タックスペイヤーを増やそう

国の財政について、関心を持ち続けてきて、
今更ながら気づいたのが、
財政問題は、ほぼ社会保障費問題に帰結する、ということ。

ざっと110兆円の予算のうち、40兆円が社会保障費に消えており、
それだけでもかなりのインパクトであるが、
見逃せないのが地方交付税交付金。

よくよく調べると分かることだが、実は地方交付税交付金は、
回りまわって社会保障費の地方負担分に消え去っている。

つまり、社会保障費+地方交付税交付金の56兆円、
予算の半分が社会保障費に消えているのがこの国の実情。

そして、国債費に25兆円が消えており、
(国債残高の増加を止めるために、早かれ遅かれ今後35~40兆円になるだろうが)
正味、国家運営に使えている予算は29兆円と全体の1/3にも満たない。

もちろん、この豊かな国にしてくれた先人たちに報いる必要はあるにせよ、
引退したご老人たちの生活を保障し、充実した医療を提供し、
政治家たちが過去30年、
赤字国債を特例法で発行しまくってきたツケを払うために、
今の現役世代が働いて納税したお金の7割以上が使われているのが、
この国の実態だろう。

日銀によるマイナス金利政策の解除は序章に過ぎず、
これから1~2%程度まで引き上げていくことは自明。

それによって、国債費は利払い費だけで10~20兆円規模になり、
社会保障費は減らすどころか微増に留めるので精一杯。

だとすれば、130兆円規模の予算になってくることは明らかで、
税収を更に20兆円は増やしたくなる。

早かれ遅かれ、全体としては、そういう方向に
世の中が動いていくのだろうという気がしているし、
ヤマト運輸創業者である小倉昌男氏の言葉を借りれば、
タックスイーターを減らし、タックスペイヤーを増やす。

ここに各種政策が総動員されて初めて、
国家財政が安定化していくのだろう。

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