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Cheers

と聞くと、個人的にはアメリカのラッパーであるOBIE TRICEが2003年にリリースしたアルバムのタイトルが連想されます。中でも私が好きだったのは『Got Some Teeth』という曲で、くだらないMVが今でもYouTubeで見られますので興味のある人は是非視聴してみてください。

というのはどうでもいい話で、今回テーマはCheers、つまり『乾杯』に関するお話です。


コンカフェがいわゆる一般的なカフェとは違う点として、キャスト自身によるオプション的なサービスの提供があります。『チェキ』『ブロマイド』そして『キャストドリンク』などがそうです。

チェキやブロマイドが物を売るサービスであるのに対し、キャストドリンクは店員の飲食を客が負担するという特殊なサービスです。と言っても、小さな飲食店やBARでは昔からよく見かける光景ではあります。「マスター、一杯奢るから飲んでよ!」などといったセリフは、ドラマなどで見た事がある人も多いんじゃないでしょうか?

キャストドリンク、自ら出すか?ねだられるか?

『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』という映画が大好きでした。アニメ版ではなく実写の方です。岩井俊二監督 & 奥菜恵さん is 青春でしたね…

キャストドリンクの話でした。キャストドリンクが注文されるパターンは主に二通りあります。ひとつは『客自身がキャストに勧めて注文するパターン』と、もうひとつは『キャストから客にお願いして注文してもらうパターン』です。

このパターンの違いは、キャストによって変わるものというよりは店の方針によって左右される性質が強いです。店によっては「ドリンクをこちらからねだる行為はやめてください。」と指導しているところもあれば、逆に「客からは積極的にドリンクを貰ってください。」と指導している店もあります。この辺りの違いは経営者の掲げる営業方針の影響が強く出る為、キャスト自身の意志とは関係のない部分なのかも知れません。

客にとってはどう映るのか?

これもまた受け取り手によって様々ではあるのですが、ここでは「結局のところどういう作法が一番いいのか?」という考察をしていきたいと思います。

私個人の考え方のベースとしては「頼んでも頼まなくてもどちらでもいいもの」という認識です。言い方を変えると「必ずしも頼む必要がある訳ではないもの」です。更に言い方を変えれば「出したくなったら何杯でも出したくなるもの」とも言えます。

大抵の店では、着席後にファーストオーダーの伺いを兼ねてキャストが挨拶に来ます。そこで話が弾んだ場合はファーストオーダーと共にキャストドリンクが注文される事もありますし、予め目当ての女の子が居る場合には、席に来たのがその子であろうとなかろうと、ファーストオーダーと共に注文が入ったりもします。

客にとって特に目当てキャストが居なかったり、或いは初めての来店だった場合だと、ファーストオーダーでキャストドリンクが注文される事は殆どないでしょう。

店での滞在がスタートする時点で既にこのような差が生まれます。これは店のタイプの違いによって変わるものではなく、殆どの店に当て嵌まる共通の流れです。

店のタイプによる違いが現れるのはここからです。

【タイプ①】待つ姿勢を貫く店

キャストからドリンクをねだる事がないお店です。一見良心的にも見えますが、店やキャストによってはキャスドリを出さない客に対してシビアな対応を見せる事も時にはあるでしょう。己の行動ひとつで運命を左右する言わば『試される店』と言えます。

基本的には平等な接客を心掛け、お金を使ってくれた客に対してはそれ相応の対応を見せる。ただ、使わなかった客に対しても対応を疎かにせず、誰しもに満足して帰ってもらいたい、という姿勢の店こそが本当の意味での良心的な店だと言えるでしょう。

損得なく一生懸命話してくれるような子が居たら、自然と積極的にドリンクを出したくなりますよね。受けたサービスにはそれに見合った対価を支払いたくなるものです。そういった客の良心を信じている店にしか出来ない営業スタイルです。

【タイプ②】関係性を築く店

①と違ってキャストからのおねだりがあるお店です。特徴としては、ある程度話し込んだ上で客側からキャストドリンクの申し出が無かった場合にのみ、申し訳無さそうにおねだりをしてくるというタイプの店です。もしあなたがデキるコンカフェ客を演じたければ、然るべきタイミングでキャストから言わせる前にスマートにキャストドリンクを出しましょう。キャストドリンクの注文を促す事には躊躇はないものの、謙虚な姿勢も持ち合わせているこの手のタイプの店は、キャスト個人のスキルの優劣が顕著に現れます。駆け引きを楽しめる余裕のある人には向いていると言えるでしょう。

【タイプ③】いきなりキャスドリ強奪店

『いきなりステーキ〇〇店』みたいな語感になってしまいましたが、こちらもキャストからおねだりがあるお店です。②と違う点は話し込んで関係性を築く前の段階でキャストドリンクをねだってくる所です。嘘かと思われるかもしれませんが、これは実際に存在するパターンです。自己紹介もままならないまま「私も何か貰ってもいいですか?」と食い気味で聞いてきます。気の弱い人なら首を縦に振るしか選択肢はなく、まるでちょっとしたカツアゲのような流れになります。いわゆるガールズバー系の運営が営業するコンカフェに多く見られる傾向です。友達感覚の近い距離感で接したい人に向いています。あとこれは偏見ですが、この手のタイプの店はキャストと繋がれる確率が高いと思われますので、そういう目的の人にもオススメです。

以上の三つのタイプを軸に、各キャスト達の性格や独自の接客方法が相まって、様々な営業スタイルが構築されています。ひたすらゲームをする事で乾杯を誘発する店や、お金を持ってる客をロックオンし他の客を切り捨ててでもその席に張り付くキャストなど、その戦法はキャストの数だけ存在すると言っても過言ではありません。

客の心理としては、

「キャストドリンクを出さないと…(義務感)」
「〇〇ちゃんを支えないと…(使命感)」
「ドリンク出さないと格好悪いかな?」
「出したくないけど嫌われたくないな」
「お願いされたら断れないんだよな」
「ねだられるのは嫌だな」
「ねだられると嬉しいな」
「自分からは言えないからねだられたい」
「必要とされたいし頼られたい」
「推し被りに負けたくないな」
「気に入ったからどんどん出したい」

といった感じで、ネガティブなものもあればポジティブなものもあり、同じ行動に対する反応でも受け取る側の捉え方次第でこんなにも違った感情が生まれます。そこにひとつの大きな正解はなく、正解は客の数だけ無数に存在するという訳です。

「じゃあ結局正解の作法は存在せぇへんの?」

という問いに答えを用意する事は出来ませんが、代わりと言ってはなんですが私が個人的に考える最も無難な攻略方法を紹介したいと思います。


高期待値オタク攻略ルート by k.w.s.k.

【Phase.1】First contact

①ドリンクを自分からはねだらない

・ねだる事により初手で失敗する危険を回避する
・目先の小さな利益より更に未来の大きな利益を
・待っていても貰えなかった場合は以下へ進む

【Phase.2】Second chance

②かと言って早々に見限って無碍に扱わない
③真摯に向き合って話し続けてみる
④共通点を探したり興味を抱ける話を引き出す

・この時点でドリンクを貰えなかったら方向転換

【Phase.3】Revival challenge

⑤好印象を与えたまま違う客の所へ
⑥他席から戻らずにやり過ごす

・この時点でキャストドリンクを使用した引き戻しが無ければ、今日だけでは自分に対して興味を持てなかったか、或いは今日はお金を使いたくない人であると推測できます。ただここで見限るのは時期尚早です。次のフェーズに進みましょう。

【Phase.4】The kiss of life

⑦客が帰る前にもう一度話しにいく
⑧「〇〇さん、またお話しましょうね」と見送る

・大事なポイントは相手の名前を呼ぶ事、そして期待をしている姿勢を見せる事。この二つです。これがあるかないかで全然印象が変わりますし、店舗リピート率が格段に上がります。そして次回来店時にファーストオーダーからキャストドリンクをもらえる確率も高くなるでしょう。

・人は誰しも、名前を覚えてもらう事や必要とされる事に対して好意的な印象を受けずにはいられません。悪く思う人はひとりも居ないはずです。マイナスにならない行動は当然ゼロかプラスにしかならないので、やらない手はない訳です。そこには期待値しかありませんので。

・これで駄目ならもうキャストドリンクは諦めましょう。その客はシンプルにケチです。お手上げです。

以上が私が思う最も無難な『オタク攻略ルート』です。
是非参考にしてみてください。


最後に

私の個人的な意見はというと、どんな店でもどんなキャストでも関係なく、面白いと感じたらドリンクを出すし、感じなかったら出さない。極めてシンプルです。「話してくれたから…」というだけの理由ではあまり出したくないというのが正直な気持ちです。「情や義務感なんかクソっ喰らえ」という結果主義の精神です。普通に断ったり出来るタイプのオタクです。ですので絶対に聞かない事をお勧めします。

厳しいようですが、正直話していて楽しいと思えないキャストにずっと居座られても困りますよね。お金を払う価値のある女の子というのは、特別な女の子である必要があると思っています。その辺に居る何の変哲もない女の子では困る訳です。特別と言っても何も容姿が良いとかそういう意味ではなく、別に普通でもいいので会話を通して魅力的だと思わせてくれさえすればそれで良いんです。

「女の子と話せるんだからそれだけでいいでしょ?」と思ったら大間違いです。

あくまで主導権はこちらにあるべきで、店やキャストの思惑通りにコントロールが出来ると思われたくありません。その方がなぁなぁな関係にならず、緊張感が保てて良いと思っています。お金を払い、何かを得る。これは等価交換を成立させる勝負だという気持ちを持っていて欲しいんです。君達と私は決して友達ではない。これは真剣勝負。つまり戦-IKUSA-なのです。私からドリンクを貰う事で勝利を噛み締めて貰いたいのです。

でもリアルな話をすると、普通に会話をしてたら自然とドリンクを出しますよね。不快にさせられる子なんてそうは居ないです。ごく自然な流れとしてキャストドリンクは出ます。決して難しい話ではありません。ちょっと長々と大袈裟に書き過ぎてしまいました。ごめんなさい。

平民が王様の前で頭を垂れるのと同じように、オタクはかわいい子が前に来たらドリンクを出す。これは自然な事なのです。


ここで質問です。

長々と書いた文章と最後のリアルな話、
私の本音はどっちだと思いますか?

ヤバそうな感じの人を演じたただのマジメな人が、最後にまともな本音を書き記したのか、或いはただのヤバそうな人がカモフラージュを目的に最後にまともなフリをして書いたのか。あなたはどっちだと思いましたか?

(急にサイコパスっぽい終わり方)

それでは今回はこの辺で。

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