宇多田ヒカルの新アルバム参加アーティストが明らかに_椎名林檎参加楽曲のMV公開_TYCT-60101-final_L

宇多田ヒカルとインコグニートの邂逅 ~『Fantôme』に参加した海外ミュージシャンたち~

 宇多田ヒカル『Fantôme』のロンドン録音に参加してるミュージシャンたちを調べてみたところ、いろいろと興味深かったのでまとめてみた。Twitterに呟くつもりが、気づいたら大量になってしまったので断念して、こちらに集約。

●「道」のギターでクレジットされてるニック・メイヤー(Nick Meier)は、ジェフ・ベックのライブで2013年からツインギターの一人としてプレイしてるニコラス・メイヤーのことだろうか。それともまったくの別人か。調べてもいまいち確証が得られなかったけど、この人以外に候補になりそうな人が見当たらなかった。

●「俺の彼女」「花束を君に」「人魚」のドラムのイアン・トーマス(Ian Thomas)はエリック・クラプトン、ポール・マッカートニー、エルトン・ジョン、スティング、ミック・ジャガー、スティーヴ・ウィンウッド、そしてマイケル・ジャクソン等、数多くの大物たちと一緒にやってるベテランの売れっ子セッションドラマー。

●「俺の彼女」にのみ参加してダブルベース弾いてるアンディ・ウォーターワース(Andy Waterworth)は、ジャマイカ人の両親をもつロンドン出身のジャズミュージシャンであるコートニー・パインの2000年作『Back In The Day』のレコーディングに参加してる。

●「俺の彼女」「花束を君に」「真夏の通り雨」「荒野の狼」「人生最高の日」に参加してるギタリスト&ベーシストのベン・パーカー(Ben Parker)は、ロンドン在住のアーティスト(...以外にあまり情報が得られなかった)。調べてたら宇多田ヒカルについてツイートしてた。アルバムが世界各国で人気を博してることを喜んでるようだ。(※彼のものらしき音雲アカウントを見つけたのでリンクを追記)

https://soundcloud.com/benpar

https://soundcloud.com/benparkersongs

●「二時間だけのバカンス」「人魚」「荒野の狼」「忘却 featuring KOHH」「人生最高の日」でドラム叩いてるシルヴェスター・アール・ハーヴィン(Sylvester Earl Harvin)は、サム・スミスの2014年作『In The Lonely Hour』に収録されてる「Stay With Me」「I'm Not The Only One」「I've Told You Now」「Like I Can」 「Lay Me Down」 「Make It To Me」のドラマー。

●「ともだち with 小袋成彬」にのみ参加してベース弾いてるのはインコグニートの現メンバーであるフランシス・ヒルトン(Francis Hylton)【写真上】。同じく「ともだち」にのみパーカッションで参加してるウィル・フライ(Will Fry)【写真下】はアロー・ブラック、アーチー・シェップ、ジャミロクワイ、マーク・ド・クライヴ-ロウ、ロイ・エアーズ、トニー・アレン等とやってるようだ。

●ちなみにウィル・フライ(Will Fry)のHP(http://www.willfrypercussion.com/gallery#15)にいくと、「ともだち」レコーディング時のスタジオ写真(!)が一枚だけ掲載されてる("At Rak studios for Utada Hikaru"と記載)。ウィルも宇多田ヒカルも写ってないけど貴重かと。

●「二時間だけのバカンス」「荒野の狼」でベース担当してるジョディ・ミリナー(Jodi Milliner)【写真右】は、上述したサム・スミスの2014年作『In The Lonely Hour』に収録されてる「Stay With Me」 「I've Told You Now」「Like I Can」 「Lay Me Down」「Restart」「Make It To Me」に参加。「Lay Me Down (POMO Remix)」も。さらにメアリー・J. ブライジの『The London Sessions』でも「Therapy」「Not Loving You」「Worth My Time」に参加してる。

●ちなみに奥さんのタウィア(Tawiah)はマーク・ロンソンと2008年のグラストンベリー・フェスにて、エイミー・ワインハウス版で有名な名曲「Valerie」で共演経験があるシンガー。音雲にいろいろ音源が上がってて、夫のジョディ・ミリナー(Jodi Milliner)がプロデュースしてる曲もある。いくつか名曲カバーも。ホイットニーとボビー・コールドウェルのがとても良い。

ホイットニーのカバー(素晴らしい。特に4:32以降辺りなんかがツボ) 

ボビー・コールドウェルのカバー(大名曲「Open Your Eyes」)

https://soundcloud.com/tawiahmusic/08-open-your-eyes-bonus-cover

●「ともだち with 小袋成彬」「荒野の狼」に参加してるトランペッターのシド・ゴウルド(Sid Gauld)【写真上】はフランシス・ヒルトンと同じくインコグニートの現メンバー。トロンボーンのマーク・ナイチンゲール(Mark Nightingale)【写真下】はインコグニートのメンバーではないが、1995年の『100° and Rising』に収録されてる名曲「Everyday」のレコーディングに参加(おそらくこれ一曲のみ)していて、クレジットに名前を確認できる。また、スティングの1993年作『Ten Summoner's Tales』にも参加している。

●「ともだち with 小袋成彬」「荒野の狼」でサックス吹いてるアンディ・パナイ(Andy Panayi)はThe Andy Panayi Quartet等で活動していて、フレディ・ハバード、エルヴィス・コステロやポール・マッカートニー等との共演歴もあるというジャズミュージシャン。このカルテットのメンバーの一人として前述のマーク・ナイチンゲール【下写真左】がいる。

●(追記:10/08)

 10月7日にブルーノート東京で行われたインコグニートの公演レポートに、『Fantôme』に参加していたベーシストのフランシス・ヒルトン(Francis Hylton)と、トランペッターのシド・ゴウルド(Sid Gauld)の写真を発見。詳細はリンク先で。

http://www.bluenote.co.jp/jp/reports/2016/10/07/incognito-in-search-of-better-days-tour-2016.html


 このアルバムは椎名林檎、小袋成彬、そしてKOHHとのコラボに注目が集まりがちだけど、実はインコグニートのメンバーらともコラボしてるなんてトピックがあったとは思わなかった。非常に興味深い。「ともだち」をSONGSで初めて聴いたときに、「ああこれは自分の好きなテイスト寄りだなあ。どうせだったら日本国内のジャズミュージシャンとかをいっぱい呼び寄せて、宇多田ヒカル流に“今のジャズを消化したR&B・Pops”とかやったら面白そうだし聴いてみたいなあ」なんて漠然と思ったのだけど、アルバム全体を聴き、こうして起用ミュージシャンたちを調べてみると、もう既に“そちら方面”への萌芽が僅かながら見えたと言えるのかもしれない(......でも初期のビートが太い90's or ゼロ年代R&B感も、中期の開かれた魅惑の新世界感も、どちらも好きなので回帰路線でも歓喜だが)。

 8年ぶりに届けられたアルバム『Fantôme』は、早くも次作以降の展開が楽しみになるような作品であった。

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

14

dp

If I Should Die Tonight
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。