お盆休みの海外旅行は「消費増税前がお得」だったのか

今年のお盆休みも、いよいよ最後の日曜日となった。お盆休み中に海外旅行に出かけた方々の帰国ラッシュもピークを越えたようである。

今年のお盆休みの海外旅行は「消費増税前だったからお得」だった、という話がちらほら聞かれる。消費税率が8%である間に海外旅行に行っておけば、税率が10%に上がった後よりも安く海外旅行に行けるからお得、といいたいようだ。

確かに、海外旅行は10万円単位の出費がいるので、2%

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社会にはまだ偉人たちから学ぶ余地がある『アダム・スミスはブレグジットを支持するか?』◆書評′19#21

久しぶりの書評です。読み終えるのに2ヶ月弱かかりました。
2019年21冊目は、リンダ・ユーの『アダム・スミスはブレグジットを支持するか?』です。

ブレグジットというのは、イギリスのEU離脱を指す "British" と "Exit" の混成語である。
かの有名な経済学者アダム・スミスならば、この大きな出来事についてなんと考えるだろうか? という疑問がタイトルになっているが、
これは、この分厚い

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全世代型社会保障へ新会議検討

参院選前にはできなかった、消費税10%後の社会保障改革論議が、今秋から本格化するという。自民党からは、経済財政諮問会議ではなく新たな会議を立ち上げる提案が出ているという。

自民党の「厚労族」には、小泉内閣期の経済財政諮問会議で厳しい社会保障改革を突き付けられた過去が思い出されるのかもしれない。

ただ、2014年7月に、第2次安倍内閣が設置した社会保障制度改革推進会議が今もなおある。この会議は、

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Modern Monetary Theoryの概説(note版)

こんにちは、私は望月夜、あらため、望月慎@motidukinoyoruと申します。(blog「批判的頭脳」、togetter、noteマガジン一覧)

今回は、立命館大学経済学会セミナーにて、望月夜名義で研究報告させていただいた、『Modern Monetary Theoryの概説』について、noteの形で紹介・解説させていただきたいと思います。

この報告は、後に論文(というより研究ノート)とい

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最低賃金を上げても消費税を廃止しては低所得者を苦しめる

最低賃金制度は、労働時間をかけるほど仕事の成果が上がるという関係が前提となっている。同じ成果を上げるのに、人によって費やす労働時間が大きく異なるような状況には不向きな制度といえる。

今や、最低賃金制度が発達した第2次産業革命後の経済ではなく、第4次産業革命が進む状況下にある。

ギグエコノミーが進む中で消費税率が上がれば、雇用関係を結んで仕事を委ねるよりも、消費税がかかる業務委託は割高になるから

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国家財政と家計簿と自治体財政の違い

少し前にニューズウィークでMMTの特集がありました。

特集:日本人が知るべきMMT 2019年7月23日号(7/17発売)
https://www.newsweekjapan.jp/magazine/243906.php

MMTについては以前、個人的にも取り上げましたが、

有名どころの経済学者や金融界の重要人物の間でも意見が両極端に分かれていて、素人からしたら「経済学内で意見まとめてから出し

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MMTの妥当性と問題点(と、主流派の経済学の誤解)

タイトルがなんのことやらわかりにくいですが、政府財政のついての経済理論の話です。

MMT(Modern Monetary Theory)の妥当性

最近、MMT(Modern Monetary Theory)というアメリカの非主流派経済学者(ニューヨーク州立大のステファニー・ケルトン教授)の主張が日本で話題になっています。メディアの報道を見る限りの印象ですが、その内容は、

自国通貨建ての国債発

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経済成長率の下方修正が意味するもの

内閣府が、7月31日に公表した「中長期の経済財政に関する試算」(以下、中長期試算)では、グラフのように、半年前の今年1月に出した同試算と比べて、2019~2022年度の名目経済成長率が低下する見通しを示した。

今回の試算では、米中貿易摩擦などの影響による世界経済での成長率の鈍化予想などを織り込んでいるのだが、これが日本経済にどのような影響をもたらすと見込んでいるかを示している。

もちろん、民間

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政府見通しにはバイアスがある

政府の経済見通しは常に高めです。7月29日発表の政府「年央試算」で示された、2020年度の1.2%という実質GDP成長率見通しは、おそらく半年後ないしは1年後の改定で下方修正される可能性があります。実際、同時に発表された2019年度の実質成長率予測(実績見込み)は、1月時点の1.3%から今回0.9%に下方修正されています。

毎年7月に公表される「年央試算」で、当該年度(今回だと2019年度)の成

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社会保障費の自然増は、5300億円に

今年も、来年度予算の概算要求基準を示す季節になった。国の一般会計での最大の経費である社会保障費は、要求段階での自然増を5300億円程度とする方針である。

ここでいう自然増とは、制度変更を一切しなくても、高齢化の進展により医療・介護・年金などの社会保障費が自ずと増える金額(のうち国の予算から出す経費の分)を意味する。高齢者の増え方が小さいと、自然増の額も小さくなる。

この自然増は、2019年度予

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