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40歳の転職で得たもの失ったもの


はじめに

これはエンジニア転職 Advent Calendar 2023 5日目の記事です。

今年40歳になった私は、このタイミングで転職することを決断しました。周囲の同世代の人たちと話していると、40歳あたりは転職を考えるタイミングだということに共感してくれる人がたくさんいました。一方で、気にはなっているけど、歳も歳だしチャレンジするのはためらってしまうという方も少なくありません。
この記事では、実際に40歳のタイミングで転職してどうだったのかを書き連ねていきます。転職に興味はあるけど迷っている方の意思決定の参考になれば幸いです。(念のため書いておくと、転職するかしないか、その良し悪しはあなた自身が決めることです。本稿はその意思決定のための情報を提示しますが、転職を推奨するものでもなければ現職に留まることを提案するものでもありません。)

転職で得られたもの

今回の転職で得られたものを列挙してみます。

  • チャレンジしているという実感

  • 成長しているという実感

  • 新しい人間関係

  • フレキシブルな働き方

  • 満足のいく給与(※これは前職でもそうだった)

チャレンジしているという実感

転職しようと思った一番の動機は、自分が一番下手くそになる環境に身をおくこと。これは見事に達成されています。
スクラムフェス大阪でキーノート登壇経験のある椎葉さん、iCAREでCTOをやっていたおぎじゅんさんなど錚々たる顔ぶれが在籍するチームのエンジニアリングマネージャーを担当するというのは実にチャレンジングです。しかもこの二人、ただネームバリューがあるだけじゃなくてバリバリ実践的に成果を出せるんですよね。すごい。お二人以外のメンバーもとても優秀で、一緒に働いていて楽しい方々です。
そんな環境に身をおいているので、毎日最高に楽しいです。

成長しているという実感

現職に就いてから毎日日報を書いているのですが、だんだんとわかっていること、できることが広がっていることをその日報からも実感しています。
うちのチームでは頻繁にモブプロが行われているのでちょくちょくのぞきにいくのですが、そうするとメンバーたちがいいかんじに相談ごとをしてくれたりします。その経験が重なってきて、「こういう依頼がきそうだな」というのがだんだんわかってきました。正統的周辺参加を地で行く成長を実感しています。

新しい人間関係

マネージャー職で入社するということには一抹の不安がありました。マネージャーがアクションするときに必要となるのがポジションパワーとパーソナルパワー。前者は「◯◯マネージャー」というラベルがもたらしてくれますが、後者は一朝一夕に作られるものではありません。その組織において信頼関係を醸成していることが前提になってくるからです。

いざ飛び込んでみると、その不安は払拭されました。積極的にチーム外の方とも1on1を実施したりミーティングを切り盛りしたりしている中で相互理解が生まれている実感があります。
この信頼関係醸成を後押ししてくれたのは、周囲のメンバーたち、そして自分の過去の資産(スライドや書籍)でした。組織に溶け込めるようさりげないフォローをやってくれるメンバーには感謝ですし、過去の自分にもありがとうです。

フレキシブルな働き方

今所属しているカケハシはフルリモート、フルフレックスの会社です。だからある程度フレキシブルに働けることは期待していましたが、事前の期待とは全然次元の違う、「そこまで自由なんだ!」というフレキシブルさでした。

まず、固定された出社日はありません。同僚の中には一度も出社したことがないという人もいます。入社日くらいはさすがに出社かな?とおもっていたら事前にPCが郵送され、自宅からのオンボーディングでした。

フルフレックスは、出勤と退勤を自由に決められる以上の裁量があります。中抜けに関しても自由で、子供の送り迎えだったりジムで汗を流してくるだったりで中抜けすることが当たり前のように行われています。

逆にチームで集まることに対しても自由です。会社で集まってもいいし、どこかレンタルオフィスを借りてオフサイトで集まってもいい。

コロナ前からフルリモート前提で業務設計がなされていたためか、そのようなフレキシブルな環境でも働きにくさや効率の悪さは全然感じません。基本的にフルリモートだからなるべくテキストで残しておく文化があるので、むしろ働きやすいくらいです。

満足のいく給与

前職でも満足のいく給与はいただいていたので、多少下がることも覚悟して転職活動に臨んでいました。結果として前職と同等以上いただけることになり、ありがたいかぎりです。

転職で失ったもの

今回の転職で失ったものを列挙してみます。

  • 外出機会

  • 以前からの人間関係が薄まった

  • 都心で開催される勉強会への参加機会

  • 身だしなみ

外出機会

フルリモートになったため、自分が住んでいるエリアから出る機会が極端に減りました。11月末からは忘年会シーズンということでちょくちょく外出することになりそうですが、意識的に外出しないと居住エリアから出なくなってしまうのでこれはちょっとまずいなとおもっています(芳醇に熟成された腹の肉を眺めながら)

以前からの人間関係が薄まった

以前は毎日顔を突き合わせていた元同僚たちとの関係性は、当然ながら薄くなっています。退職時に「また飲もうね!」と約束し、実際にその約束を果たした人たちもいればそうでない人たちもいる。仕方のない面はありつつ寂しくはあるので、いつか約束を果たさねばなーと思っています。

都心で開催される勉強会への参加機会

これが圧倒的に減りました。5類移行後はオフラインの勉強会が増えている感触がありますが、自宅で働いたあと夜に都心まで出向くのはなかなか心理的ハードルが高く、でかけられないでいます。勉強会はオンライン開催だと気軽に参加できてとてもよかったので、勉強会に関してはオンライン回帰しないかなー・・・なんて思ってます。たまに大きめのカンファレンスをオフラインでやる、とかは好きなんですけどね。

身だしなみ

オンライン越しにしか人と合わないと、身だしなみをするモチベーションが低下してしまいます。ボトムスはスウェットでいいかー。ヒゲは剃っておくか。髪は・・・まあ寝癖おさえておけばいっか。
そんなていたらくで、数ヶ月の間散髪さえサボっている状況でした。

するとだんだん風体が怪しくなっていき・・・

野生のお茶の水博士

この前、とうとう妻に「ご近所さんが心配するから髪切るよ」とバリカンで刈り取られました。

なので、転職でいちばんうしなったものは社会性なのかもしれません。

転職で得たいものは得られた

得られたものと失ったものを並べた時に、総じて「転職してよかったなー」と思うことができています。以前からの人間関係希薄化についてはなんとかしたいところですが、他は想定通り。社会性がないのは、まあいいでしょう。

新しい職場に馴染めるか・・・自分のスキルが通用するか・・・というのはそんなに心配しすぎなくてもいいかなと思います。むしろ、そこが転職を考えるときにネックになっている部分なら早めに転職活動をして自分の市場価値を見極め、そこで得た情報から足りないスキルを補う行動に出ることが望ましいでしょう。

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