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渡辺裕太さんプロデュース çanoma(サノマ)

出会い

渡辺裕太さん @watanabeyuta プロデュースのçanomaムエットが到着。
クラウドファウンディングで300%の資金が集まったという噂の香水ブランド。

「日本人が考え、フランス人調香師が作る日本人のための香り」

失礼を承知で当時の本音を書かせていただく。 このコンセプトを読んだ第一印象だが「わざわざフランス人調香師がインフルエンサーやら赤文字雑誌の読者モデルたちが『香水っぽくなくて柔軟剤みたいに優しい感じ、きっとモテかも💖』『まるでシャンプーみたいな爽やかさ✨』とか奇妙な褒め方をしちゃうようなモノ作っちゃうの? 」それとも「フランス人調香師が女子中学生が数百円で買うソーピーフローラルな香りのデオドラントコロン風香水を調香⁈」という印象であった。

こんな失礼極まりない大きな誤解を抱いてしまったことを裕太さんと調香師のジャン、スタッフの皆さまにこの場を借りて心から謝罪したい。

日本的感覚というものを全く持たずに生まれ育ったため、いわゆる多数決の多数派にいつもなれないもので…。完全に誤解しておりました、本当に申し訳なくてもどかしくてたまらない。

クラウドファンドの謝礼が到着した頃のTwitterはその個性あふれる香り作りに賞賛の嵐。

「ジブンガ カンジテタ モノ マッタク チガウ…ワタシモ コセイノ カオリ シリタイ‼︎」

この気持ちのまま数ヶ月が経過、そして2020年晩秋、裕太さんのçanomaが発売。
だが、世の中は世界的な恐ろしい疫病の世界。厄介な持病を抱える身として販売先の都内のショップに行くのはリスキーだ。
それに何故かこのブランドは実際に手にしてみたい欲望、願望が沸々と湧いてくる。自分ときたら年中海外通販で知らない香水を買っているのに、何故か手にしたい、肌につけたいという欲望。

そして念願のムエットが2021年1月に到着した。
なんとも言葉のイマジネーションがグイグイと動く香りたち。香りの背景に深い物語が存在するのだ。和風香水によくある神社や桜の花をイメージした平坦なものとは全く違う。好き嫌い、良い香り苦手な香りという単純なものではないのがまたそそる!

さて、案内順に香りを楽しもう。

3-17 『早蕨』

Twitterでの噂どおりの畳と青りんごの香り。ラベンダーが入っているが目立たない、ベチパーと松は干し草を思わせる。

1800年代後半から1900年代初頭の地方小貴族の子女、青いコットンドレスが田園風景によく溶け込む。恋に恋するお年頃。
肌の上では更に甘く干し草の感覚が増す。あるようで無い香り。成る程、人気No1。

ギュスターヴ・ブリオン「女性とバラの木」1875年

4-10 『乙女』

清潔感あふれる嫌味無しのマリンフローラル、好きだ。
ウォータリーノートを持つ香りに共通する気の抜けたジンジャーエールのように間伸びした水っぽい点が一切無い。オークモスとベチバーが水の中に影を作っているのだ、素晴らしい。
スッキリした鈴蘭とサンダルウッド、ティアレの甘さは世間知らずの富豪令嬢を感じさせてくれる。中国映画『風月』(邦題 『花の影』)で鞏俐が演じた純真無垢な危うさだらけのご令嬢。
体温と触れると更に甘いフローラルとサンダルウッドが、影のあるアクアティックノートと共にやってくる。育ちの良いご令嬢が醸し出す朗らかな空気に似ている。

1-24 『鈴虫』

大好物のスパイシーオリエンタル、とっても優雅。幽玄なミルラやラブダナムに香り高いサフラン、ベルガモットの苦味と酸味。以前持っていたインド製のサフランのアッターオイルに似ている。
托鉢する聡明なインドの僧侶、痩せた体に眼鏡が特徴的。公正さと知的な空気を漂わせるマハトマ・ガンジー似の托鉢僧。彼の香りを肌に乗せ対話をすると非常に小さな声で語る。香りがもっと強ければきっと鉢に入れるおかずを1品増やしてあげただろう。もしかすると多めに纏えば豚肉入りちまきも渡したくなるのかしら? 現品をスプレーして確かめねば。

2-23 『胡蝶』

パピルス…レザー…ローズ… 四川山椒…。
立ち合いの瞬間にすかさず食らった張り手は三発、いや四発。絶好調の照ノ富士の華麗な相撲を髣髴とさせる! 推しの香水という感覚がこれだろうか。
華があり、それでいて仲間思いの優しさを持つ照ノ富士のような香りではないか‼︎ 強く優しく陽気な照ノ富士。肌に乗せると彼の所属する伊勢ヶ濱部屋の面々が浮かんでくる。ローズのごとく華やかな横綱日馬富士、技巧派レザーの安美錦、小気味好い動きのシナモン宝富士、小粒でピリッとしたのは四川山椒の照強だろう。切磋琢磨、援護射撃、一丸となりパピルスでできた幕内最高優勝賞状と優勝旗を師匠から受け取るのだ。

相撲がわからない方にはお好きな戦隊ヒーローやヒーロームービーの勝利シーンに当てはめていただければ良いだろうか。
ひとつの香水として見事にまとまっている、しかしその香料ひとつひとつは非常にちぐはぐと表現しても良い程に個性あふれるものの集合体なのだ。

おそらく店頭では4-10『乙女』か2-23『胡蝶』を選ぶだろう。トップノートからミドルノートへの変化を知りたい。
四本の物語が即座に湧いてくる不思議な香水たち。だからこそ慎重に慎重に選んでみたくなる香水ブランド、çanoma(サノマ)。ゆっくり時間をかけて知ってゆきたい恋なのかもしれない。
勘違いからのとっても気になる、そして愛しさ。サンプルセットがどこかで買えるといいな。


【çanoma取扱店】

Nose Shop 新宿/銀座/池袋/渋谷
ミヤシタパーク “The Editorial”
大阪 Tale Cocoon
神戸 折角堂
恵比寿 Awake
小倉 Antenna
大村 古々屋
岡山 Afelice
長崎県『HANAわくすい』

Nose Shop オンライン ショップ
https://noseshop.jp/?mode=cate&cbid=2681149&csid=0

【渡辺裕太さん SNS】

https://note.com/yuta_watanabe

https://instagram.com/canoma_parfum?igshid=158hxlcq7gffb

https://twitter.com/watanabeyuta?s=21

【画像出典】
https://tieba.baidu.com/p/21972640?red_tag=0011951835
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=1939
https://media.rakuten-sec.net/articles/-/20326
https://youtu.be/tUyJnf8xkPc


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