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推しが武道館に行ってくれたら死ぬオタクは推しがコンカフェで露出しても死ぬ

日本には四季があり、春が過ぎれば当然次に夏が来ます。夏になると街には肌の露出の多い女性も増え、我々オタク男性にとっては目にやり場に困る事もしばしばです。「いい年した大人が嘘でしょ?」と思われるかも知れませんが、オタクとはそういう生き物なのです。いつまで経っても女性に慣れない。まともに話せるのは地下アイドルとコンカフェキャストだけというオタク達も多いはずです。そうでしょ?強がっていないで正直になってください!今回はそんな『女性の露出に耐性のないオタク達』の心理につけ込んだコンカフェのお話です。

この記事のキーワードは、
【コンカフェ】【大阪での話】
【18歳未満のキャスト】【露出】
【青少年健全育成条例】【有害役務営業】


コンカフェと大阪府青少年健全育成条例

コンカフェでは毎月必ず何かしらのイベントが行われており、大体がその開催時の季節に関連した内容となります。例えば6月ならジューンブライド、冬ならクリスマスなどといった感じです。内容としては、通常営業とは違ったメニューと特別な衣装が用意されます。当然訪れる季節はどこの店も同じなので、どのコンカフェでも似通った内容のイベントが開催されているのが現状です。


・過度な露出

そうなるとやはり、中には他店との差別化を図る為に過激な内容に走ってしまう店も現れてきます。夏に『海の家イベント』と称してキャストに水着を着させたり、秋に『お月見イベント』と称してバニーガールの衣装を着させたりといったように。今では季節イベントに限定されず、生誕や周年などでも多用される『集客のカード』として利用されているのです。


・青少年の定義

話は少し飛びますが、まず『青少年』という言葉の定義を皆さんは御存知でしょうか?実は各種法令や自治体によって微妙に違うのですが、概ね男女共に『18才未満の未婚者』というのが一般的な認識であり、ここ大阪府に於いてもその通りとなります。

補足すると『満18才の高校生』は青少年ではありませんが、社会的にはアンタッチャブルな扱いとされ、満18才の成年であっても、高校生である限り性風俗店などで採用される事はありません。採用した事業者は職業安定法や風営法を絡めて闇に葬り去られる事になるでしょう。ただ不思議な事に『満18才のフリーター』であれば問題ないという謎ルールもあります。何が何やら分かりませんが、性風俗店が「現役世代」とか「中退したて」などというキラーフレーズを使えるのはこの為です。

あと、少年と付く言葉ですが、少女も含まれた『男女』という意味合いの概念なので注意が必要です。

現在大阪のコンカフェには多くの高校生が働いています。青少年を労働者として使用する場合に気を付けなければいけないのが『青少年健全育成条例』です。これは青少年を守る為に定められた法令であり、事業者はこれを遵守しなけれなりません。今回のメインテーマは彼女達『青少年』についてです。


・青少年の露出に関して

平成30年7月1日に施行された『大阪府青少年健全育成条例の一部改正』により、新たに『有害役務営業』という言葉が定義されました。

【店舗型有害役務営業(第3条第8号】
客の性的好奇心をそそるおそれがあって、次のいずれかに掲げる営業

イ 店舗において専ら異性の客に接触し、又は接触させる役務を提供する営業(いわゆるリフレ)

ロ 店舗において専ら客に異性の姿態を見せる役務を提供する営業(いわゆる撮影・見学・作業所)

ハ 店舗において専ら異性の客に、営業に従事する者との会話の機会を提供し、又は営業に従事する者と遊興をさせる営業(いわゆるコミュニケーション)

ニ 店舗を設け、営業に従事する者を専ら異性の客に同伴させる営業(いわゆる散歩)

ホ 喫茶店、バーその他設備を設けて客に飲食をさせる営業のうち、客に接する業務に従事する者に、水着、下着その他肌の露出部分が著しく大きい服装をさせ、又は着衣内の下着を客が見ることができるような姿態をさせるもの(いわゆる喫茶、ガールズ居酒屋、ガールズバー)

大阪府青少年健全育成条例より

喫茶店、バーその他設備を設けて客に飲食をさせる営業のうち、客に接する業務に従事する者に、水着、下着その他肌の露出部分が著しく大きい服装をさせ、又は着衣内の下着を客が見ることができるような姿態をさせるもの(いわゆる喫茶、ガールズ居酒屋、ガールズバー)

喫茶というのは軽飲食店のひとつでありカフェなどが含まれます。そしてメイド喫茶を代表例とするコンカフェ全般はこのカテゴリーに属する事になります。つまり、上記に当て嵌まる内容の営業をしているコンカフェがあった場合、労働する者の中に青少年が含まれているかどうかに関わらず、その事業者は『有害役務営業を営む者』という扱いになり、以下の行為が禁止となります。

・青少年を「有害役務営業」において客に接する業務に従事させること(第26条第1項第1号・第26条第2項第1号)
【6月以下の懲役又は50万円以下の罰金】

・青少年を営業所に客として立ち入らせること(第26条第1項第2号)【6月以下の懲役又は50万円以下の罰金】
無店舗型にあっては、客とすること(第26条第2項第2号)

大阪府青少年健全育成条例より

お分かり頂けましたでしょうか?ダメなんですよ、青少年の過度な露出は。100%例外なくダメなんですよね。例えば「本人がやりたがったのでやらせた。強制ではない。」などのどんな言い訳も通じないんです。問答無用でアウトなんです。「ダメ、絶対!」という訳です。


・有害役務営業における規制、義務

最後に有害役務営業に指定された場合の法的な縛りに関する条文を貼っておきますので、青少年を雇い入れているにも関わらず遵守していない悪質な事業者は震えて眠るといいでしょう。

有害役務営業者義務 条例第26条第3項・第4項、第28条

広告宣伝の際に青少年の立入禁止の明示を義務付け
(第26条第3項) 【罰則なし】

営業所入口に青少年の立入禁止の掲示を義務付け
(第26条第4項) 【罰則なし】

従業者名簿の備付け・保存を義務付け
(第28条第1項、第2項) 【10万円以下の罰金】

・営業所(無店舗型にあっては、事務所又は受付所)ごとに、従業者名簿を備えつけなければならない。
・名簿に記載する事項は、従業員の氏名、住所、生年月日、性別、採用年月日、従事する業務の内容、退職年月日
・名簿は、当該従業員が退職した日から3年間保存しなければならない。

大阪府青少年健全育成条例より

全ての人に対する禁止行為(勧誘行為等) 条例第27条

青少年に対して
●有害役務営業の接客業務に従事するよう勧誘すること
●有害役務営業の客となるよう勧誘すること
●有害役務営業の広告文書等を配布すること
青少年に
●有害役務営業の接客業務に従事するよう勧誘させること
●有害役務営業の客となるよう勧誘させること
●有害役務営業の広告文書等を配布させること
【30万円以下の罰金】

有害役務営業の停止命令等 条例第29条

知事は、有害役務営業者又はその代理人等が第26条第1項・第2項又は第27条の規定に違反する行為をしたときは、有害役務営業者に対し、6月以内で営業停止を命ずることができる。
【命令に違反した場合:1年以下の懲役又は50万円以下の罰金】

知事は、営業停止命令をしたときは、その者の氏名又は名称、住所等を公表することができる。立入調査等 条例第50条・59条・60条知事及び公安委員会は、その指定する職員に営業の場所に立ち入り、調査、質問、資料の提出要求をさせることができる。(第50条)
【拒否、妨害、虚偽答弁等:10万円以下の罰金】

青少年の年齢を知らないことを理由に処罰を免れることができません。(第59条)違反行為者とともにその法人・雇主に対しても同様の罰金刑を適用します。(第60条)

大阪府青少年健全育成条例より

まとめ

・露出のある衣装を着させる店は有害役務営業
・有害役務営業は青少年を使用できない
・有害役務営業は青少年を客にできない
・違反した事業者には罰則が課せられる
・有害役務営業には様々な規制や義務が生じる
・キャストが全員18歳以上でも関係のある話

一時的な売上が欲しいが為に、ただ露出を伴う衣装を使うだけで、ここまで面倒な縛りを受ける事にもなりかねません。安易な考えで営業をしている事業者は、お世辞にも賢明とは言えないでしょう。そもそもモラル的な観点からみてもどうかと思います。筆者個人としてはシンプルに気持ちが悪いです。

あと、これは「キャスト全員が満18才以上なら何も気にしなくていい」という問題ではありません。上記の条文にあるように、『有害役務営業』と認定された店舗へは、青少年の立ち入り自体が出来なくなったり、また従業員名簿の作成と保管義務などいくつかの規制や義務が発生します。

事業者の方々には今一度、自店の営業方針を見直す事をお勧めしますし、コンカフェキャストの方々は今一度、自身の働く店が法令を遵守しているのかどうかを見極めてみる事をお勧めします。もし自分が性的に搾取され利用されている現状があると感じたなら、まずは全てに疑問を持ちましょう。正しいとされている事が本当に正しいのか。無知は罪です。自分を守る術を身に付けてください。

摘発されていないから正しいんじゃないんです。
ただ偶然にも摘発されていないだけなんです。


あとがき

とは言え、男性はみんな露出が好きですよね基本的には。女性に耐性のない我々オタク達なら尚更。実際私も好きですし。でもオタクの中には「推しの露出は嫌だ。不特定多数に性的な目を向けられる事に耐えられない。」といったタイプの人も居たりします。それは推しの神聖化であったり、ガチ恋を拗らせているという理由だったり。それはそれで気持ち悪いと一蹴されたりするのでオタク達は救われない生き物だなとつくづく思います。「全員が望む訳ではないけれど、過半数のオタクは喜ぶ」のが露出という集客のカードです。

ただ対象が青少年となると話が変わってきますよね。客側の心境としても、自身が何か犯罪者であるかのような罪悪感が生まれます。近年ではグラビアアイドルの世界に於いても、青少年の映像作品リリースは禁忌と化しています。雑誌面の掲載は沢山ありますが、なぜか映像作品だけは販売されません。児童ポルノ禁止法の絡みなどもあるようです。間違いなく言えるのは今現在はそういう御時世だという事です。デリケートでナーバスな問題なのです。

個人的には、既存のコンカフェは露出に頼って集客するのではなく、違った方法を模索して欲しいなという思いが強いです。例えば居心地の良さであったり、ちょっとした会話の楽しさなど、そういった事に目が向けられないのは残念です。ここ数年新規にオープンした店の中には、基本の制服からして既に露出度の高い店も多くありますし、そういった要素が最初から選択肢の中に入れられていないのかも知れません。

コンカフェ文化も年々形を変えていくのは仕方のない事なのかも知れませんが、守るべきものは守られ続けて欲しいなと願い続けずにはいられません。古き良き文化を継承しつつ、時代にあった新しいものに進化を遂げて欲しいものです。そうでないと近い将来、その存在自体が無くなってしまうかもしれません。


今回も長くなってしまいました。長い割には特に面白さもありませんが、真剣に書いてしまうとどうしてもこうなってしまいます。ふざけられるのはタイトルと冒頭だけです。誕生日当日にまでこんな文章を書いている自分が心配です。最後まで読んでくれた方には最大の感謝を。

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