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国際女性デーに寄せて 「職業のジェンダーギャップ」

3/8の金曜日、皆様はいかがお過ごしでしょうか。
国際女性デーですが、昨今ついに多くの人が知るようになりましたね。
ミモザの話とか、ジェンダーギャップ指数(政治・経済分野が低くて、教育や健康はまし)の話とか企業の取り組みとか、話したいことはありますが、本日のテーマは「職業のジェンダーギャップ」です。

要は、「男の仕事」・「女の仕事」の話です。
たとえば、保育士の女性比率は95.8%(厚生労働省, 2023)で、圧倒的に女性の割合が高い職業です。
ほかにも、看護師、CA、あげればキリがないですね。
逆に、男性しかいないような職業も多いです。いわゆる総合職ホワイトカラー、医師、パイロット。

①現状と問題

以下は、ジェンダーギャップが大きい職業の一覧です。
男性が1割以下の職業は、いわゆるケア職、だれかがだれかを支援するような職業です。助産師の0%の背景としては、男性は法律上助産師になれないことが背景です。
反対に、女性が1割以下の職業は体力が必要そうなものが並びます。他にも、結構しんどそうですね。

https://www.nhk.or.jp/minplus/0029/topic052.html

ここにおける問題は、女性の比率が高い仕事は、賃金が低く長期的なキャリア形成を前提にしていないということなのではないでしょうか。
保育士の平均年収は382万円(厚生労働省, 2021)であり、全職種の平均と比べたらだいぶ低いですね。

家族を養うのは男性というようなイメージがあるなか、給与の低い男性(もしくは、給与の高い女性)は敬遠されがちです。
こういったことを見越してか見越さずか、高校卒業時点で特定の学部で男女比が大幅に偏ってしまっているのが現状です。
個人の意向ももちろん大事ですが、多様な選択肢がのびのび選べる状態になっているわけではないこともまた事実。

②背景と打ち手

この問題の背景として、「アンコンシャスバイアス」があります。
「看護師といえば女性」、「パイロットといえば男性」といったような無意識の性差別・周囲からの期待は、小さい頃から普通に行われています。

それが顕著に現れるのは、キッザニア。入ってすぐ、ANAの機体がでかくおめみえしますが、まあまずパイロットは男の子しかいないですね。
そしてキッザニアの別の場所ではブライダルの何か(模擬結婚式的なもの)も、新郎が新婦にブーケを渡し、旧態依然の性別観に囚われたウエディングセレモニーを行うわけでして。

個人の能力というのは性差はほとんどなく、理系科目が得意な女の子や家庭科が得意な男の子も普通にいるなかで、「女子が理系にいくのは」とか「男子が保育士になろうとするのは」とかいう無意識的な差別が、今も普通にあるのです。

男女にとらわれず、個人の能力と適性をいかした職業につけるようにしなければならない。
たとえば、看護師さんを考えると、患者さんに男性・女性どちらもいるので、男女ともに看護師さんがいたほうがいい。
保育士さんも、重い荷物を持ったり走り回ったりするのに、男性がいたほうがよりよい職場にすることができる。

そういったメリットを企業側が認識し、きちんと男女の隔たりなく採用・育成すること、個人の意向を尊重し、納得のいく職業選択ができるような教育環境を提供すること。
親・先生の思い込みを排し、多様な選択肢を子どもたちに提示していき、ある職業を選択肢の一として捉えてもらうこと。

そして、企業も個人の意向に沿ったキャリアパスを真剣に考え、プライベートとの両立を前提とした上で、従業員の成長をちゃんと支援していくこと。

これらが、当然のように求められ実現できる社会を願って、本年の3月8日人々が直面してきた幾多の患難に思いをめぐらそう。

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