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VCTの全体像

Riot Gamesが主催するVALORANTの世界大会、VALORANT Champions Tour(VCT)の全体像がよくわからず、調べてみたのでメモ。

全体像

VCTの全体像はこの図のとおり。

https://valorantesports.com/news/2024-challengers-japan-split1-main-stage-schedule/ja-jp

全体像のピラミッドは上から順に、マスターズ・チャンピオンズ、インターナショナルリーグ、チャレンジャーズ、プレミアとなっていて、おおよそそれぞれを勝ち上がると昇格できるといったイメージ。

なお、今、VCT KICKOFF(この図でいうと、インターナショナルリーグ)とVCJ(この図で言うと、チャレンジャーズ)が平行して行われているが、VCJの方は、最後まで勝ち上がると来年のインターナショナルリーグに参加できるというものなので、今年のマスターズ・チャンピオンズにつながるものではない。

マスターズ・チャンピオンズ

マスターズとチャンピオンズは、世界一を決める大会。それぞれ独立した大会なので、それぞれで世界一が決まることになる。
2024年はマスターズは2回行われるので、計3回世界一決定の機会があるということになる。
ちなみに開催場所は、マスターズがマドリッドと上海、チャンピオンズが韓国ソウルとなっている。2023はマスターズが東京だったので話題になりましたね。

2024年1回目のマスターズ(マドリッド)への出場権を争っているのが、今現在行われているKICKOFFというもの。これが各地域のインターナショナルリーグ(11チーム×4地域)で行われている。上位チームがマスターズ1へ出場することとなる。
パシフィック地域は、2024年はGEN.Gが1位、PRXが2位でマスターズ1への出場を決定。

https://valorantesports.com/news/vct-pacific-2024-etynk/ja-jp

今後、マスターズ1が終わったら、STAGE1がインターナショナルリーグ内で行われて、マスターズ2の出場権が決定、マスターズ2が終わったら、STAGE2が行われてチャンピオンズへの出場権が決定する、という流れ。

STAGE1や2が、インターナショナルリーグ全体で行われるのか、KICKOFFの上位者のみに限定されたりするのかは、いまいちよくわかっていない。
チャンピオンズへの出場権は、STAGE2の結果のみではなく、通年の成績も考慮されるみたい。

インターナショナルリーグ

インターナショナルリーグは、各地域に固定10チーム+アセンションを勝ち上がった1チームの11チームからなる。
2023年はパシフィック、アメリカ、欧州の3地域だったが、2024年からは中国が独立地域として4地域目に加わったので、全44チームが存在することとなる。

固定10チームの選出は、この仕組みが始まった昨年の段階で、実績等を考慮してRiot Games側で決定した模様。
日本のチームとしてはZETA DIVISIONとDetonatioN FocusMe(DFM)が選ばれている。
当時、Crazy Raccoonが選ばれなかったことについて、話題になったが、具体的な選択基準は公開されていない。

各地域のインターナショナルリーグの参加チームは、次の図のとおり。

https://valorantesports.com/news/vct-2024-season-start-eyntk/ja-jp

パシフィック地域の参加チームはこちら。なお、BLEED ESPORTSは昨年のアセンションでの優勝チームとして参加しているので、来年も参加だが、再来年からはまたチャレンジャーズから上がってくる必要がある(後述)。

https://valorantesports.com/news/vct-pacific-2024-etynk/ja-jp

ちなみに昨年は中国地域のインターナショナルリーグはなかったので、別途中国大会が開催され、その上位チームとしてエドワードゲーミングなどの中国チームがマスターズに参加していた。
たぶん、中国でvalorantが正式に政府から許可を受けたのが昨年の末だったことなどが関係しているのだと思われる。それまでは中国のプレイヤーは規制のない香港サーバーに接続してプレイしたりしていたんだそう。

チャレンジャーズ(アセンション)

チャレンジャーズは、(おそらく)国ごとに行われている、論理的には誰でも参加できる大会形式で、最も勝ち進んだ1チームが「アセンション」への参加権を手に入れる。
現在行われているVCJ(Valorant Challengers Japan)が、これの日本版。

この図は、VCJの進み方の全体像を示している。

https://valorantesports.com/news/2024-challengers-gamechangers-japan/ja-jp

現在、フェンネルやムラッシュゲーミングなど8チームがリーグ戦を行っているのが、SPLIT1 MAINSTAGEというところ。
このあとPLAYOFFがあって、その後SPLIT2があり(ここにはプレミアの勝ち上がりチームも参加できる)、最終的に1チームがアセンションに進むことができる。
なお、2023年の日本のアセンション参加チームはSCARSだった。

アセンションは、インターナショナルリーグのある4地域ごとに行われて、アセンションを勝ち上がった1チームは、翌年・翌翌年の2年間、インターナショナルリーグに参加する権利を得られる。
現在のVCTの仕組みは昨年から始まったので、今年は昨年のアセンションで優勝したチーム1チームのみがインターナショナルチームに追加で参加しているが、来年は、今年のアセンション優勝チームと、昨年のアセンション優勝チームの2チームがインターナショナルリーグに追加参加することとなるので、リーグは計12チームとなる。

おわりに

e-Sportsに限らないが、この手の世界大会のようなものの仕組みは公式から断片的な情報しか流れないのでわかりにくいことが多い。
サッカーのワールドカップとかなら、一般のメディアがわかりやすくまとめているので足りることが多いが、まだ認知度の低いこの領域では情報不足になりがちである。

まぁ、運営する中の人にとっても、決まっていることと決まっていないことが流動的で、公開してよい情報から公開していく形になってしまう現象はわからないではないけれども、公式がわかりやすく情報公開することもe-Sportsの発展に寄与すると思うので、頑張ってほしいと思う次第。

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