見出し画像

フランク・ドーラン 北カリフォルニア合気道連盟 7段

合気道で育む人間関係は
盛平翁の偉大な遺産

フランク・ドーラン7段は、合気道修行歴42年。本年合気会より“師範”の称号を許された数少ない外国人合気道家であり、アメリカにおける合気道普及に多大な貢献をした先駆者でもある。2002年のエキスポセミナー師範でもある氏に合気道修行の道のりと、エキスポの感想を伺った。 
(取材 2002年5月3日 AIKI EXPO 2002 ラスベガスにて)
※所属や肩書きは、季刊『合気ニュース134号』に掲載当時のものです。


先生も生徒も同じマットで

―― 今回のエキスポでは、今までお名前をお聞きするだけだった先生方に、実際にお会いすることができてとても感激しています。

 同感です。エキスポに参加された先生方のうちの何人かとは長年のおつきあいをしています、プラニンさんもその中のお一人です、もう30年以上にもなります。しかし大半の先生方とは今回が初めてで、みなさんとても友好的でしたね。

―― 今回のセミナーでは、流派、会派に関係なく、またレベルもさまざまな方が参加されていますから、指導の面では大変だったのではありませんか。

 それほどでもありません。面白いなと思ったのは、約700人の参加者がいて、その中には指導者あり生徒あり、黒帯あり初心者ありで、みなさんが同じマットで稽古をしたということですね、これは素晴らしいことですよ。みんな真面目に、そしてお互いに助け合って稽古をしていました。ふつうではとても考えられないでしょ、たとえば50人のセミナーがあるとすると、誰かは文句を言うんですけどね。しかしこのエキスポで700人が集まってもみんな協力的で何よりも稽古を優先させていましたね。上級者が初心者を痛めつけるという光景も目にしなかったですね。

 私が稽古中、生徒達の間を歩いていたら、生徒の一人が私を“先生”と呼んだのです。その人は7段なんですよ。しかしマットの上では初心者の謙虚な態度をとられている、感動しましたね。

ここから先は

5,435字 / 2画像

¥ 162

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?