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避けられぬ懐疑〈百鬼:三部〉

※お祓い済みです。

前回

第一部総集編

あらすじ


艶衰阿良又えんすいあらまた皿ヶ峰 鈴蘭鉱さらがみね すずらんこうの解析を一人で行っていた時だった。
様々な目的で活動している怪異、人間、新種族達。
その間漸く艶衰は「幸福」「黄泉」「身体」のワードへ辿り着く。
観察者BT06がそんな艶衰の苦労を省き、解析結果を伝える。
そこで力のある者達が集う湖へ観察者が艶衰達をワープさせる。
そこへ「ぞうす」と女子大生まで現れ、「破片」について教えてくれた。
更に、皿ヶ峰 鈴蘭鉱さらがみね すずらんこうの覚醒に必要な条件は

一つ、黄泉の夢を見た者

二つ、幸福を齎す者

三つ、身体能力の高い者

であった。
反応する怪異の一人で浦泉奈冨安うらいずなとみやすの姿を象るカガミ。
鉱石は彼に反応していた。
そこでキーとなる人物は本物の浦泉奈冨安であると知る!

第一章

 珍しく小口さんから俺、浦泉奈冨安に指令が出た。

「給料は弾ませる。
今回の件では俺が追ってる『幸不幸死事件』の被害者から投稿映像が送られた。
それについてインタビューをする。
浦泉奈もついてこい。」とのこと。

野谷さんが俺を送っていくと言っていて迷ったのだが自分のバイクでインタビュー先に向かう。

新築の一軒家。
いつか俺もこんな家で一人カラオケや色んな作品を楽しむ。
不謹慎だがそう思いながら向かっていた。

着いた先では一人の女性がいて、俺達を案内する。
そして、リビングで話しを伺った。

「私の娘が生前撮っていた映像をお送り致しました。」

娘さんのホームビデオ。
三十路前後で幽霊とは縁遠い。
そこで謎の霊が写っていたが今回の話はそれだけでは無かった。

「元々娘は一人でいる事が多くて、誰にも会いたがらないんです。
私は娘が好きにしているならそれでいいと思っていたんですけど、当時存命だった私の夫がお見合いをして欲しいと言って娘に婚約を促してました。
夫も一人娘でしたから心配していて。
でも夫も娘が楽しく暮らしているならそれでいいと思っていたんです。
念の為、お見合いをさせてそこで上手くいかないのなら夫はもう娘には干渉しぬいと決めていました。

そこで娘は相性の良さそうな男性とお見合いをしたのですが結局破談。
嬉しそうな娘の表情が忘れられませんでした。

そして投稿映像が撮られた最近のことでした。

いつの間にか娘と破談相手だった男性が結婚式を挙げるように二人一緒に亡くなっていたんです。」

娘さんの謎の死に方。

野谷さんが話をまとめ、質問をする。

「娘さんは結婚が嫌な方で、その男性とも破談。
ですが、それが娘さんにとっての願いであった…それなのに結ばれて亡くなっている…という事でしょうか?」

「はい。
娘は私達に言ってました。
『私、結婚なんてしない。
一人でも生きていける。』
と。
その逞しさに私達は安心していたので。」

その中での変死か。
破談を喜んでいたのに結婚式を挙げるかのように死ぬ。
幸せには色んな形があるし、俺はそれを否定も肯定もしない。
だけどこれではあんまりだ。
まるで結ばれる事が不幸のようじゃないか。

現代の闇だな。

俺はやるせなかった。
今までの幸せに対する考え方について。
もう少し俺達には選択肢がないのだろうか。

インタビューは終わった。

小口さん、野谷さん、俺も複雑な表情で車の元へ向かう。

「霊現象はきっと偶々だと思う。」

「はい。」

「野谷はあの変死についてどう思う?」

「小口さんが追ってる幸不幸死事件には、霊ではない存在が手を引いてる可能性はあります。」

その会話を聞いて映像の霊現象が絡まないが、別の勢力がいる事なんてこの仕事ではよくある話だ。
そこで俺も口を挟む。

「新種族はそういったことに興味無し。
だとすると怪異って存在が怪しいと俺は思います。」

ここの所色々起きすぎた。
俺と同じ姿をした奴に巨大蜘蛛。
そして新種族がスタッフとしてやってきた事など。

小口さんは普段、俺と話す事はないのだが今回は俺に期待していた。
艶衰に対しては違う見方で。
俺は今回の仕事を全うすることを考える。

第二章

 俺達が避けられぬ懐疑事務所に戻ると
そこには艶衰が沢山の人達を連れていた。
中には俺そっくりのあいつがいた。
小口さんも野谷さんも驚いている。
そして観察者も何かワクワクしている様子だ。

双子が二組、青年とお姉さん、そして津向。
女子大生にやたら目立つ大きくて暗い何か。
小口さんはその相手にガンを飛ばし、
「そうか。こいつが…」
と何かを知ってそうだった。
あとあの蜘蛛が空間から顔を覗かせている。

野谷さんが艶衰に「何がありましたか?」

と訊ね、話は始まった。

廈門道九弾あもみちくだんが幸福から不幸へ人を引き摺り下ろして殺すナニカと契約。
俺の姿を借りた怪異、ここではカガミと呼ぶ。
カガミが廈門道九弾あもみちくだんとそのパートナーである新種族と交戦していたら謎の黒い手が二人を攫い、解明しようと探し回っていたら双子達と出会う。
その中には一度別件で出会った普仲剛もいた。
そしてその兄である普仲毅。
彼は黄泉の夢を見たらしくてカガミに気に入られる。
そうして連れ去ったカガミは津向と交戦。
そして新種族の観察者もスタッフの仕事と称して艶衰の研究を解析。
そこには俺も知ってる元ムエタイファイター、紅 元雪《べにこう もとゆき》さん達が売ろうとした鉱石、皿ヶ峰 鈴蘭鉱さらがみね すずらんこうがある条件で幸不幸死事件の元凶に対抗出来るらしいと。

そして、そのキーは俺にあるという。
更に女子大生といるのは小口さんが追っていた「幸不幸死事件の内、不幸な人間を幸せにして糧とする怪異。」が目の前にいた。

名前は「ぞうす」
ぞうすの対となる幸福から不幸へ陥れる奴が今回の事件の発端だった。

そしてその元凶に対抗出来るのは俺だと。

「ったく大勢集まって説明は感謝しているが俺達の取材以外で物事が進み過ぎだろ。
ほぼ巻き込まれじゃないか。」

だが一気に解決する方法は見つかった。

しかし、何故俺が適正者なのだろう。
悩んでいると観察者が説明した。

「浦泉奈冨安。君には心霊、超常現象を惹きつける力がある。
艶衰阿良又とも出会ったのもそれだ。
我々新種族や怪異は別の因果だが、君は現代に色々と疑問を抱えているだろう?それに君の兄の事もあって家庭環境も普通じゃない。
その鉱石は陰陽道術の魂、黄泉の夢に魅入られた魂、そして人ならざるものを惹きつける魂が揃って真価を発揮する。」

一同は驚愕していた。
俺にも聞きたいことは山程あった。
艶衰がいつの間にこの鉱石を手に入れていたのかなど色々。

それと…

「ぞうす、と言ったな?あんたがこの事態を招いたんだろ?
小口さんからある程度は聞いている。
人間を幸せにして殺す怪異だと。
今回もあんたの企みなのか?」

すると女子大生が話をした。

ぞうすが人間を幸せにして殺すのはそれが食事に等しい活動だからだと。
復活にあたって溢れた破片が少しずつ人間達を襲うようになったのは誤算だと。

それなのに何故対抗策があるんだ?

「俺の姿をした怪異。お前なら何か知らないか?」

すると彼は肩をすくめる。

「俺はこう見えて産まれて間もない。
殺戮だとか呪いだとか興味がないからなあ。
この事態を収束できるキーがこうして揃ったんだからお前らに協力する。
そこの観察者にイトが撮られたから迂闊な行動は避けるしかないしな。

そうか。
怪異もいつのまにか協力してくれるようになったのか。
すると津向と一卵性の双子の先輩、そして黄泉の力を持つという前に艶衰に試されていた双子の歳上が話しかけにきた。

それぞれが思う所があるかもしれない。
だが、皆思いの外冷静だった。

「「まさか避けられぬ懐疑スタッフが命運を握っているなんて!」」

みた限り一つ歳上の双子兄弟。
津向もファンだからかそんな二人といつのまにか楽しく話していた。

「まさかあの時の人、浦泉奈冨安とこうして再開するとはな。」

「剛がいつの間にか世話になってるみたいだから俺も挨拶しておこう。」

「押し付けがましいなあお前。」

こちらは上手くいってなさそうだ。

「その鉱石には俺の力も必要みたいだからな。
俺は普仲毅。
浦泉奈冨安だっけ?お前も家庭環境が大変なら手伝うさ。」

「全く。俺が原因みたいな言い方するな。」

何だかんだ関係が良くなりそうならそれに越した事はない。
俺は別に兄弟との関係だなんて興味ないけれど。

鉱石の条件は揃い、普仲毅が鉱石に手を当てると光が灯る。
廃墟で黄泉竈食を食わせられかけたというのは本当らしい。
彼の力は今後役に立ちそうだ。

そして事の発端、ぞうすが鉱石に力を渡す。
女子大生が代弁した。

「先人がこんな対抗策を用意していたなんて。
私達はこの生きづらさから少しでも抜け出せればそれでいい。
ぞうすの濡れ衣を晴らして!」

勝手だと思いかけたが協力してくれるか
らか憎めなかった。
こんな奪いあう世界から抜け出したいのが普通だよな。
これは凄い大役なのではないか?
俺は待ち受ける元凶と対峙できる事にプロファイターとして、避けられぬ懐疑スタッフとして誇りに思うようになった。

鉱石を艶衰から渡され、元凶へ向かう。

「俺達はこの現象を記録する。」

そう言ってみんなカメラやスマホを取り出した。
小口さん、野谷さんも投稿者への依頼を達成する為に準備している。

この鉱石がどのような力になるかは分からない。

後は向かうだけだ!

第三章

 もう一人の俺である怪異が元凶の破片の痕跡を探ってくれた。

更に艶衰や小口さん、多数の同行者を鏡空間に集合させて俺の後ろへ引き連れる。

「名前はなんて呼べばいい?」

「そういえば言ってなかったな。カガミ。それでいい。」

カガミと供に移動する俺達。
そこへ観察者が昏遠久澪談とほうくれまいだと程良さんを引き連れて異空間で落ち合う。

「澪談に程良さん?」

「観察者はすっかりそいつらとのチームが成り立ってるな。
お前サケカイのスタッフだろ?」

観察者はカガミを無視して話しかけた。

「九弾という人間が捕らわれているからね。
彼の救出の為に澪談君が同行してくれた。
そしたら、彼女まで押しかけてね。」

程良さんがカメラを持って話してきた。

「あのサイコ野郎を助けるのは気がひけるけど、見殺しなんてしたかないしね。それと私達の本来の仕事として、この記録をさせて貰いたくて。
まあ、許可はそちら次第だけどさ。
本当は浦泉奈君の姿をこの目に焼き付ける為だけどね!」

観察者はやれやれと言いそうなポーズをする。

これだけ人が集まるのも珍しいな。
それだけ今回の相手は厄介ということか。

「浦泉奈。
君の苦悩は知っている。
一人暮らししたいってことも。」

「記憶を読んだのか。
まあいい。
どうしても自分の力で成し遂げたい。
格闘家人生も。
この仕事も。」

澪談も黙って聞いていた。
カガミもそうかと納得し、罠だと分かっていても痕跡を辿って破片の世界へと辿り着いた。

✳︎

ここが破片の世界。
カガミの力が無かったら訪れる事は無かった怪異の世界の一つ。

隠れ家から人を殺していたのか。

「他に気配はない…か。まるで解決するのを見守っていたような体だ。」

カガミが歩きながら嫌味を言う。

俺達は足取り重く歩いていく。
後ろには艶衰達がいる空間も付いている。
怖くはない!

『漸くやってきたか。』

破片の主。
そして「幸不幸死事件」の元凶!

『ぞうすの気配もあるな。まさかお前達側につくとは。』

観察者が口を挟んだ。

「我々も役割は多種多様。さて、ここであなたは研究対象として捕らえられてください。勿論、私がやるわけではありませんが。」

『ふん。他の生命体も結局変わらぬか。』

破片は何故、人間の不幸を味わうのか話し始めた。

『お前達が幸せならばぞうすの餌。
お前達が不幸せなら私の餌。
そうしてかつてバランスを保っていた。
だがある日人間によって封印された。
しかし、当時は対抗策が対処療法でしかなく現代に私とぞうすは蘇った。

人間どもの欲望はかつてよりも強大で次々と動植物を葬っている。
次は人間通しが食い合う…いや、もう既に共食いしているか!』

破片の主は笑っている。
内心では不幸を喰らい続けたからか病んでいた。

『お前達も不幸へと沈め!』

破片の方から布のような攻撃が襲ってくる!
するとカガミが虚像のカケラなのか?
それを使って俺達を守る。

「格闘スキルのあるお前達のサポートは任せろ!浦泉奈、いけ!」

ああ。
カガミ、感謝する!

俺は勢いをつけて破片の主へと攻撃する。しかし跳ね返された。

「ぐあっ!」

見えない何かに攻撃されていた。
あれは、九弾と新種族のパートナー?

『こいつらは便利だ。
さあ、私を守るのだ!』

これはよくないな。
する澪談が隣にやってきた。

「浦泉奈。あのやり方で行くぞ!」

「よし。」

久しぶりだ。
また澪談と共闘するのは!

破片の主は布攻撃と九弾達の職種攻撃をやめなかった。

ある程度は見切れるとはいえ、俺達は人間だ。
限度はある。

だが隙が生まれる。

澪談が破片の主の懐へ入ると九弾を操り対応させていた。

そして俺が新種族の元へ行こうとするとカガミが現れその役を引き受けた。
そうか。
記憶があるから分かるのか。

よし、これなら上手くいく。

すると鉱石が光り始めた。
なんだ、この力は?

破片の主は気がついていない。
周りもそうだ。

すると光が俺を包み一瞬だけ時が止まった。

「ここは…」

安心してください

私はあなたの力を目覚めさせる光

「怪しい宗教じゃないよな?」

私はあなたの願い

そしてこれからも力になろう

「ふん。頼もしいな。なら、行くぞ!」

光を見に纏った俺は破片の弱点へとワープしていた。
そして手にしているのは

胎蔵懐 金剛錫杖たいぞうかい こんごうしゃくじょう!」

『な、何!実在していただと!だが、私に並みの攻撃は効かぬ!』

それはどうだろうか?

俺は手にもつ胎蔵懐 金剛錫杖を振り、波動で破片の攻撃を朽ちさせる。
人質としたその二人を攫ったバチが当たったな。
いや、不幸の食い過ぎでツケを返す事になったか。
二人が引き離されたがもう遅い!

「ここでお前を封印する!解かれる事は無い!」

俺は胎蔵懐 金剛錫杖を突き立て、脳に流れる鎮魂歌を歌う。

『一体!なぜだ!うわあああああ』

空間からこの様子を撮っていた艶衰達。

そしてこの武器の力はカガミにも効き始めた。
俺はその範囲を調整し、破片の主へと狭め封印したのだった。

カガミはあまりの力に驚愕する。

「これが鉱石と浦泉奈の力か。」

破片の世界は崩れていく。

観察者はいつのまにか居なくなっていた。
本当に現金な奴だ。

そして弱ったカガミが俺達と共に現実世界へ帰れるよう虚像空間で転送した。

こうしてまさに《避けられぬ懐疑》であった本日は終わる。

避けられないが、回避は出来るから、世の中捨てたものじゃないな。
そう実感できた瞬間だった。

こうして破片の主:ぞうすは封印され、発生していたクリーチャーは消滅。

廈門道九弾あもみちくだんと新種族のパートナーは澪談に救出されて事なきも得た。

第四章

 あれから、いつも通りの日常が続く。
ただ一つ違うのはスタッフでは無いのにやってくるメンバーが増えた事だ。

「浦泉奈!お前もここで働いてたのか。
所で皿ヶ峰のパーツってどうなったんだ!」

「紅君の言う通り。私達、あれを売るしかないからさ。」

売られる前に使えて良かった。
そうなると艶衰は何故調べていたのだろう?
観察者もいつもなら高慢なのにやたら親切にだったが。
だが破片の主が消えた後に残った金属をこっそり拝借していた。
幾つかあったので観察者に調べさせてもらったのだが

「売れば人間にとって価値のある物だ。」

と言われて騙されたと思って調べたら、どうやら破片の主が幸福者を不幸にした時に得た金目のものとおぼしきものだった。

「あの鉱石程じゃないがこれを売るといい。」

まさか紅さんが霊能力者の家計だとは。
後で聞いたのだが。
いつかスタッフとして採用して貰おうと艶衰が取引きしたのは間違いない。
先輩すらも利用する彼の恐ろしさは下手な心霊より怖いが。

二人は金属をとって仲良く出ていった。
久しぶりにあった先輩と初めてあったあの方とは近いうちに出会う可能性は高い。

それから皆倉ツインズがやってきた。

「「俺達高校三年生になって中々避けられぬ懐疑を視聴する機会は無いかもしれないけど、ずっとファンですから!」」

と応援団長のような声量で何か料理を作って持ってきた。
そして普仲良ツインズもやってきた。

「艶衰に頼まれる仕事があってきた。毅はそのおまけだ。」

「折角揃ったと思ったら悪態つきやがって。
まあいいか。
浦泉奈君。これ、心霊スポットで撮った映像だ。なんか写ってるしインタビューお願い!
採用してくれたら金貰えるって聞いたし。」

こちらはバラバラだが関係性はちょうどいい。
何があったか知らないが兄弟なんてそんなもんだよな。

双子達とはなんだかんだ話があい、そこで津向や都賀場 宮城位つきたば みやいちもやってきて騒がしくなった。
ここ心霊確認番組スタッフなんだけどなあ。

あれから怪異であるカガミ、後に聞いた蜘蛛型怪異イトと会うことは無かった。
胎蔵懐 金剛錫杖の力は彼等に多大な脅威を与えてしまったらしい。

俺もあの武器を出す機会は特に無かった為、その事を忘れかけることもあった。
破片の主を封印する為のものだからな。
ぞうすと女子大生も「人間と関わることは無い。」といって去っていった。
カガミは色々と親近感が湧いてきたのだが…こればかりは仕方がないか。

澪談達とはいつものように協力関係にある。
だが大学生活や星降紙ほしおろし君の最後の高校生活の忙しさからか関わりは少ない。
程良さんも別の仕事を始めているから接点は少なくなりそうだ。

九弾達は救出されてからもつっけんどんで我が道を行く。
何回か敵対するのは覚悟している。

これまでの映像はDVDとして出せる範囲は限られた。
出しても売上も特に変わらない。
そっちの方も本当に怖いが…。

俺達も高校生活に格闘技生活、そしてここでの仕事で少しずつ物価高騰への対処やライバルとの鎬の削りあいで過ごしていく。

それに今は離脱している観察者達新種族もまた企みはあるのかもしれない。

観察者は本当に自由な奴だ。

俺達はいつものように生活を続ける。
俺は俺だけの部屋を作り、またカラオケを楽しむだろう。

「さあ、ボディーガードとロケをやるか。」

三部作完結。
避けられぬ懐疑第二部最終回

今後の懐疑もまだ残る。


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