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【空想仕事調書:CASE3】連絡分離士

ーどのようなお仕事なんですか?

基本的には連絡手段の分離とその促進、統一の阻止が業務となります。

ーいつ頃から生まれた職業なんでしょう?

インターネットが一般的になり、みんながパソコンを持ち始めた90年代末あたりでしょうか。メールアドレスとともに生まれたとも言われています。

ー昔はなかった職業なんですね

そう聞いています。電話か手紙かFAXくらいでしたから。もちろん、電報や駅の掲示板、伝書鳩、狼煙などなど、挙げればキリがないくらい細かい連絡手段はあるんですが、主な手段は現在と比べると少なかったですね。

ー活動は順調ですか?

メールに加えて、SNSでのチャットやメッセージ、タイムライン、DM、スレッドなどなど、色々なレイヤーで、色々なプロトコルで連絡手段は多様化しています。とても順調だと思います。

ー統一の動きはないのでしょうか?

もちろんあるにはあるんですが、その度に競合会社に投資を入れて別のツールを開発しているので、結果的には市場が活性化して、多様なツールが生まれていますね。

ー最終的な目標は?

やはり、ひとりひとりにカスタムされた連絡手段を各自が持つことでしょうか。それも複数。それが理想的な形です。そこに到達するにはまだまだ険しい道のりだと思いますが。

ー統一した方が便利じゃないですか?

そりゃそうですよ。便利か便利でないかでいうとね。でも、そういうことじゃないんです。自由と権利の問題です。

ーなるほど。本日はありがとうございました。原稿はメールでお送りいたします。

いや、FAXにして頂けますか?

ありがとう!Thank You!谢谢!Gracias!Merci!Teşekkürler!Asante!Kiitos!Obrigado!Grazie!Þakka þér fyrir!