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【やくだつ原子】 Vol.1 「酸素(O)」

今回より、ひこまる@東大サイエンサーによる、「やくだつ原子」についての授業がスタートします。


本日の原子「酸素」

先生:ひこまる@東大サイエンサー
生徒:カミィ(気になったらなんでもとことん調べる声優マニア)
   MAX(なんでもウラヨミしたがる神アニメヲタ)
   喜多(
正解よりも笑いがほしい、当たって砕ける単細胞)
   YMT(クラスの紅一点。滅多に喋らないが男子を見守るマドンナ)

キーンコーン♪カーンコーン♪

ひこまる先生
「はい、それでは授業を始めます。
最初に紹介する「やくだつ原子」は、「酸素」です。元素記号は「O」で、人間の細胞の多くが必要とする、非常に大切な原子なんですよ」


一同
「知ってま〜す!」

喜多
「だって、酸素って空気のことですよね?」


ひこまる先生
「喜多くん、いい質問だね。空気っていうのは、様々な原子で構成されているんだけど、酸素はそのうち21%存在してるんですよ」

MAX
「人間は、酸素があるからこの地球で生きていられるんですよね?」


ひこまる先生
「お!MAXくん、良い質問です。実は、地球ができた頃の原始時代には、ほぼ存在していなかったんですよ。20億年前くらい前に、光合成を起こす植物が増えたことで、ここまで増えることができたんですよ」

喜多
「ほな、どんどん酸素増やしたらええんとちゃう!?」

ひこまる先生
「それがそういうことでもないんですよ。酸素は生物にはなくてはならないものだけど、その量が多すぎても危険なんです。長時間、高酸素化にいることで、急性酸素中毒になる可能性もあるんですよ」

喜多
「ひえっ!!中毒て・・・、そんなん、酸素って毒やんかぁ!」

ひこまる先生
「その通り。少なすぎたら生物は生きられないし、多すぎたら毒になる。何事もバランスが大事なんですね」


生物の砦「オゾン層」

カミィ(社長フレンズ)
「先生!酸素ってO2ですよね?高濃度の酸素は、O3のオゾンになるということですか?」


ひこまる先生
「さすがカミィくん。いい質問ですね!酸素というのは、強い紫外線などを浴びることによってO2が一時的にO3(オゾン)に変化することがある。でも、オゾンは不安定だからまた普通の酸素に戻ったりするんです」

MAX
「ということは、オゾン層って宇宙に近いから紫外線を浴び続けて、安定してオゾンのままってことですか」

ひこまる先生
「その通り!大気中の一部の酸素が成層圏まで上昇してオゾン層を作る。これによって、地球の生物たちを有害な紫外線から守っているんです」

喜多
「先生!僕は、ネコネコの実とトリトリの実が好きです!」

ひこまる先生
「それはゾオン系だね」

カミィ
「ということは、オゾン層の破壊はとても危険なことですよね?」

ひこまる先生
「そうなんです。工業汚染などにより、フロンという物質が、大気を漂います。これが成層圏に到達すると、強い紫外線を浴びて、塩素を放出します。塩素は酸素は結合をして、一酸化塩素をつくります。つまりオゾン層が破壊される、ということです」

MAX
「だから、この前買った冷蔵庫は"ノンフロン"だったんですね」

ひこまる先生
「その通りです。今ではフロンは極力使われなくなりました。人間は、便利を追い求めるがあまり、自らの首を絞める、愚かな生き物なんですね…」


可燃と酸化について

ひこまる先生
「次に、酸素の特徴としては、燃焼を助ける働きがあります。物を燃やす時は、酸素がないと燃えないってことですね」

喜多
「ということは、心の中の情熱は、酸素によって燃えてるんですね!!」

ひこまる先生
「いや、それは精神エネルギーです」

喜多
「じゃあじゃあ!誕生日ケーキの火を消す時に息を吹きかけたら爆発しないのはなんでですかぁ!?」

ひこまる先生
「それは、人の吐く息には、二酸化炭素が多く含まれるため、火は燃えるどころか消えてしまうんですよ」

MAX
「先生!火事現場であるバックドラフトとかはどういう原理なんですか?」

ひこまる先生
「火災などでは、先ほども言ったように、酸素が燃焼を助ける働きがありますが、燃え尽くしていくと、酸素はどんどんなくなっていきます。そこに、壁や窓などが壊れて酸素が入り込んだ時に、大量の酸素を取り込んで、爆発するようなバックドラフトが発生するのです」

MAX
「酸素って、必要なものですけど、怖いものでもあるんですね・・・」

カミィ
「燃えた後って、黒焦げになってしまいますが、あれはどういう状態なんですか?」

ひこまる先生
「有機物(金属などでないもの)を完全に燃焼した時には、なにも残りません。しかし、火力が足りない場合には、黒こげの燃え残が出るんです。

物事には、良い面も悪い面あり、それは酸素にも言えることです。例えば、酸化すると、金属を劣化したり、食品は腐食したりします。それは、人間にとってはマイナスなことかもしれないけど、炭素を燃焼させたり酸化することで、熱を取り出すこともできるんです。
例えば、ご飯を食べることでエネルギーに変わりますが、それも酸化の一種なんです」

喜多
「そうなんですかっ!?じゃあ僕も参加したいです!」

ひこまる先生
「どこに参加するんですか?」

カミィ
「バカとハサミは使いようって言いますが、酸素も同じなんですね」

ひこまる先生
「そうですね。場所によって役割が変わるし、効果によっては良くも悪くもなる。原子も、人間と同じようなものなのかもしれませんね。

ということで、今回は最初の授業として、私たちに身近な「酸素」を取り上げてきました。いかがでしたか?役立つことはありましたか?」

MAX
「酸素は人間にとって必要なものでもあり、危険なものでもあるんですね」

カミィ
「何事もバランスが大事ですが、ちゃんと危険性も知っておかないとバランスも取れないですよね」

喜多
「酸素にも毒があるんすね。美人に手を出すようなものですね!」

YMT
「クスクスッ(笑)」

ひこまる先生
「はい、それでは今回の授業を終わります。喜多くんは居残りで補習です」


「酸素」についてのまとめ

・酸素は生物にとって必要な原子
・高濃度になると、毒にもなる
・紫外線を浴びたらオゾンになることもある
・オゾン層では生物を紫外線から守っている
・酸素は、可燃を助ける働きがある
・酸化することで、劣化・腐食させるが、エネルギーに変えることもできる



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