糖質制限ダイエットでよくある失敗パターン

オンラインで指導のご依頼で最も多いのは、「正しいケトジェニックダイエット(糖質制限ダイエット)について教えて欲しい」というもので、実は7割以上はこれになります。私の指導では、段階によって、移行期、安定期、メンテ期、に期分けをしていますが、今回は、ガッツリのケトジェニックダイエットに挑戦された女性クライアントさんの、最も重要といえる移行期のお話です。

なんでこれ書こうかと思ったかって、糖質制限ダイエットを指導をさせて頂く上で、失敗しやすい例、としてかなり多いパターンなのです。特にBMI正常値範囲内くらいの体組成の女性。きっと世の中で「糖質制限はつらい」とか「効果が無い」とか「すぐリバウンドする」とか言われるのは、このパターンにハマっているんだろうなあと思ったりしています。自分自身をケトーシスにしたことすらない糖質制限反対派の指導者の方々は良いですが、糖質制限の指導を取り入れているけれど、中々うまくいかない、ってトレーナーさんなどにも是非聞いて頂きたいです。

まず、制限してもらって、私が最初にお聞きするのが「ダルくなったりフラフラしたりしましたか?」ということ。ここで「いや特には・・・」と言うような方は、一見良さそうですが、実は危険信号です。今回の女性クライアントさんもそうだったのですが、職業柄、血糖値と尿中ケトンを測定できたため、はっきりそれを確認することが出来ました。

この方の場合、糖質をほぼ0に制限しても、血糖が食後2時間で110、5時間たっても100を超えていました。この時点ではケトンも陰性。

これってつまり、肝臓が自前で糖をつくってしまっているんですね。だからそんなにダルくないのです。

ここでの対処法としましては、まず一度しっかりカーボアップすること、です。大体二日間くらい行って頂く場合が多いです。これによってコルチゾールレベルも下がり、肝臓もお休みしてくれるわけですね。

今回も、上記の時点でオススメはしたのですが、どうも気が進まないということで、サプリメントで糖新生を食い止める作戦に。今回はR型αリポ酸200、ベルベリン200mgを毎食(計3回)。数日間摂取して頂きました。が、わずかに血糖が落ちたような雰囲気もありましたが、ほとんど変わらず。もっと摂取量を増やせば反応も変わってきたのかもしれませんが、その他の問題も出てきそうなので、「太ったら責任取りますから」と前置きした上で、やはりカーボアップをして頂く事に。この場合は、脂質の摂取量は抑えながらも、ケチらずガッツリカーボアップをするのがミソ。ここではクエン酸も大量に摂取すると良いですね。

細かいことはここでは言えませんが、カーボアップ終了後は、タイミングを見計らってMCTオイルを中心にどんどん脂質を摂取し、同時に血糖を急降下させるため、運動を行います。そして、今回の女性もその頃には、フラフラに(笑)。頂くメールも心なしか、いつもより刺々しくなっています。が、その翌日辺りには、うまくケトンサイクルにのった方は皆体験する、「突如訪れる爽快感」を体験し、それと同時に尿中ケトンも++に。体重もずっと止まっていたのが、ススっと落ち始めました。ここで安心するとまた崩れてしまうわけですが、もう少しすれば、タレや少々の糖質くらいは気にせず摂取できるようになってきます。

と、いうことで、「糖質制限」と一口に言っても、成功させるためには様々なTIPSがあり、テクニックも必要なんですね。

世の糖質制限理論って、医療ベースのものがほとんどだし、有名な書籍なんかでも「ビジネスマンがケトーシスでパフォーマンスを高めるには」って思想だし、ハードに筋トレをするかしないかで体内環境は大きく変わり、糖質制限の方法も全く別物になるってこと、強く主張したいです。

以上、ご参考になれば幸いです。

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