日本に帰化している。2015年以来3回連続での区議選挑戦であったが、またしても落選に終わった。
新宿区議会の会派は次のようになった。
議長は自民党の樋山真一区議、副議長は公明党の野元明俊区議となった。
◆文京区長選挙
現職の成沢広修区長に、自民党を離党した海老沢敬子・前区議が挑む。成沢区長は8年前選挙では自民党、民主党、公明党の支援を受けており、実質的な分裂選挙となった。
投票率は52.15%で、前回の50.58%を上回った。結果は成沢区長が5度目の当選を果たした。
◆文京区議会議員選挙
定数34に43人が立候補。投票率は52.16%で前回の59.59%を上回った。
党ごとの当選者数は次の通り。
立候補した現職全員と、新興政党を除く政党公認候補全員が当選するという状況で、波乱のほとんどない選挙区となった。
トップ当選は国民民主党の高山泰三区議。
2位は宮野佑実子区議となったが、前回よりも2千票以上得票を増やしている。
前回まで社民党で立候補していた浅田保雄区議が今回は立憲民主党に移ったため、社民党は議席を失っている。
西村修区議はプロレスラー。2011年に国民新党公認で初当選し、今回で4期目となる。
高浜直樹区議は非公認のご当地キャラ「みどりーマン」としても活動しているとのこと。
4年前はNHKから国民を守る党で初当選した野口健太郎区議は、今回は自民党に移って再選を果たした。
旧NHK党からは川畑綾子候補が政治家女子48党、小関真二候補がNHK党から出馬したが、共に落選している。
川畑候補は、33歳で2児の母。ポスターには政治家女子48党の文字はなく、ステルス型の選挙戦を行なったのだろうか? それでも及ばなかった。
次点となったのが参政党の植松哲也候補。最下位当選より300票引き離されており、文京区では新規参入の当選ラインに厚い壁があった。
会派は次のようになった。
議長は自民党の白浜英行区議、副議長には公明党の田中香澄区議を選出した。
◆台東区長選挙
3選を目指す80歳の服部征夫区長に、立憲民主党を離党した堀越秀生・前区議が「オール台東」を掲げて挑んだ。
投票率は46.83%、4年前の42.56%を上回った。結果は現職の服部征夫区長が3度目の当選。
◆台東区議会議員選挙
定数32に50人が立候補。投票率は41.8%で前回の42.57%を下回った。
党ごとの当選者数は次の通り。
自民党は現職1名を含む3名が落選したものの、前回よりも2名増に成功した。
日本維新の会と都民ファーストの会が前回0から2議席に増やしている。
れいわ新選組と参政党も初めて議席を獲得した。
あたらしい党の高橋絵梨香候補が初当選したが、あたらしい党の新人が当選したのは今回全国で唯一となる。
旧NHK党は現職の掛川暁生区議がNHK党で立候補したものの大きく票を減らして落選。また、政治家女子48党関係者の佐藤さやか候補が無所属で立候補しているが、やはり議席には届かなかった。両者の得票を併せていれば当選ラインに達していただけに勿体なかった。
若者の政治参加を訴えてインターネットで活動していた「若者党」が今回初めて候補者を擁立している。29歳の圓谷広樹候補が立候補したが、当選ラインを大きく下回る結果となった。若者党は引き続き挑戦していくということなので、今後に期待したい。
会派構成は次のようになった。
都民ファーストの会の中村謙治郎区議と村上浩一郎区議がそれぞれ別の会派に所属することになった。
議長は自民党の高森喜美子区議、副議長には公明党の小坂義久区議が選出された。
◆墨田区長選挙
与党系の現職の山本亨区長に、野党系の実藤政子候補が挑んだ。
投票率は45.89%で前回の43.76%を上回った。結果は山本区長が3選。やはり現職が強さを発揮した。
◆墨田区議会議員選挙
定数32に51人が立候補。投票率は45.89%で、前回の43.78%を上回った。
党ごとの当選者数は次の通り。
自民党、公明党、立憲民主党、都民ファーストの会の各主要政党はいずれも4年前と同じ。そんな中、共産党のみが2議席減と議席を減らした。
新たに議席を獲得したのは維新の会(2議席)と国民民主党。
4年前議席を獲得したNHKから国民を守る党の神足重治(かんだすなお)区議は今回は自民党に移籍しての出馬となったが、得票を大きく減らして落選した。西東京市の冨永雄二市議、文京区の野口健太郎区議のように、旧NHK党から自民党に移籍した議員は議席を守ることに成功した例が多いが、墨田区では失敗に終わっている。
政治家女子48党の市川樹菜候補とNHK党の小島糾史候補は共倒れに終わったが、両者を併せれば4年前の神足区議の得票を上回っただけに戦略ミスが悔やまれる。
民主党で2期代議士を務めた井上和雄・元代議士が無所属で立候補していた。元代議士という大物が区議選に出るというのはなかなか珍しい。井上元代議士は、ボリビア人から帰化した井上ノエミ区議の夫でもある。今回、井上ノエミ候補は議席を守ったが、井上和雄・元代議士は51人中50位という順位で落選。わずか516票しか獲得できない惨敗であった。
会派は次の通りとなった。
議長には自民党の福田はるみ区議、副議長には公明党の羽田福代区議を選出した。
◆江東区長選挙
一番の注目の選挙の1つ。引退を表明していた山崎孝明区長が4月12日に急逝。後継として立候補した長男の山崎一輝都議は弔い合戦となった。
江東区は衆院東京15区の柿沢未途代議士が自民党推薦候補を破って当選後に自民党入りしたという経緯もあり、地元の自民党が一枚岩ではない。江東区選出の都議経験もある木村勉・元代議士の娘・木村弥生・元自民党代議士も出馬し、自民党は分裂選挙となった。
野党系の芦沢礼子候補や、3回連続東京15区から立候補経験のある猪野隆候補も交えて激戦となった。
投票率は48.86%で、前回の46.72%を上回った。結果は、木村弥生・元代議士が勝利。江東区の木村勉・元代議士の娘と言うことで、野田聖子代議士ら自民党議員の支援を受けたばかりか、立憲民主党の区議も支援するなどリベラル層の支援も集めることに成功した。江東区初の女性区長となる。
山崎候補は今年の3月頃、父の山崎前区長と共に若洲ゴルフリンクスの利用に関して癒着があったのではないかと報道された。なかなかチケットの取れないことで有名な人気ゴルフ場を優先的に使用していたというのである。こうした疑惑が向かい風になったのかもしれない。
個人的に注目したのは3位に入った猪野隆候補。維新の会で総選挙に出馬したことや、2015年の区長選への出馬経験もあるのだが、完全に泡沫候補と見られていた。それが、野党系の芦沢礼子候補を上回る得票を挙げている。これは大健闘だと言えよう。
◆江東区議会議員選挙
定数44に59名が立候補。投票率は48.87%で、前回の46.74%を上回った。
各党の獲得議席は次の通り。
自民党は1議席減となるも第1党を維持。全国的に退潮傾向にある共産党が2議席増やしている。逆に立憲民主党が現職2名の落選で2議席減となった。
4年前、国民民主党公認で当選した吉田要区議と徳永雅博区議は、共に今回は無所属で立候補して当選している。逆に前回はNHKから国民を守る党で当選した二瓶文隆区議が今回国民民主党に移籍して再選を果たした。今回、NHK党を離党した現職が議席を守ったのは二瓶文隆区議以外だと文京区の野口健太郎区議(自民党)しかいない。二瓶文隆区議の息子の二瓶文徳・中央区議(都民ファーストの会)も議席を守れなかった。
NHK党は丸吉孝文候補、政治家女子48党は26歳の中尾茉友候補を立てたが共倒れに終わっている。
生活者ネットワークも、現職の千葉早希恵区議が落選し、議席を失った。
あたらしい党の三次由梨香区議は議席を守った。日本維新の会の音喜多駿参院議員の妻ということもあって知名度も高く、過去最高の得票を記録している。
会派は次の通りとなった。
自民党と参政党が統一会派を結成。
また、立憲民主党、国民民主党、都民ファーストの会、あたらしい党が統一会派を結成している。まさしく呉越同舟。おそらくは党議拘束はなく、是々非々でやっていくことになるのだろうが、どこまで一体感を出せるのか今から不安になる。
議長には自民党の山本香代子区議、副議長には新時代の会の徳永雅博区議を選出した。
◆品川区議会議員選挙
品川区議会議員選挙については別途レポートを執筆しているので、そちらをご覧頂きたい。
◆目黒区議会議員選挙
定数36に57人が立候補。投票率は43.26%で、前回の40.28%を上回った。
政党別当選者数は次の通り。
公明党の山宮清孝区議が次点で落選。その他主要政党もいずれも議席を減らした。
その一方、維新の会と都民ファーストの会が議席を増やす。維新の新人・上田彩候補はトップ当選だった。
国民民主党、生活者ネット、れいわ新選組も議席を獲得するなど、新興政党が躍進した。
ただし、参政党の岩本恵美候補は議席に届かなかった。
内紛続く政治家女子48党は“党首”の大津綾香候補が立候補している。
また、NHKから国民を守る党は現職・川端慎二区議も立候補していたが、結果的に共倒れに終わった。
目黒駅前で珍しい光景を目撃した。自民党の小野瀬康裕区議と、NHK党の川端区議が、川端区議の街宣車の前で何やら話し込んでいる。
決して深刻そうには見えず、親し気に話しているようだった。小野瀬区議によると、演説場所の調整の話し合いだったようである。
気になった候補者としては、市民をつなぐ党の後谷千穂候補。
肩書は美肌研究科とのことだが、公約にある「オーガニック給食を実現します」というのが気になる。一見荒唐無稽かとも思ったのだが、千葉県いすみ市や東京都武蔵野市で既に実現しているとのことである。地元食材の活用という点では良いとも思うのだが、なかなかそれを都心でやるというのも難しそうに思う。
また、岩渕美智子候補は目黒区生まれの俳優・石田純一の応援を受けている。石田純一は高校の先輩とあるから、都立青山高校出身なのだろう。それにしても、石田純一の写真と「文化の薫る目黒区に!」というキャッチコピーを並べてしまうと、どうしても石田の言ったとされる「不倫は文化」という言葉が思い出されてしまう。
会派は次の通りになった。
議長は自民党の小野瀬康裕区議、副議長はめぐろの未来をつくる会の吉野正人区議を選出。
◆大田区長選挙
4期務めた松原忠義区長が引退。鈴木晶雅・元都議ら3人の新人による争いとなった。
投票率は45.65%で、前回の42.73%を上回った。松原前区長の後継をアピールする鈴木晶雅・前都議が、野党系の森愛・前都議に競り勝った。
森候補は都民ファーストの会の都議として2期務めているが、今回離党して出馬。党派に偏らない立場をアピールしたが及ばなかった。なお、今回の区長選立候補に伴って実施された都議会補欠選挙に、森元都議が出馬したことから物議を醸すことになる。
元区議の岡高志候補は両者の争いに埋もれ、及ばなかった。
◆大田区議会議員選挙
定数50に全国最多の82人が立候補。掲示板のスペースが足りなくなったのか、板が追加されている。投票率は45.65%で、前回の42.74%を上回った。
政党別の当選者数は次の通り。
共産党が現有議席から3減という惨敗。
また、公明党の新人・佐藤茂行候補も落選した。
その一方で、日本維新の会が3議席増と大躍進
れいわ新選組、参政党も議席を獲得した。
トップ当選は奈須利江区議。
また、オタク議員として知られる荻野稔区議も3位当選となった。
生活者ネットワークは、北沢潤子区議が2021年9月4日に逝去。後継候補を擁立することが出来なかった。
また、緑の党の全国唯一の現職議員だった野呂恵子区議も2021年12月22日に逝去。後任の安田雄一郎候補は、前回の野呂区議の得票(4,727票)の1/5の票しか挙げられず惨敗している。
政治家女子48党の片桐千映候補は28歳のシングルマザー。当選圏を窺う勢いだったがあと一歩及ばず。NHK党の越智寛之候補と共倒れに終わった。
諸派系の候補も数多く立候補していたが、当選したのは「たちあがれ日本」公認の犬伏秀一区議のみ。これまで維新の会や次世代の党で総選挙出馬経験がある。「たちあがれ日本」を再建して区議に返り咲いた。
小山恵吾候補は「幸せにする党」公認。華頂宮(伏見宮)家などの三宅に命を狙われているのだそうだ。また、全国模試で1位を取り偏差値70以上。さらにプロスポーツ選手よりスポーツが出来るのだという。
長嶋真由美候補は「こどもたちのみらいを応援する会」公認。社交ダンス講師としても活動している。
無所属にも変わり種が。國井匡生候補の公約は「デジタル民主主義」の推進との事。
谷口秀樹候補のポスターは手書きをそのままコピーしたようなもの。
「はぐらかさない政治を」がキャッチフレーズの羽倉和人候補。本職は舞台監督、音楽家なのだとか。
溝口晃一候補は過去に「オリーブの木」で参院東京選挙区出馬経験あり。「脱カルト」を旗印に長井秀和・西東京市議と連携している。
金子富夫・日本道義の党元区議のキャッチフレーズは「昭和のおっさん悪事を許さない!」。
原忠信候補は「区民ファーストの会」。2017年の「都民ファーストの会」の人気にあやかった名前だろう。
羽田まさゆき(金村誠)候補はYouTuber「羽田まさゆき報道局」。「実子誘拐ビジネス」「子どもの連れ去り」を批判しているが、果たしてこれは区議選の公約になるのか?ポスターには「当選を目的とした立候補ではありません」「私はほかの候補者に投票予定。私に投票しないでください」ともあるが、その願い通りかわずか95票で断トツの最下位だった。
ウォッチのために蒲田駅で降りた。駅前では都民ファーストの会の山田貴久候補が街宣を行なっていた。
区長候補の森愛・元都議との連携を盛んに口にするなど、この頃はまだ両者が蜜月だったのだなあと改めて感じる。
また、大森昭彦・自民党区議一行が歩いているところにも出くわした。「蒲田の大森」というのがキャッチフレーズ。
下から2番目ではあったが見事6選目を果たした。
会派は次の通りとなった。
議長には自民党の押見隆太区議、副議長には公明党の秋成靖区議を選出した。
◆世田谷区長選挙
社民党代議士から転身した野党系の保坂展人区長が、自民・維新相乗りの29歳の内藤勇耶候補の挑戦を受けた。内藤候補は当選すればもちろん、最年少区長となる。
保坂区長は初当選こそ保守分裂の隙を掻い潜っての当選だったが、それ以降は与党系候補との一騎打ちをすべて退けて当選している。今回も危なげなく4選を決めた。投票率は46.1%で、前回の43.02%を上回った。
◆世田谷区議会議員選挙
定数50に75人が立候補。投票率は46.11%で、前回の43.02%を超えた。
政党別当選者数は次の通り。
候補者を減らした公明党が1議席減。
一方、共産党が1議席増やした。
生活者ネットワークは新人2名が当選したものの、現職2名が落選している。
国民民主党、れいわ新選組、参政党が新たに議席を獲得。
都民ファーストの会は2名立てたものの、現職の薗部誠弥区議が議席を守ったに留まった。ところで都民ファーストの会の候補者はどこも似たようなデザインのポスターなのだが、薗部候補のはひときわ違ってお洒落なので目を引いた。
社民党は現職の桜井純子区議と羽田圭二区議の2人が立憲民主党に移ったため議席を失っている。維新の会も前回より1議席上乗せして2議席だった。
維新の会も前回より1議席上乗せして2議席だった。現職の稗島進区議はトップ当選している。
2位は無所属の樋内優子区議。
美人議員として知られるが、ポスターの写真が10年以上前から変わっていない気がする。これはぜひとも一度本物を拝んでみたいものである、
男性から女性に性別変更した元祖トランスジェンダー議員の上川あや区議も上位で6選を決めた。
漫才師「青空球児好児」の青空好児区議も6選目。共にすっかりベテラン議員になった。
老舗地域政党「世田谷行革110番」の大庭正明区議が10選を決めた。
同党は2008年に都議会の議席を失ったが、区議会の議席は維持している。最下位当選だったが、次点の三井美穂子区議とはわずか1票差の薄氷の勝利だった。
上位で当選した立憲民主党のオルズグル候補は在日ウズベキスタン人。本名は「ババホジャエヴァ・オルズグル」。2007年に来日し、後に日本国籍を取得している。
無所属のサルサ岩渕候補は元プロボクサー。「サルサ岩渕」というのはリングネームである。「完全無所属」を謳っているが、2021年都議選の際は「平和の党」からの出馬だった。長井秀和・西東京市議の応援も受けたが落選している。
旧NHK党からは現職の栗原博之区議がNHK党から出馬。
また、元自衛官で、在官中にAVに出演して問題となった26歳の吉川蓮民候補が政治家女子48党から出馬したが共に落選。両者の票を併せても当選には届かない惨敗だった。
無所属の三浦静加候補はアパレルブランドの「セーラーズ」の社長。
会派は次の通り。
議長には自民党の荻野健司区議、副議長には公明党の平塚敬二区議を選出。
◆渋谷区長選挙
現職の長谷部健区長に3人の新人が挑む。
鈴木哲司候補は自民党区総支部が支援。
吉田佳代子・元区議は野党系で立憲民主党推薦、れいわ新選組支持。地元選出の長妻昭・元厚労相も応援する。
菅原深雪・日本第一党候補は昨年の参院東京選挙区にも立候補していた。今回の党名は「旧統一教会と戦う日本第一党」となっている。
長谷部区長はこれまで一貫して政党の推薦を受けず当選を重ねてきた。今回も野党系、与党系の候補を大差で下し3選を決めている。投票率は42.34%で、前回の39.95%を上回った。
◆渋谷区議会議員選挙
定数34に62人が立候補。
投票率は42.35%で、前回の39.96%を上回った。
政党別の当選者数は次の通り。
自民党は7人もの落選者を出したものの、7議席で第1勢力を維持した。
立憲民主党は1議席増。
公明党は前回と同じ。
共産党が1議席減となった。
維新の会が議席0から3議席獲得の躍進。
国民民主党、都民ファーストの会、参政党も議席を獲得した。
れいわ新選組は吉田あつみ候補は次点で落選。都内でれいわの候補が落選するのは渋谷区が唯一だった。
トップ当選は橋本佑樹区議。東大卒の元アイドル「仮面女子」メンバー。4年前はあたらしい党の公認で当選していたが、今回は離党して臨んでいた。
渋谷区では諸派の候補が多く立候補していたが、当選したのは「渋谷オンブズマン」の堀切稔仁区議のみであった。
NHKから国民を守る党を離党して「町田市でイジメを隠した五十嵐教育長を辞めさせる党」を立ち上げた金子快之区議は前回よりも千票近く票を減らす惨敗。議席を守ることができなかった。
それにしても、党名がなんともピンポイント。
日本自治員会の平松健詩議長も同様に五十嵐教育長解任を目指すことを公約としているのだが、渋谷区ではこのことがそこまで大きな争点となっているのだろうか。
NHK党は参院東京選挙区で立候補したこともある猪野恵司候補を擁立。
政治家女子48党は現役地下アイドルの25歳の金子明里候補を擁立していたが共に500票に届かない惨敗ぶりだった。
先日亡くなった大川隆法・幸福の科学総裁の長男・宏洋候補が、「カルト宗教から国民を守る党」を立ち上げて立候補。幸福の科学を脱退しており、幸福の科学はじめ創価学会、統一教会といった“カルト宗教”への批判を行なっていた。創価学会を脱退した長井秀和・西東京市議も応援していた。
長井市議は、無所属の込山洋候補も応援していた。込山候補はマック赤坂・前港区議の弟子で、以前はスマイル党公認で出馬したこともある。
込山候補は、投票日の投票締め切り直後に自身が「当選確実」であるというツイートをあげて失笑を買っていた。まだ開票すら始まっていないというのに…。もちろん結果は落選であった。
込山候補は選挙後に「渋谷をスマイルにする会」を立ち上げた。
無所属の佐藤リッキー候補はデザイナーでYouTuber「どうもリッキーさん」。意外と健闘して次々点と、当選まであと一歩だった。
「はだしのテディ」候補は毎朝、恵比寿駅前を裸足で清掃する活動をしているのだとか…。ところで肩書きの「執事」って何?
高瀬敦也候補は「渋谷区ブランド」を活用したIP(知的財産)を開発するというのが公約。
小笠原真吾候補はワインバル「Rough」のオーナー。
金髪ピアスのルックスにインパクトがある。
会派は次の通りとなった。
議長には自民党の丸山高司区議、副議長には立憲民主党の治田学区議を選出した。
◆中野区議会議員選挙
定数42に60人が立候補。投票率は42.0%で前回の40.46%を上回った。
自民党、立憲民主党、公明党の3党が8議席で並ぶ。今後、どこが第1会派となるかの駆け引きがみられるのだろう。
都民ファーストの会も1議席増やして3議席。
一方、共産党は1議席減。かつて都議選に出たこともある浦野智美区議は3位と上位当選。
維新の会は初めて議席を獲得。斉藤慶太候補がトップ当選を決めた。
れいわ新選組は議席を獲得したが、参政党は次点に終わった。
また、4年前議席を失った生活者ネットワークは細野かよ子・前区議が返り咲きに成功した。
諸派では「育児支援と防災緑地と平らな歩道の中野を創る会」の吉田康一郎区議が議席を守る。民主党都議を2期務めた後、日本維新の会や次世代の党で総選挙に出馬するも落選。2019年、「育児支援と防災緑地と平らな歩道の中野」公認で区議選に初当選している。
旧NHK党は現職の竹村明広区議がいたが、下位で惨敗に終わった。政治家女子48党の高野愛候補も落選だった。
「庶民と動物の会の」市川浩司候補は都知事選に出馬したこともある。
「新党日本のこころ」の沢口祐司候補。「新党日本のこころ」は2021年総選挙の際に、「子ども・若者への遺伝子ワクチン中止」を訴えて結成。
2018年まで存在した政党「日本のこころ」と直接関係はないようだが、ロゴを似せるなど意識しているようだ。
田中公明候補は、YouTuber「キミアキ先生」として活動。ハンドルネームでの立候補が認められなかったらしい。
中野区議選では若い女性候補者が目立った。そんな中、都民ファーストの会の34歳の黒沢ゆか候補が2位当選している。
他にも31歳の自民党・鳥居瑞生候補。政治家とは思えないルックスだ。
34歳の渋沢一葉候補はグラビアアイドル。「渋沢」栄一と樋口「一葉」というなんともお札みたいでありがたい名前。
28歳の政治家女子48党・高野愛候補も含めて、港区同様「キャバクラ状態」と揶揄されたが、ことごとく落選している。
会派は次の通りとなった。
立憲民主党、国民民主党、生活者ネットワークと、野党系の議員が大同した会派が最大勢力となった。
議長は立憲民主党の酒井琢也区議、副議長は公明党の木村広一区議が選出された。
木村副議長は創価大学卒業後、アフリカ・ガーナ留学の経験があるそうだ。
◆杉並区議会議員選挙
定数48に69人が立候補。投票率は43.66%で、前回の39.47%を上回った。
政党別当選者数は次の通り。
杉並区は大きく動いた選挙区だと言える。地方議員では強いと言われる現職議員が12人も落選している。中でも自民党は現職7人が落選。前回よりも6議席も減らす惨敗を喫したのである。
公明党も現職の北明範区議が落選している。
新人候補の当選は15人。そして「性別非公表」としているれいわ新選組の山名奏子候補を除き、女性候補24人が当選したのである。
杉並区では、2021年の総選挙で自民党の石原伸晃・元幹事長、昨年の区長選で3期務めた田中良区長が落選していたが、相変わらず「変化の風」が吹いたのだと言える。
トップ当選したのは立憲民主党の安田真理候補安田真理候補。他にも上位に女性候補の姿が目立つ。
2位は都民ファーストの会の茜ケ久保舞候補だった。「茜ケ久保(あかねがくぼ)」という珍しい苗字は、同じ杉並区を地盤とする都民ファーストの会の茜ケ久保嘉代子都議と同じ。なんでも、嘉代子都議と舞候補は義理の姉妹との事。共に夫の苗字であるため、夫同士が兄弟なのだろう。茜ケ久保都議も応援していたようだ。
緑の党グリーンズジャパンのブランシャー明日香候補が当選。同党は今回、小平市の橋本久雄市議が落選。江東区の中村雅子市議、国立市の重松朋宏市議が不出であったため、ブランシャー候補は唯一の当選者だったことになる。(他に小金井市、立川市に現職がいる。)ちなみに「ブランシャー」という苗字はフランス人の夫のものとのこと。善福寺にプラスチックをなるべく使わないなど環境に配慮したカフェ「カワセミピプレット」を営業している。
NHK党は梶谷秀一候補を擁立するも惨敗。
4年前「NHKから国民を守る党」で当選した後離党した佐々木千夏区議はそれよりも少ない得票だった。佐々木区議はもともと極右的な主張が強かったが、選挙後に参政党に入党を発表している。
その参政党は横田政直・元区議が返り咲き。横田元区議はみんなの党で区議を2期務めている。解党後は、「日本を元気にする会」、政治団体「みんなの党」で2度落選している。8年ぶりの区政復帰となった。
杉並区は左翼陣営も強い。「都政を革新する会」の洞口朋子区議が再選。同党は左翼系過激派「中核派」を母体としている。1967年に長谷川英憲・杉並区議によって設立され、1989年には長谷川代表が都議会議員にも当選している。長谷川代表の後継として杉並区議会で結柴誠一区議と新城節子区議が当選するも、共に離党している。都政を革新する会は2007年以降、区議会で当選者を出すことは出来なかったが、前回30歳の洞口朋子候補が当選し、議席を回復することが出来ていた。
都政を革新する会を離党した結柴区議と新城区議は会派「無所属区民派」を結成していたが、共に今回は不出馬で引退。後任に小林華弥子・元由布市議を立てたが、わずか8票差で落選。昨年の区議補選に続く落選となった。
昨年の区長選にも出馬した田中裕太郎・元区議が返り咲きに成功した。
区議補選で当選した逸見純一・自民党区議も再選している。
その他、区議補選に立候補した候補者では、倉本美香候補、 松本浩一・立憲民主党候補、宇田川祐治・都民ファーストの会候補、鈴木千鶴・維新の会候補が初当選。補選への立候補が知名度をあげる効果となっていたようだ。
唯一、佐々木浩・元区議のみが返り咲きに失敗した。佐々木元区議は山田宏・元区長の側近で、日本創新党の設立にも参加している。2014年には区長選にも出馬したが、当時の田中良区長に破れた。
木梨盛洋区議も2018年の区議選に出馬経験がある。とんねるずの木梨憲武とは従兄弟にあたる。
渡辺由起子・自治市民候補。社民党と新社会党推薦。「自治市民」が公認しているが、ポスターには「無所属」とある。
久水勝人・みんなでつくろう楽しい杉並代表。シングルファーザーだとのこと。
城戸譲・たぶん無所属候補。無所属ではあるが、完全な「中立」は困難であるため、「たぶん中立で無所属」くらいの謙虚さでということでつけられた政治団体とのこと。
南俊輔候補。2018年区長選にも出馬している。愛国保守のお手軽感あふれるポスター。今回、断トツの最下位だった。
会派は次の通りとなった。
杉並区では田中良区政への賛否を巡って、自民党が「杉並区議団自由民主党」と「自由民主党杉並区議団」に分裂していたが、大量落選をきっかけに再び統一会派が結成されていた。しかし議長選出に際しても波乱が起きたのである。
自民党は、議長を浅井邦夫区議とすることを決めていた。ところが、蓋を開けてみると議長に当選したのは自民党の井口かづ子区議であった。
どうやら、共産党や立憲民主党の議員が井口区議を推した結果だったようである。そのこともあり、自民党区議団の内部協議が紛糾。副議長人事が3日後まで行なわれない事態となってしまった。
その後、副議長には公明党の渡辺富士男区議が選ばれた。井口区議は自民党会派を離脱し、1人会派「無所属杉並」を結成している。区長選、総選挙、そして今回の区議選と、常に波乱の起きる杉並区。これからも一層注目していきたい。
◆豊島区長選挙
6期務めた高野之夫区長が2月9日に85歳で急逝。新人4人の争いとなった。
高野前区長に後継指名されていたのは高際みゆき・元副区長。自民党、公明党に加え都民ファーストの会が推薦する。
野党は神沢和敬候補を擁立。元朝日新聞記者で、選挙サイト「ザ・選挙」を運営。
永野裕子候補は民主党から国民民主党で区議を5期務める。2児の母で、「母として立つ」とのこと。
鈴木和夫候補は前回に続き2度目の区長選出馬。前回は6,601票を獲得している。
投票率は46.57%で、前回の42.17%を上回った。高際候補が初当選し、豊島区も初の女性区長の誕生となった。
◆豊島区議会議員選挙
定数36に56人が立候補。投票率は46.58%で、前回の42.18%を上回った。
政党別の当選者数は次の通り。
自民党が前回より2議席を減らす。立憲民主党が2議席増やしたが、共産党も1議席増やしている。
都民ファーストの会は2議席減らしたが、4議席というのは都内最多。さすがは、小池百合子・都知事の地元である。今回都民ファーストの会は8人の候補者を立てていたのだが、ただ、落選した候補者の中には、500票に満たない票しかあげられない候補者がいたりと、質的にはやや難があったように感じられる。
橋本久美・元区議もそんな1人かもしれない。2011年にみんなの党で豊島区議に初当選も、翌年日本未来の党から総選挙に出馬し辞任(落選)。その後も希望の党から総選挙に出たり、維新政党・新風で参院選(京都選挙区)に出たりと、政党や選挙区を次々と代えていた。ようやく都民ファーストの会にたどり着くも落選に終わっている。
日本維新の会が2議席。
れいわ新選組も議席を獲得したが、参政党は届かなかった。
コスプレーヤーとしても活躍するは、4年前は「あたらしい党」公認で当選したが、今回は党籍は残したまま無所属での再選となった。
4年前、NHKから国民を守る党は沓沢亮治・前区議を当選させたが、その後離党。日本改革党を立ち上げ、参院選出馬のために辞職した。その沓沢代表の後任として斎藤俊彦候補が立ったが及ばなかった。
NHK党は堀川圭輔候補を擁立。政治家女子48党は金沢祥子候補を立てたが共に落選。
池袋駅前で見かけた金沢候補のポスターは横になって貼られていた。
話題の候補としては、へずまりゅう(原田将大)候補。言わずと知れた元迷惑系YouTuber。2020年に、スーパーで会計前の刺身の切り身を食べながらレジに到着する動画を公開したことで窃盗罪で逮捕され、懲役1年6月、執行猶予4年の判決を言い渡される。2021年にNHK党から参院山口補選に立候補して惨敗した。
ポスターには「高齢者に厳しい社会へ」「若者が活躍できる豊島区へ」とあるが、これを見る限りまったく反省していないようだ。選挙公報も嘗めてるとしか思えない。
今回も落選したらSNSを引退すると表明していたが、まったくお話にならず下から3番目の得票に終わった。
しかしながら、「選挙には負けたけどSNSでは勝った」と謎の勝利宣言で引退を撤回している。
その他、気になった候補には長谷川圭候補がいた。
公約が「路上喫煙ゼロへ」。ぜひとも新宿区の自由ニコチン同盟の五十嵐順一郎候補と対戦してい貰いたいものだが、へずまりゅう以下の得票に終わった。
大塚駅で下車したところ、駅前で有里真穂・元区議の街宣を見かけた。
青年海外協力隊員としてフィジーに赴任。その後自衛官としても働いている。区議2期目途中で辞職して自民党公認で参院比例区に出馬するも落選。
また、都電荒川線の駅構内で遊説中の古坊知生区議とすれ違った。豊島区を地盤としていた小林興起・元代議士の元秘書。キャッチフレーズは「豊島刷新!」。
今回会えた候補者は2名だけだったが、共に当選を果たしている。
会派は次の通りとなった。
議長は自民党の池田裕一、副議長は公明党の西山陽介を選出。
◆北区長選挙
全国の首長で最高齢の88歳ながら6選を狙う現職・花川與惣太区長に新人3人が挑んだ。高齢と多選が争点になるが、対立候補も分裂。
山田加奈子・元自民党都議。
野党系の橋本弥寿子候補。
駒崎美紀・元北区議は4年前は「あたらしい党」公認で北区議会トップ当選しているがその後離党。4年前はあたらしい党の音喜多駿代表が区長選で花川区長に惜敗している。
また、当初は元光GENJIの大沢樹生氏が東京新党16公認で出馬の予定であったが、公示直前に立候補を断念した。大沢氏は現職の花川與惣太区長と政策協定を結び支援することとなったのだが、これには正直がっかりだった。大沢氏というと元アイドルで政治色は薄い。そのため従来の政治家には無い新しい風を期待した人も多かっただろう。それが花川区長という、ある意味いちばん古いタイプの政治家に乗っかったのだから、期待外れもいいところ。東京新党16の候補も区議選で振るわなかった。
投票率は51.61%で、前回の51.74%をわずかに下回った。当選したのは山田加奈子都議。花川区長には3番手の得票に終わった。だった。現職区長の落選は区長公選制が復活した1975年から6例目という珍しい事態である。
◆北区議会議員選挙
定数40に55人が立候補。投票率は51.61%で、前回の51.74%をわずかに下回った。
政党別の当選者数は次の通り。
自民党が11議席で最大勢力を維持。
公明党も10人全員が当選した。
共産党が2議席減らし、その分維新の会が2議席を増やしている。
れいわ新選組も初の議席を獲得した。
社民党の佐藤有恒区議が引退。後任を擁立することができず、社民党は北区での議席を失った。
その一方で、新社会党の福田光一区議が当選。新社会党の都内唯一の議席を守っている。
4年前、あたらしい党公認で当選した駒崎美紀・前区議はその後離党。今回は北区長選に出馬のため不出馬となった。
NHKから国民を守る党で当選した光木慎太郎区議は、その後離党して国民民主党に移籍。今回は不出馬となっている。代わりに立候補したNHK党の石田みやび候補は、4年前の光木区議の得票より1000票近く減らす惨敗であった。
2022年に結成された地域政党「東京新党16」は今回4人の候補者を擁立していた。当初は北区長選にも元光GENJIの大沢樹生氏を擁立する予定であったが、公示直前に立候補を断念し花川與惣太区長の支援に回った。このことも逆風になったのか、4人全員が下位で落選している。初挑戦の選挙に複数候補者を立てるという戦略も不可解ではあったが、4人全員の票を足しても当選圏には届いていなかった。東京新党16は、豊島区と多摩市でも推薦候補が落選している。今後は国政選挙も視野に入れているというが、見通しは決して明るくない。
会派は次の通りとなった。
議長に自民党の大沢敬区議、副議長に公明党の稲垣浩区議を選出した。
◆荒川区議会議員選挙
定数32に44人が立候補。投票率は44.57%で、前回の44.00%をわずかに上回った。
政党別の当選者数は次の通り。
自民党と共産党が1議席減らし、立憲民主党が1議席増やした。前回は候補者を立てなかった都民ファーストの会が2議席を獲得している。
トップ当選は共産党の相馬優子区議。共産党の候補がトップ当選というのは都内では荒川区と東大和市のみ。23区では唯一となる。
4年前はNHKから国民を守る党で当選し、現在は地域政党「政治家女子48党」の党首を務める夏目亜季区議は今回は「次世代あらかわ」の公認で当選した。政治家女子48党の党首であることはポスターには申し訳程度に書いてあるだけ。
どうやら旧NHK党色を消す戦略を取っている模様。その甲斐あってか、4年前の1,467票を上回る得票で再選した。都内の旧NHK党の候補者で当選したのは、夏目区議が唯一となった。
あたらしい党の宮本舜馬区議も再選。宮本区議は現在、党の幹事長を務めている。
山本剛候補は、かつては「減税とうきょう」で区議補選や都議選に出馬経験があるが、今回は無所属で初当選となった。
小坂英二区議は、6回目の当選。2012年に鈴木章浩都議らと尖閣諸島に上陸して騒動となった。2010年に、山田宏・元杉並区長らの結成した「日本創新党」に参加。2012年に日本維新の会に合流の為解党した後も、1人会派「日本創新党」を名乗っている。
情報公開民主党の前田真司候補は、2005年総選挙に東京14区から立候補の経験もある。複数の種類のポスターを使用しているようなのだが、私が見たものは20年ほどお世話になっている酒屋の店主とのツーショット写真であった。
人民庶民党の高橋勝男候補は文字だけのポスター。現在80歳だが、「青春真っ只中」なのだそうだ。
会派は次の通りとなった。
議長は自民党の町田高区議、副議長は公明党の菊池秀信区議を選出。
自民党と共産党が2議席減らし、立憲民主党と日本維新の会が2議席増やしている。
参政党も新たに議席を獲得した。
トップ当選は28歳の岩永季倫・立憲民主党候補。名前は「きりん」と読むが、本名とのこと。宮瀬英治都議の秘書を経験している。
4年前はNHKから国民を守る党の近藤秀人区議が初当選したが、今回は不出馬だった。今後は地元の大阪府摂津市から選挙に出ることのことである。
代わってNHK党から立候補したのは斉藤忠行候補。かつて北海道から総選挙や参院選に出馬している。政治家女子48党は32歳のアパレルデザイナー・松浦華子候補。共倒れとなったが、両者の票を足せば当選ラインに届いていた。
参院東京選挙区に出馬経験のある核融合党の桑島康文候補も立候補していた。
会派は次の通り。
議長は自民党の田中康智区議、副議長は公明党の柴佳代子区議を選出した。
◆板橋区長選挙
投票率は44.18%で、前回の43.95%を上回った。現職の坂本健区長が大差で5選を決めている。
区議を2期務めた南雲由子・元区議、共産党推薦の佐久博美候補は及ばなかった。
◆板橋区議会議員選挙
定数46に66人が立候補。投票率は44.19%で、前回の43.96%を超えた。
政党別の当選者数は次の通り。
自民党と共産党が2議席減らし、立憲民主党と日本維新の会が2議席増やしている。
参政党も新たに議席を獲得した。
トップ当選は28歳の岩永季倫・立憲民主党候補。名前は「きりん」と読むが、本名とのこと。宮瀬英治都議の秘書を経験している。
4年前はNHKから国民を守る党の近藤秀人区議が初当選したが、今回は不出馬だった。今後は地元の大阪府摂津市から選挙に出ることのことである。代わってNHK党から立候補したのは斉藤忠行候補。かつて北海道から総選挙や参院選に出馬している。政治家女子48党は32歳のアパレルデザイナー松浦華子候補。共倒れとなったが、両者の票を足せば当選ラインに届いていた。
参院東京選挙区に出馬経験のある核融合党の桑島康文候補も立候補していた。
会派は次の通り。
議長は自民党の田中康智区議、副議長は公明党の柴佳代子区議を選出した。
◆練馬区議会議員選挙
定数50に72人が立候補。投票率は43.20%で前回の41.65%を上回った。
政党別の当選者数は次の通り。
自民党、公明党、共産党がいずれも2議席を減らした。
中でも公明党は11人の候補を立てて現職4人が落選している。公明党がここまで大量に落選するというのは前代未聞の事態である。
当選ラインは2,947票であったが、公明党はその前後200票以内に候補者9人が並ぶ。ここまで票を均等に分けることが出来る公明党には、驚きを通り越して恐ろしさすら感じる。もっとも、裏返せば浮動票はほとんど入っていないということでもあるのだが…。
公明党の候補者11人の合計得票は34,913票なので、均等に割れば3,173票で全員当選させることは可能だった。あるいは1人を犠牲にして残り10人の当選を狙うことも十分に出来ただろう。ひょっとしたら公明党側は当選ラインの読みを外してしまっていたのかもしれない。
トップ当選したのは国民民主党の石黒達男区議だった。
れいわ新選組と参政党も初めて議席を獲得している。
立憲民主党で再選した渡辺照子区議は、もともとはれいわ新選組の出身。2019年参院選比例区に出馬した際は「れいわ新選組の最終兵器」とも称された。
諸派では「つながる市民・練馬」の池尻成二・元区議が返り咲いた。2021年都議選出馬のため区議を辞任したが落選しついる。池尻元区議は4年前は「市民の声ねりま」で当選し代表を務めていたが、都議選出馬の際に離党している。
「市民の声ねりま」には他にも高口陽子区議、岩瀬剛史区議が共同代表として加わっていた。しかし、池尻元区議離党後に相次いで共同代表を辞任。
「市民の声ねりま」も最終的には解散することとなった。
4年前はNHKから国民を守る党の松田亘区議が当選していたが、今回は不出馬。代わりに松田亘区議の妻の美樹・元新宿区議がNHK党から立候補した。松田美樹・元新宿区議は、4年前に当選したものの、その後居住実態がないということで、当選取り消しとなっていた。
とある人によると、松田候補は練馬区内の豪邸に住んでいるらしい。もともと亘区議と共に練馬区に住んでいたのであろう。
練馬区では政治家女子48党の候補者は立てず、必勝態勢で臨んだものと思われる。しかし、当選には届かなかった。
変わり種候補では、練馬大好き会のシャドウ候補。公務員優勢制度の廃止を訴えている。
アズディ候補。キャッチフレーズは「お前はもう入れている(投票)」。こんな絵を使っているからてっきり格闘家なのかと思ったら、歌手として活動しているのだとか。
アズディ候補はその後、ポスターをデザインした人との間にトラブルが発生したという。デザイナーは当初5万円で引き受けたものの、選挙後にアズディ候補から落選したからとの理由で2万円に値引きされたというのである。
こうした了見ではとてもではないが当選することは出来ないだろう。
改めて政策を見てみたのだが、「滞納している給食費をチャラに」「学校のブラック校則を排除」「子どもの宿題を少なくするもしくは無くす」、LGBT 問題に関しては「混浴のお風呂を増やす」など真面目なのかふざけているのかわからないような公約が並んでいた。
今後は、「オリジナルカラー党」を設立して総選挙に挑戦したいとのことである。
追伸:アズディ候補によるとデザイン料の支払いは既に終了しているとのことである。
ぼくゆう候補は大道芸人。ローラーボーラー&ジャグリングの連続時間でギネス世界記録認定とのこと。
岩川仁士候補は社会民主進歩党推薦。生まれつき弱視の介護専門支援員とのこと。
いかにもコピー機で作ったようなポスターにインパクトがある荒井泉候補。「非核都市練馬区宣言の看板を撤去」「北朝鮮ミサイル発射阻止のために喫煙所を撤去」などの政策が光る。
こうした候補者は誰一人当選出来なかった。
会派は次の通りとなった。
議長には自民党の田中祥介区議、副議長は公明党の酒井妙子区議を選出。
◆江戸川区長選挙
現職の斉藤猛区長が大差で再選。投票率は42.24%と、前回の42.37%を下回った。対立候補が共産党単独では勝負にならない。
◆江戸川区議会議員選挙
定数44に56人が立候補。投票率は42.25%で、前回の42.40%を下回った。
政党別の当選者数は次の通り。
自民党が前回より3議席を下回り、第1党で公明党と並ぶ結果となった。主要政党は前回と同じ。自民党の減らした議席を、維新、れいわ、参政党が上積みする結果となっている。
維新の会の女性候補が1位と2位を独占したが、トップ当選の丸山玲子候補は御年70歳。中津川博郷・元代議士の秘書を務めていたという。
公明党と共産党は立候補した候補者全員当選と、堅実な戦いを見せた。
旧NHK党では、NHK党の田中健・元区議、政治家女子48党の藤田ほのか候補は共に落選したが、両者の票を足せば当選ラインに達していた。4年前にもNHKから国民を守る党の候補者が落選しているが、4年前特別区で候補者を立てて落選したのは千代田区、港区と共に江戸川区だけであった。田中元区議は4年前は無所属で出馬して落選。その後参院選や総選挙に出馬するなどNHK党のエース級として活躍するも悉く落選。今回は、4年前の2,288票よりも800票以上減らしている。NHK党の名前が減票に繋がったとも考えられる。その後、田中元区議は維新の会の公募説明会に参加するなど、維新への接近を計っているとのことだ。
最下位は目覚めよ日本党の鈴木啓泰候補。目覚めよ日本党は、押越清悦代表が率いる政治団体だが、今回代表自身が立候補する八王子市と江戸川区に候補者を立てていた。
会派は次の通り。
議長は自民党の藤澤進一区議、副議長は公明党の窪田隆一区議を選出した。
◆おわりに
統一地方選挙から1ヶ月以上経ってしまったが、都内の選挙の都区部の選挙の結果をようやく振り返ることが出来た。ここまで時間がかかってしまったのは、あまひにも多彩な候補者が多く、話題が尽きなかったからである。選挙期間中に会って話をしておきたかったと思う候補者も大勢いる。
統一地方選は終わったが、次の選挙はもう始まっている。4年後の選挙に捲土重来を期する者。あるいは来年の都知事選、近いとされている総選挙に向けて動いている者。当選した区長や区議たちも、安穏とはしていられない。仕事ぶりは有権者に見られているのだから、しっかりと地域のために働いてもらいたい。この記事がなんらかの役に立てば幸いである。
引き続き、市町村長選挙、市町村議会議員選挙の結果を見ていくことにしたい。