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#134 M先生の「最高じゃないですか!」という口癖が最高!という話

「最高じゃないですか!」、M先生の口からよく出るワードである。最近自分の口に憑依して、あらゆるところで「最高じゃないですか!」と多用している。これがなかなか、いい。まずもって自分の体内にポジティブなパワーが注入されていくような感じがする。きっと故アントニオ猪木氏は、「元気ですかー!」と発することで、自分自身に闘魂を注入していたのだろうと思う。合掌。

M先生の学級児童からはポジティブなアティテュードを感じる。まさにPMA、肯定的精神姿勢(分からない人はKEMURIを検索)。とにかくM先生の学級の児童は明るく、自己肯定感が高い。ポジティブなワードは、かけられた相手の自己肯定感を爆上げする。そもそも最高かどうかの判断基準なんて、その人次第。自分がその瞬間に最高だと思えれば、それはもう、瞬間最大風速で、最高なのだ。

M先生は図画工作指導に精通している。毎時間図画工作やってる?と疑うレベルで、児童は創作活動を行なっている。児童の顔はいつもブリリアントで、それこそ最高じゃないですか!といつも思う。M先生は以前このような話をしていた。「図画工作で作られた作品に正解はないのよ。見方によってはいくらでもほめることができるの。」実際に校内研修で児童の作品を並べ、どの作品が優れた作品と思うか選択せよ、という研修を行ったことがあった。精巧に描かれた作品を選ぶ教師、用紙いっぱいに描かれたダイナミックな作品を選ぶ教師、通常では選択しないような色合いで塗られた作品を選ぶ教師。M先生は言う。「そう、それでいいのよ。図画工作には正解がないのだから。」大事なワードなのだろう。M先生は研修中、手を替え品を替え、絶えずこの話をしていた。

話は脱線するが、M先生の行動力はハンパない。夏季休業中の職員室。夏といえば花火大会。休憩時間中に大曲の花火大会の話で盛り上がった。その刹那、M先生は隣の席に座っている教員と段取りをつけ、すぐに予約に取り掛かった。早い、早すぎる。ポジティブなマインドは、行動にも波及するようだ。

日本の教師は、児童の欠損している部分を埋めようとするきらいがある。均一さを求めるのは前時代的な話であり、多様性が重視される現行の社会にはそぐわない。多様性とは、人によって「最高」の尺度が違うことと同義だ。M先生のように、「最高じゃないですか!」と声がけしてくれる教師が増えれば、卑屈にならず、自己肯定感が高い児童も増えると確信している。せめて小学校時代くらいは根拠のない「最高の鎧」を着せてあげてもいいじゃないか。

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