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Carry on, there's a meaning to life which someday we may find.

Andre Matosの訃報

6/9の朝。梅雨入りを実感させる曇天になかなか冴えなかった頭を揺さぶったのはAndre Matosの訃報だった。

https://nme-jp.com/news/74117/

つい先日、Avantasiaのブラジル公演へ客演したというニュースが流れていたばかりでまさに晴天の霹靂だ。
享年47歳。心臓発作らしい、ということ以外はわかっていないが、とにかくあまりにも早すぎる。

Andre Matosが辿ったキャリアにはVIPER、SHAMANがありSymphoniaのような単発のものもあり、さらにはAvantasiaの客演など枚挙に暇がない。
だが、なんといってもAngraである。

メタルを軸に越境し続けた男

Andre MatosといえばAngra、そしてAngraといえば多くの人が想起するのはおそらくこの曲、Carry onだろう。
アルバムではUnfinished Alegroから間髪入れず始まるこの曲には多分にクラシックの成分が織り込まれている。
いわゆる「シンフォニックメタル」なるジャンルはメタル側からクラシックへの越境により結実したジャンルだが、この曲はそのはしりであり、かつ頂点である。

Carry Onは1stアルバムに収められているが、同じアルバムにはなんとケイトブッシュの「嵐が丘」のカバーまで収められている。

まずそのキー出るのかよ、というところも驚きだが、メタルの定義には間違いなく収まらないこの曲をカバーしてしまうという大胆さには腰を抜かす。
(日本だと「恋のから騒ぎ」のイメージがあまりに強い曲なので、初聴時は別の意味で腰を抜かしたが)

自分がやりたい強固なビジョンをもとに突き進み、メタルという狭いジャンルの壁を軽々と越境するMatosは2ndアルバムでさらなる境地に達する。
メタルと、ラテンの融合である。

メタルとラテン、物凄く食べ合わせが悪そうである。
実際、あまりのラテンフレーバーに拒否反応を示した人たちも少なからずいたらしい(私は後追いなのでリアルタイムの空気感はわからないが)。
しかしこの曲Carolina IVを始めとして驚異的な融合をみせている。

このあともう一枚アルバムを出しAngraを脱退するわけだが、ソロ時代にはなんと日本の演歌「氷雨」のカバーまで披露している。

あらためてキャリアをふりかえってみると、そのハイトーンはもちろんだが楽曲面における飽くなき挑戦が目立つ。
ビジョナリー・メタルシンガー、それがAndre Matosだ。

It's time to forget the remains from the past

あまりの衝撃につらつらと脈絡なく書き連ねてしまったが、
改めてAndre Matosという偉大なシンガーが作り出した音楽の数々に敬意を表する。

普段の開発に関するエントリーとはまったく関係がなく脱線どころの話しではないが、どうかご容赦いただきたい。

R.I.P. Andre Matos

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