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夫と娘は、親子になれるのか。

娘は特別支援学級の中学2年生で、進路に迷っている。
支援級に入ることを決めたときに、進学の選択肢が少なくなることは了承済みだった。
自治体によるが、公立中学校の特別支援学級は成績が残らない。
授業は入試にも対応していないため、自力や塾などで学習を追い上げない限り、公立高校の普通科には入れない。

でもいまになってやはり、娘は「みんなと同じじゃない」という悩みを持つようになった。
実際のところ進路はどの学級の子であろうと「みんな同じじゃない」。
高校はバラバラになるのだ。
それは知ってはいるが、最近そわそわしている。

言っても仕方ないことを私に言うので、夫が娘に社会人として経験からアドバイスを始めた。
夫は娘の継父で、3歳からいっしょにいるがどうしても同居人感が拭えないというか、奢ってくれる大きいお兄さんのような立ち位置で、娘の信頼を勝ち得るには至っていなかった。
娘は自我の芽生えが早く、私と精神的つながりが濃く、ほとんどの親業を私に求めていたため、これまでさほど父の心理的リソースを必要としていなかった。

今日は私を間に挟むことなく、静かに夫のアドバイスを聞いていた。
いまからの時代、職業や研究に直接つながるような勉強を目的としていないなら普通科高校に進学しても、特に娘のような性質の子は意味を成さないこと。
それより、仕事で即戦力になるようなことを学べる場所を探せ。
あるいは、通信で勉強しながらバイトして貯金して進学を考え直すか、、、。
それか即働けて、そこで職業的知識を身に着けられるところを探すか。
得意の絵心を活かしてグラフィックデザイナーを目指すか、等々。

私は万年フリーターで好きなことしてふらふらここまでやってきて一生懸命働いてきたが、末端の労働の経験しかないし、会社員としての知識や生き残る術、人間模様などまったくわからない。
世の中の流れを見て、夫と同様に普通科高校、日本の大学に進学することには娘にとって希望がないことだけは知っていた。
たとえば農業や職人、PC関連(これはすでに人間じゃなくてよくなる可能性も出てきたが)などがいいんじゃないかとか、
誰にでも交代できるような職業では残っていけないことはわかる。
この先はきっと。
そういうことは日頃から娘に懇々と話してきた。

たぶんはじめて、夫から真剣で有益な話しをしてもらって驚いていた。
娘も私も。
養子縁組して親子になって12年目。
気が合うふたりでないことはわかっていた。
娘が父としてさまざまな場面で期待できない人物であろうことも。
私は占い師なので結婚を決めるときにも丹念に占いで各方面検討した。
自分とはもちろん、娘と夫の相性も。
ウェットな情感の持ち主である娘にそぐうような感性の男ではないが、責任感が強く実直であることは以前から知っていたので、娘との細かい相性は目をつぶった。大筋では安定的な生活になるだろうと。
そのことによる娘の心理的負担はゼロではないと思うが、実の親子でも相性が悪かったり理解し合えず、長年苦しむケースもある。私がそうだった。
そのようなコンビネーションに当たることがある意味、運命とも思っている。
ステップファミリーで速やかに自然に親子になっていけるほうがむしろ稀だと思う。

そんな経緯で、私は娘と夫の仲については期待をかけないようにしていた。

今日はようやく、山が動いた、そんな感じがした。
長かった。
なんかこう微妙すぎて、ひとに言えるレベルの悩みじゃなかったし、私も自分が負担を感じていることを意識できないというか、しないようにそっとしていた。
周りのひとから共感を得られる話しでもないしね。
連れ子で結婚してもらえて有り難いじゃん、みたいに言われたくはないし。
実際、有り難いし負い目も十分感じているから。


まだ親子の旅は続く。


覗いてくれたあなた、ありがとう。

不定期更新します。
質問にはお答えしかねます。

また私の12ハウスに遊びにきてくださいね。









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